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配電・配線

許容電流と定格電流の違い

「許容電流」と「定格電流」はどちらも電流の上限を表す言葉ですが、対象と意味が異なります。許容電流は電線(ケーブル)が安全に流せる電流の上限、定格電流は機器やブレーカーが正常に使える基準値です。両者の関係は電線とブレーカーの保護協調で重要になり、第一種電気工事士で頻出です。

比較表で見る違い

観点許容電流定格電流
対象電線・ケーブル(導体)機器・遮断器(ブレーカー・電動機等)
意味電線が許容温度を超えずに連続して流せる電流の上限機器が正常に連続使用できる基準の電流値
決まり方導体の太さ・絶縁物の許容温度・施工条件で決まる機器の設計仕様(メーカーが定める銘板値)
電線太さとの関係太い電線ほど許容電流は大きい電線太さとは直接無関係(機器側の値)
施工条件の影響同一管内の電線数・周囲温度で低減(電流減少係数)原則一定(周囲温度等で補正する機器もある)
保護協調での関係電線の許容電流 ≧ 過電流遮断器の定格電流 が原則分岐回路では電線許容電流に見合う定格を選定
超過したとき電線が過熱し絶縁劣化・焼損の恐れ機器の過負荷・ブレーカーの引外し(保護動作)

それぞれの詳しい解説

A許容電流

電線(ケーブル)が絶縁物の許容温度を超えずに連続して流せる電流の上限値。導体の太さ(断面積)、絶縁物の種類(許容温度)、施工方法によって決まります。同一電線管内に多数の電線を収めたり周囲温度が高いと放熱が悪くなるため、電流減少係数を掛けて値を低減します。

  • 電線が安全に流せる電流の上限

  • 導体の太さ・絶縁物の許容温度で決まる

  • 同一管内の電線数や周囲温度で低減(電流減少係数)

  • 超えると電線が過熱し絶縁劣化・焼損の恐れ

B定格電流

機器や遮断器が正常に連続して使用できるよう、設計・銘板で定められた基準の電流値。ブレーカーの「20A」「30A」や電動機の定格電流などがこれにあたります。分岐回路では、電線の許容電流に見合った定格電流の過電流遮断器を選び、保護協調をとります。

  • 機器・遮断器が正常に使える基準値(銘板値)

  • ブレーカーの定格(20A・30A等)が代表例

  • メーカーの設計仕様で決まる

  • 電線の許容電流に見合う定格を選定して保護協調をとる

試験対策のポイント

「許容電流=電線が流せる上限、定格電流=機器・ブレーカーの基準値」。保護協調の原則は「電線の許容電流 ≧ 過電流遮断器の定格電流」。許容電流は同一管内の電線数や周囲温度で低減する点が頻出。

理解度チェック(3問)

Q1. 許容電流の説明として正しいものはどれか。

  1. 1ブレーカーが正常に使える基準の電流値
  2. 2電線が許容温度を超えずに連続して流せる電流の上限
  3. 3電動機が始動時に流す最大電流
  4. 4機器の銘板に表示された定格の電流
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正解:2. 電線が許容温度を超えずに連続して流せる電流の上限

許容電流は電線(ケーブル)が絶縁物の許容温度を超えずに連続して流せる電流の上限。機器側の基準値は定格電流。

Q2. 電線の許容電流を低減させる要因として正しいものはどれか。

  1. 1電線を太くする
  2. 2周囲温度を下げる
  3. 3同一電線管内に収める電線本数を増やす
  4. 4電線を1本だけ単独で配線する
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正解:3. 同一電線管内に収める電線本数を増やす

同一電線管内に多数の電線を収めると放熱が悪くなり、電流減少係数により許容電流が低減する。周囲温度が高い場合も同様。

Q3. 電線とその過電流遮断器(ブレーカー)の保護協調として原則正しいものはどれか。

  1. 1電線の許容電流 < 遮断器の定格電流
  2. 2電線の許容電流 ≧ 遮断器の定格電流
  3. 3電線の許容電流と遮断器の定格電流は無関係
  4. 4遮断器の定格電流は常に電線許容電流の2倍にする
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正解:2. 電線の許容電流 ≧ 遮断器の定格電流

電線が過熱する前にブレーカーが動作するよう、「電線の許容電流 ≧ 過電流遮断器の定格電流」となるように選定するのが原則。

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