📖この章で学ぶこと
介護保険制度がなぜ作られたのか(目的)、どんな考え方(理念)に立つのかをつかむ章です。「社会保険方式」「自立支援」「利用者本位」「措置から契約へ」の4つのキーワードと、2000年の創設以降の主な改正の流れを整理しましょう。介護支援分野の土台になる超重要パートです。
🔥ここが頻出
制度の「目的」(自立支援・尊厳の保持)、3年ごとの改正サイクル、地域包括ケアシステムの考え方、「措置から契約へ」の転換は毎年のように問われます。理念に関する条文の言い回し(介護保険法第1条・第2条)は選択肢でそのまま使われるので、キーワードを押さえましょう。
介護保険制度は、加齢に伴って生じる心身の変化に起因する疾病などによりとなった人を、社会全体で支える仕組みとして年(平成12年)4月に施行された。介護保険法第1条は、要介護者などが尊厳を保持し、その有する能力に応じした日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービスおよび福祉サービスを給付することを目的に掲げている。介護保険制度が創設される前は、高齢者介護は主に行政が必要性を判断してサービスを決定する制度によって行われていた。介護保険制度の導入により、利用者が事業者を自ら選んでサービスを利用する制度へと転換した。これを「措置から契約へ」という。また、医療と福祉に分かれていた高齢者介護の財源・制度を再編し、新たな方式の制度として独立させた。これにより、保険料を納めた人が給付を受けるという「負担と給付の関係」が明確になった。💡覚え方
介護保険の理念は「自立支援・尊厳の保持・利用者本位(選択)」の3点セット。頭文字で「自・尊・選(じ・そん・せん)」とまとめて覚えると、第1条・第2条の問題で迷いません。
介護保険制度の基本理念のうち、できる限り在宅で自立した生活が送れるよう支援することをという。また、利用者自身がサービスを選択し決定するという考え方をという。さらに、介護を必要とする状態になっても個人としての尊厳が守られなければならないという考え方をという。介護保険法第2条は、保険給付が要介護状態のまたは悪化の防止に資するよう行われるべきこと、また被保険者の心身の状況や環境に応じて、被保険者の選択に基づき、適切なサービスが多様な事業者から総合的かつ効率的に提供されるよう配慮すべきことを定めている。なお、保険給付は、被保険者が自ら要介護状態となることを予防し、要介護状態になっても能力の維持向上に努める旨のを前提としつつ、これを社会連帯の理念に基づき支えるものである。介護保険制度は原則として年ごとに事業計画を見直し、それに合わせて法改正・報酬改定が行われる。2005年(平成17年)改正では、予防重視型システムへの転換としてが創設され、新たに介護予防給付が導入された。2011年改正では、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援を一体的に提供するの構築が打ち出された。2014年改正では、要支援者の訪問介護・通所介護を市町村の(介護予防・日常生活支援総合事業)へ段階的に移すこととされた。📌ポイント
介護保険は「医療保険」とは別の独立した社会保険です。医療を給付する仕組みではなく、要介護状態への支援(介護給付・予防給付)を行う点が本質。「自立支援」のためにあえて在宅・予防を重視している、と理解すると改正の方向性がつながります。
⚠️ひっかけ注意
「介護保険は措置制度である」「サービスは行政が一方的に決定する」といった選択肢は誤り。介護保険は契約方式・利用者本位が原則です。また「目的は要介護状態の治療(完治)」も誤り=目的は自立した日常生活の支援であり、軽減・悪化防止が条文の表現です。