📖この章で学ぶこと
2級の「必要とされる資質」は、原則論ではなく込み入った職場場面でどう判断するかを問う。本章では秘書の本分である「補佐」の意味、機密保持・誠実・公平・出過ぎない姿勢という資質の柱を、上司や来客が絡む具体的な場面に当てはめて学ぶ。3級が「正しい知識」を問うのに対し、2級は「もっともらしい誤り」を見抜く判断力を問う点を意識してほしい。迷ったら「決定は上司、補佐は秘書」という大原則に立ち返って選択肢を絞り込むとよい。
秘書の本分は、上司が経営判断や対外的な仕事に専念できるよう、その周辺業務を引き受けて上司をすることにある。秘書は決裁・人事・契約といったを持たず、上司に代わって動くことはあっても上司に代わってすることはしない。この線引きを職務のをわきまえるという。2級では「上司が忙しそうなので秘書が気をきかせて代わりに決めた」という、一見親切に見える越権行為が不適当の典型として問われる。📌補佐とは「黒衣(くろご)」に徹すること
秘書は舞台の黒衣にたとえられる。主役の上司が動きやすいよう陰で支えるのが本分で、自分が前面に出るのは適当でない。たとえば来客との会話で秘書が話の中心になる、上司より先に意見を述べる、といった行動は「出過ぎ」として減点対象になる。一方で必要な場面で黙って引っ込むのも補佐不足である。「出過ぎず・引っ込みすぎず」の中庸こそが資質の核心で、設問では極端な選択肢を外していくのが解き方の基本になる。
業務上知り得た会社や上司の秘密を外部に漏らさないは、秘書にとって最重要の資質である。たとえ社内の他部署の同僚や親しい友人であっても、人事異動や取引の情報を。また、相手の地位や態度で接し方を変えず、重役にも一般客にも分け隔てなくに接することが求められる。上司の指示に対しては自分の好き嫌いや評価を交えず、まずに受け止めて正確に実行する。ただし、指示が明らかに法令や社内規程に反する場合は、その場で従わず確認するのが正しく、誠実さは盲従とは異なる。🔥ここが頻出
2級では「上司の留守中に重要な決定を秘書が下す」「来客や電話で上司の在否・予定を安易に答える」「親しい相手だから機密を少しだけ話す」などが不適当として頻出する。判断に迷う場面の安全策は「上司の指示を仰ぐ」「いったん保留し用件だけ聞いておく」で、独断で動く選択肢は強く疑う。ただし機械的に保留すればよいわけではなく、相手を待たせる場合は見通しを伝えるなどの配慮もセットで問われることを覚えておく。
仕事の指示を受けたら、内容があいまいなまま自己流で進めず、不明点はその場で上司にし、期限・優先順位・相手・目的を正確につかんでから取りかかる。仕事が終われば、頼まれなくても結果を上司にする。報告・連絡・相談をまとめてと呼び、円滑な補佐の土台とされる。とくにミスや悪い知らせほど報告するのが鉄則で、自分で挽回しようと抱え込んで報告を遅らせるのは2級でも不適当の定番である。秘書は上司の人柄や仕事の進め方を理解し、言われる前に必要なことを察して動くが求められる。しかし、よかれと思って上司の判断にかかわる事柄まで勝手に決めるのはにあたる。気がきくこととことは紙一重であり、その境目をどう見極めるかが2級の資質で繰り返し問われる。秘書は社内外の多くの人と接するため、明るく感じのよいができることが望まれる。注意を受けたときは言い訳や反論をせず、まずに受け止めて改める。仕事に私情を持ち込まず、忙しいときや機嫌の悪いときでも態度を変えないした姿勢を保つことが、信頼される秘書の条件である。💡覚え方:秘書の資質「こきみよい」
「こ=公平」「き=機密保持」「み=身だしなみ」「よ=余計なことをしない(出過ぎない)」「い=誠実」と語呂で押さえると、込み入った場面でも正誤判断がぶれにくい。困ったら「上司を立て、自分は一歩下がる」「判断は上司、補佐は秘書」を基準に選択肢を見直す。語呂と原則の両方を持っておくと、初見の難場面でも対応しやすくなる。