📖この章で学ぶこと
品質管理で最も大切な基本姿勢を学びます。作り手の都合ではなくお客様の視点で考えるマーケットイン、品質を何より優先する品質第一、次工程を大切にする後工程はお客様、そして良い品質は検査ではなく工程で作り込むというプロセス重視の考え方を身につけましょう。
品質管理の出発点は、製品を実際に買って使う人の立場に立って物事を考えることにあります。作り手が売りたいものを一方的に作って市場へ送り出す考え方をと呼びます。これに対し、お客様が本当に求めているものを調べ、その要求に合った製品を提供しようとする考え方をといいます。QC的なものの見方では、この後者の姿勢を基本とします。ただしプロダクトアウトが常に悪いわけではなく、お客様がまだ気づいていない価値を先に提案できる場合もあるため、両者のバランスが問われます。📌ここがポイント
マーケットインは「お客様が欲しいものを作る」、プロダクトアウトは「作り手が作れるものを売る」。QC検定ではマーケットインを基本姿勢として押さえるのが鉄則です。
お客様を最優先し、その満足を第一に考える姿勢をといいます。ここでいうお客様とは、製品の最終的な使用者だけを指すのではありません。自分の仕事の結果を次に受け取る人、すなわちもまたお客様であるという考え方を「後工程はお客様」といいます。自分の工程の後ろにいる人が受け取りやすく、次の作業をしやすいように仕事を仕上げることが、組織全体の品質につながります。⚠️ひっかけ注意
「後工程はお客様」の後工程を前工程と取り違えないこと。自分の作業を受け取る「後ろ」の工程がお客様です。前工程は自分に材料や情報を渡してくれる側です。
企業活動では、売上や納期、コストなど多くの目標がありますが、その中でも品質を最も大切にする考え方をといいます。目先の生産量や納期を優先して品質をおろそかにすると、不適合品の手直しや市場でのクレーム対応にかえって大きな費用と時間がかかります。長い目で見れば、品質を最優先することが結果的にコスト低減と信頼獲得につながります。品質第一は、短期の利益と長期の信頼が対立したとき、目先の利益よりを選ぶ姿勢でもあります。一度失った顧客の信頼を取り戻すのは容易ではありません。品質を確保する方法として、出来上がった製品を検査で選別し、悪いものを取り除くやり方があります。しかし検査で不良を見つけるだけでは、すでに使ってしまった材料や工数は無駄になります。そこでQC的な考え方では、良い品質は検査で保証するのではなく、それぞれので作り込むと考えます。この「品質は工程で作り込む」という原則をといいます。結果として現れた良し悪しだけを見るのではなく、その結果を生み出す仕事のやり方、すなわちプロセスそのものに注目して管理することが重要です。🔥ここが頻出
「品質は工程で作り込む」はQC検定の頻出フレーズ。検査は不良を取り除く手段にすぎず、品質そのものを生み出すのは各工程です。作り込みの発想を必ず押さえましょう。
検査に頼って不良を後から取り除く考え方を、結果だけを見るという意味で結果重視といいます。これに対しプロセス重視では、良い結果が安定して得られるように、仕事のそのものを標準化し、改善していきます。プロセスが良ければ結果は自然に良くなる、という因果の考え方が土台にあります。自分が渡す部品や情報に不備があれば、それは次工程にとってのとなり、組織全体の効率を下げます。だからこそ、後工程が受け取りやすい形に仕上げる配慮が求められます。プロセス重視を実現する道具として、仕事の手順を定めたを整備し、誰が作業しても同じ結果が出るようにします。標準どおりに作業しても品質が安定しないなら、標準そのものを見直します。たまたま良い製品ができても、そのプロセスが不安定なら次も良いとは限らないため、QCでは結果の良し悪しよりも、それを安定して生み出すを重視します。💡覚え方
QC的考え方①の柱は「マ・品・後・プ」の4つ。マーケットイン、品質第一、後工程はお客様、プロセス重視。この頭文字でセットにして覚えると、実践分野の土台が固まります。
マーケットインとプロダクトアウトは、どちらか一方だけが正しいというものではありません。お客様の顕在的な要求に応えるのがマーケットインの強みですが、お客様自身がまだ言葉にできていない的なニーズを先取りして提案する場面では、作り手の技術やアイデアを起点とする発想も生きてきます。重要なのは、常にお客様の満足を最終目的に置くことです。「後工程はお客様」を組織で徹底すると、各工程が次工程の受け取りやすさを考えて仕事をするようになります。たとえば部品を渡すときに必要な情報を添え、不良を流さないようにするのは、次工程のを防ぐためです。こうした配慮の積み重ねが、最終的なお客様満足を支えます。品質第一を実際の行動に移すと、たとえ生産が遅れていても、規格を外れた製品をそのまま次工程へ流さないという判断につながります。良くないものを作らない、流さない、受け取らないという行動原則は、後工程を守る具体的な形であり、組織のを守ることにもなります。