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医療的ケア・総合

喀痰吸引と経管栄養の違い

2011年の社会福祉士及び介護福祉士法改正により、2012年4月から研修を修了して認定を受けた介護職員等が、2016年4月からは介護福祉士も業務として、医師の指示のもと喀痰吸引と経管栄養を実施できるようになりました(介護福祉士として行う場合は、実地研修を修了して登録証に付記された行為に限り、登録喀痰吸引等事業者で実施)。両者は目的・実施部位・必要研修区分が異なります。

比較表で見る違い

観点喀痰吸引経管栄養
目的気道内の痰や分泌物を除去し呼吸を確保口から食べられない人に栄養・水分を投与
実施部位口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部胃ろう・腸ろう・経鼻経管
挿入の深さ咽頭の手前まで(介護福祉士の範囲)胃まで挿入(胃ろう・経鼻経管)
使用器具吸引器・吸引チューブ栄養剤・注入器・接続チューブ
介福が可能な範囲口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部(咽頭手前まで)胃ろう・腸ろう・経鼻経管栄養の注入
必要研修基本研修(第1・2号研修は講義50時間+演習、第3号研修は9時間。介護福祉士は養成課程の医療的ケア)+実地研修基本研修(第1・2号研修は講義50時間+演習、第3号研修は9時間。介護福祉士は養成課程の医療的ケア)+実地研修
医師の指示必須必須

それぞれの詳しい解説

A喀痰吸引

気道内に貯留した痰や分泌物を吸引器で除去する医療的ケア。介護福祉士は口腔内・鼻腔内(咽頭の手前まで)・気管カニューレ内部の吸引を、実地研修を修了して登録証に付記された行為に限り、登録喀痰吸引等事業者のもとで医師の指示に基づき実施できます。気管カニューレより奥(気管深部)は介護福祉士の範囲外です。

  • 口腔内吸引: 口の中の痰・分泌物

  • 鼻腔内吸引: 鼻から咽頭手前まで

  • 気管カニューレ内吸引: カニューレ内部に限定

  • 清潔操作・1回の吸引は10〜15秒以内(気管カニューレ内部は10秒以内)・換気確認が重要

B経管栄養

消化管に直接栄養剤を投与する医療的ケア。胃ろう・腸ろう・経鼻経管の3経路があります。介護福祉士は栄養剤の注入を実施可能で、チューブの交換は医師・看護職が行います。注入中・後の体位(30度以上の上半身挙上)が誤嚥予防の鍵です。

  • 胃ろう(PEG): 腹壁から胃へ。最も普及

  • 腸ろう: 腹壁から空腸へ

  • 経鼻経管: 鼻から胃まで。短期向き

  • 注入中・後30分以上は上半身を30度以上挙上

試験対策のポイント

「喀痰吸引=痰の除去、経管栄養=栄養の注入」が目的の違い。介護福祉士は両方とも実地研修の修了(登録証に付記)+登録事業者+医師の指示で実施可、咽頭より奥の吸引・チューブ交換は不可と覚える。

理解度チェック(4問)

Q1. 介護福祉士が実施できる喀痰吸引の範囲として、正しいものはどれか。

  1. 1気管深部の吸引
  2. 2口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部
  3. 3咽頭から喉頭まで
  4. 4気管支から肺胞まで
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正解:2. 口腔内・鼻腔内・気管カニューレ内部

介護福祉士が実施できる喀痰吸引は、口腔内(咽頭手前まで)・鼻腔内(咽頭手前まで)・気管カニューレ内部に限定される。気管深部やカニューレより奥は医療職の業務。

Q2. 経管栄養に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1介護福祉士はチューブの交換ができる
  2. 2注入中は上半身を水平にする
  3. 3介護福祉士は、実地研修を修了して登録証に付記された行為であれば、登録喀痰吸引等事業者のもとで医師の指示を受けて栄養剤の注入ができる
  4. 4経鼻経管は長期使用に最も適している
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正解:3. 介護福祉士は、実地研修を修了して登録証に付記された行為であれば、登録喀痰吸引等事業者のもとで医師の指示を受けて栄養剤の注入ができる

介護福祉士は実地研修を修了して登録証に付記された行為について、登録喀痰吸引等事業者のもとで医師の指示を受ければ栄養剤の注入が可能。チューブ交換は医師・看護職が実施。注入中・後は上半身30度以上挙上が誤嚥予防に重要。経鼻経管は短期向き、長期は胃ろうが推奨。

Q3. 介護福祉士が医療的ケアを実施する条件として、適切でないものはどれか。

  1. 1所定の研修(基本研修+実地研修)を修了している
  2. 2医師の指示書がある
  3. 3勤務先の事業所が登録喀痰吸引等事業者として登録されている
  4. 4本人の同意は不要である
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正解:4. 本人の同意は不要である

医療的ケアの実施には本人または家族の同意が必須。研修修了・医師の指示書・事業者の登録は必要要件。

Q4. 胃ろうからの経管栄養の手順として、適切でないものはどれか。

  1. 1注入前に体位を上半身30度以上挙上にする
  2. 2注入後すぐに横になってもらう
  3. 3注入物の温度・量を確認する
  4. 4注入中の本人の状態(顔色・呼吸)を観察する
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正解:2. 注入後すぐに横になってもらう

注入後すぐに横になると胃食道逆流による誤嚥リスクが高まる。注入後30分以上は上半身を挙上したまま保つことが重要。

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