📖この章で学ぶこと
電気回路を読み解く土台となる「電流(A)」「電圧(V)」「抵抗(Ω)」「電力(W)」の意味と単位を学びます。電子の流れと電流の向きの関係、直流と交流の違い、導体・絶縁体・半導体の区別まで、第一種電気工事士の計算問題に欠かせない基礎をひと通り押さえましょう。単位記号の暗記と概念の理解がここでの最重要事項です。
電気回路において、電流の単位は、電圧(電位差)の単位は、抵抗の単位はである。電流とは、単位時間あたりに導体の断面を通過する電荷の量のことで、1秒間に1クーロン(C)の電荷が移動するとき、その電流の大きさをと定義する。すなわち電流I〔A〕は、t秒間に流れた電気量Q〔C〕を用いてI=Q/tと表され、逆に電気量はQ=I×t〔C〕で求められる。電気の正体は自由電子の移動であるが、電子はマイナスの電荷をもつため、電子が実際に流れる向きと電流の向きはと定義されている。すなわち、電子は電源のマイナス極からプラス極へ移動し、電流はプラス極からマイナス極へ流れるものとして扱う。電圧は電流を流そうとする力(圧力に相当)であり、回路の2点間の電気的な高さの差を表すことからとも呼ばれる。電圧が高いほど、同じ抵抗でも多くの電流が流れる。一方、電流の流れにくさを表す量をといい、その逆数(電流の流れやすさ)をという(単位はS:ジーメンス)。コンダクタンスG〔S〕は抵抗R〔Ω〕を用いてG=1/Rで表される。⚠️ひっかけ注意
「電子の移動方向」と「電流の向き」は逆。試験で「電子はどちらへ流れるか」と問われたら電流とは逆方向(マイナス→プラス)が正解。また、電圧の記号はE(起電力)またはV(電位差)の両方が使われるが、単位はどちらもボルト〔V〕である点も混同しないこと。
物質は電気の通しやすさによって分類される。金属のように自由電子が多く電気をよく通す物質をといい、ゴム・ガラス・プラスチック・空気のように電気をほとんど通さない物質を(不導体)という。導体と絶縁体の中間の性質をもち、シリコンやゲルマニウムのように条件によって導電性が変化する物質をという。半導体はダイオードやトランジスタの材料として用いられる。導電率(電気の通しやすさ)の高い金属を高い順に並べるととなる。最も導電率が高いのは銀であるが、コストと加工性の面から一般の電線には主にが使われる。送電線など長距離・軽量化が求められる用途では、銅より軽いが使われることも多い。導体の抵抗は温度によって変化する。金属導体の場合、温度が上昇すると自由電子の運動が激しくなり電子の移動が妨げられるため、抵抗は。これを抵抗の正の温度係数という。これに対して、半導体や電解液では温度上昇とともに抵抗が減少する(負の温度係数)。電流には直流(DC)と交流(AC)の2種類がある。直流は時間が経過しても大きさと向きが電流で、乾電池・蓄電池・太陽光発電などが代表例である。一方、交流は時間とともに大きさと向きが電流で、発電所から家庭・工場へ送られる商用電源は交流である。日本の商用電源の周波数は、東日本(東京電力など)で、西日本(関西電力など)でである。周波数f〔Hz〕は1秒間あたりの繰り返し回数を、周期T〔s〕は1回の変化に要する時間を表し、両者の間にはT=1/fの関係がある。📌ここがポイント
電気の基本単位は丸暗記が必須。電流=A(アンペア)、電圧=V(ボルト)、抵抗=Ω(オーム)、電力=W(ワット)、電気量=C(クーロン)。あわせてI=Q/t(電流は電気量÷時間)、T=1/f(周期と周波数は逆数)の2式は計算問題の出発点になるので確実に。
💡覚え方
導電率の順番は「銀・銅・金・アルミ」=「ぎん・どう・きん・アルミ」と口に出して覚える。価値の高そうな金より、実は銅のほうが電気をよく通すのがポイント。周波数は「東は50(ごー)、西は60(ろく)」で東西を取り違えないように。