📖この章で学ぶこと
賃貸管理業の社会的役割と、3つの管理形態(自主管理・受託管理・サブリース)の違いを学びます。各形態の当事者関係と賃貸人の地位の所在を理解することが、後続章の理解の前提となります。
賃貸住宅の管理は、賃貸人にとっては資産の保全・収益確保、賃借人にとってはの確保という意義を持つ。賃貸住宅は私的財でありながら、地域社会におけるとして社会的役割を担っており、適切な管理が求められる。近年、賃貸住宅オーナーのや相続による所有形態の複雑化が進み、専門業者による管理の必要性が高まっている。📌ここがポイント
管理形態は3種類:①自主管理(オーナー自身が管理)、②受託管理(管理業者がオーナーから委託を受けて管理、賃貸人はオーナー)、③サブリース(管理業者がオーナーから一括借上げし転貸、賃貸人は管理業者)。
①自主管理は、賃貸人であるが直接、入居者募集・契約・家賃徴収・修繕等を行う形態である。中小規模物件で多く見られるが、専門知識や時間的負担が課題となる。②受託管理は、オーナーが管理業者に管理業務を委託する形態で、賃貸借契約上の賃貸人はのままである。管理業者はオーナーの代理人として業務を行い、対価としてを受け取る。空室リスクは原則としてオーナーが負担する。③サブリース方式は、管理業者がオーナーから物件を一括借上げ(マスターリース)し、それを入居者にする形態である。この場合、入居者との賃貸借契約上の賃貸人はとなる。空室リスクは原則としてが負担し、オーナーには空室の有無にかかわらず一定の賃料が支払われる仕組みが多い。⚠️ひっかけ注意
サブリースで空室時もオーナーへ賃料が支払われる仕組みでも、契約上「家賃減額請求」が可能なため「家賃保証」と一律に説明することは不適切。トラブル多発を受けて2020年にサブリース新法(賃貸住宅管理業法の一部)が制定された経緯があります。
2020年にはサブリース業者のトラブル増加を受け、誇大広告の禁止、不当勧誘の禁止、特定賃貸借契約締結前のが義務化された。これらは賃貸住宅管理業法の中に組み込まれている。賃貸不動産経営管理士は、賃貸住宅管理の専門家として、業務管理者の要件を満たす(2021年に法定資格化)であり、適正な管理業務の遂行に中核的な役割を果たす。賃貸管理業務には、入居者募集・契約事務・家賃等の徴収・苦情対応・原状回復・建物点検等が含まれる。これらのうち、家賃・敷金等のは管理業者の重要な責務であり、自己の固有財産とは分別して管理する必要がある。苦情対応は単なる伝達ではなく、賃借人のに直結する重要業務である。深夜・休日対応の体制整備も求められる。建物の管理では、定期的な点検・清掃のほか、計画的な実施が長期的な資産価値維持の観点から重要となる。賃貸借契約終了時の原状回復については、国土交通省のが実務上の指針となっており、通常損耗・経年変化は賃貸人負担、故意・過失による損耗は賃借人負担が原則である。管理業者は、賃貸人・賃借人の双方に対してに業務を行う義務を負い、利益相反となる行為は避けなければならない。賃貸住宅は、わが国の総住宅戸数のうち約を占めており、その適切な管理は住生活基本法に基づく住生活の安定確保にも資する。