ビジネス実務法務検定2級 まとめノート

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ビジネス法務の体系と契約の基礎

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📖この章で学ぶこと

企業を取り巻く法のしくみ(公法・私法・社会法の区分、強行規定と任意規定)を俯瞰し、契約がどのように成立し効力を持つかを学ぶ。意思表示の瑕疵、代理、無効と取消し、消滅時効といった民法総則の基礎が、後の各章すべての土台となる。

法は、国家と私人の関係を規律する公法と、私人相互の関係を規律する私法とに大きく分けられる。企業活動の基本ルールである民法・商法・会社法はに属する。これに対し、労働者保護を目的とする労働基準法のように、私的自治に国家が後見的に介入する分野をと呼ぶ。私法の世界では、当事者が自由に法律関係を形成できるというが妥当し、その中核に契約自由の原則がある。法令の規定のうち、当事者の合意で変更できない規定を強行規定といい、当事者が合意で排除・変更できる規定をという。たとえば、公の秩序に関しない事項について当事者が法令と異なる意思を表示したときは、その意思に従う(民法91条)。一方、公序良俗(民法90条)に反する契約はとなり、当事者の合意によっても覆せない。
📌ポイント:契約の成立

契約は、申込みと承諾という対立する意思表示の合致によって成立する(民法522条1項)。原則として契約書の作成は成立要件ではなく、口頭の合意でも契約は成立する(諾成契約)。書面が要求されるのは保証契約(民法446条2項)など例外に限られる。

契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れるに対して相手方がをすることで成立する。改正民法では、承諾の意思表示は相手方に到達した時に効力を生ずるが原則となった(民法97条1項)。なお、店頭での商品陳列のように、不特定多数に向けた表示は申込みではなくと解されるのが通常で、客の申出が申込み、店側の応答が承諾となる。表意者が真意でないことを知りながら行った意思表示を心裡留保といい、原則としてだが、相手方が真意でないことを知り、または知ることができたときは無効となる(民法93条)。相手方と通じてした虚偽の意思表示(通謀虚偽表示)はである(民法94条1項)が、この無効は善意の第三者に対抗できない(同条2項)。第三者保護のためのこの規定は、後述の登記や対抗要件の理解にもつながる重要条文である。法律行為の目的及び取引上の社会通念に照らして重要な錯誤があった場合、その意思表示はことができる(民法95条)。改正前は無効とされていたが、改正民法で取消しに変更された点に注意する。詐欺による意思表示も取り消すことができるが、詐欺の取消しはの第三者には対抗できない(民法96条3項)。これに対し、強迫による取消しは第三者の善意・悪意を問わず対抗できる点で、保護の程度が異なる。
⚠️ひっかけ注意:無効と取消し

無効は初めから効力がなく誰でも主張でき、追認しても原則有効にならない。取消しは取り消されるまで有効で、取消権者のみが主張でき、追認すれば確定的に有効となる。取消権は追認できる時から5年、行為の時から20年で消滅する(民法126条)。この期間と性質の違いが頻出。

本人に代わって意思表示を行い、その効果を直接本人に帰属させる制度を代理という。代理人が代理権の範囲内で本人のためにすることを示して()した意思表示は、本人に対して直接効力を生ずる(民法99条)。代理権を持たない者が行った代理行為(無権代理)は、本人がしない限り本人に効力を生じない(民法113条)。もっとも、代理権授与の表示があった場合など一定の要件を満たすと、本人が責任を負うが成立し、相手方が保護される。自己契約・双方代理は、本人の利益を害するおそれがあるため原則として無権代理とみなされる(民法108条)。法律行為の効力の発生・消滅を、発生するかどうか不確実な将来の事実にかからせる付款を条件、確実に到来する事実にかからせる付款をという。効力の発生にかかる条件を停止条件、消滅にかかる条件を解除条件と呼ぶ。期限の利益は債務者のために定めたものと推定され(民法136条)、債務者が破産手続開始の決定を受けるなどした場合には期限の利益をする(民法137条)。融資契約の期限の利益喪失条項は、この規定を契約で具体化したものである。債権は、債権者が権利を行使することができることを知った時(主観的起算点)から間、または権利を行使することができる時(客観的起算点)から間行使しないときは、時効によって消滅する(民法166条1項)。改正前は職業別の短期消滅時効が存在したが、改正民法で原則この二本立てに統一された。時効の利益を受けるには、当事者が時効をする必要がある(民法145条)。裁判上の請求や承認があると時効の(旧・中断)が生じ、進行していた時効期間はリセットされる。催告は6か月間の完成猶予(旧・停止)の効果にとどまる点に注意する。
💡覚え方:時効の更新と完成猶予

「請求・承認・差押えは更新(リセット)、催告は猶予(6か月の延長だけ)」と区別して覚える。承認は債務者が借金の一部を支払う等でも成立し、実務では債権管理上の重要ポイントとなる。改正で用語が中断→更新、停止→完成猶予に変わった点も押さえる。

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