第二種衛生管理者とは?
労働安全衛生法に基づく国家資格。常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任義務があり、情報通信業・金融保険業・卸売小売業・サービス業など有害業務の少ない業種で活躍。有害業務が試験範囲に含まれないため、第一種より学習範囲がコンパクトです。
第二種衛生管理者の基本データ
第二種衛生管理者は国家資格です。実施機関は公益財団法人 安全衛生技術試験協会。 合格率は50%前後(近年の合格率はおおむね46〜56%で推移)、受験者数は年間 約3.5万人(第二種)。受験料は8,800円。
- 実施機関
- 公益財団法人 安全衛生技術試験協会
- 合格率
- 50%前後(近年の合格率はおおむね46〜56%で推移)
- 受験者数
- 年間 約3.5万人(第二種)
- 受験料
- 8,800円
出典: 公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表データ
第二種衛生管理者の概要
第二種衛生管理者は、労働安全衛生法に基づく国家資格で、常時50人以上の労働者を使用する事業場で選任が義務付けられている業務独占資格です。労働者の健康障害を防止し、職場の衛生水準を維持・向上させる役割を担います。
第二種は、有害業務の少ない業種(情報通信業・金融保険業・卸売小売業・飲食店・サービス業など、いわゆるオフィス系業種)で衛生管理者として選任できます。一方で、製造業・建設業・運送業・鉱業・電気ガス水道業・医療業・清掃業など有害業務を含む業種では選任できず、これらの業種では第一種衛生管理者が必要です。
試験は5択30問・3時間。出題は「関係法令(有害業務に係るもの以外)」「労働衛生(有害業務に係るもの以外)」「労働生理」の3科目で、各科目40%以上かつ総得点60%以上(300点満点で180点以上)で合格となります。有害業務(有機溶剤・特定化学物質・粉じん等)が試験範囲に含まれないぶん、第一種(44問)より学習範囲がコンパクトです。
受験資格は第一種と共通で、学歴と労働衛生実務経験の組合せが必要です(大卒1年・短大卒3年・高卒5年・実務経験10年などが代表的ルート)。合格率は50%前後で、しっかり対策すれば合格圏内に入る難易度です。
- 労働安全衛生法に基づく業務独占資格。常時50人以上の事業場で選任義務
- 有害業務の少ない業種(情報通信・金融・保険・小売・サービス業等)で選任できる
- 5択30問・3科目(関係法令/労働衛生/労働生理・いずれも有害業務以外)
- 各科目40%以上+総得点60%以上で合格。合格率は50%前後
- 製造業・建設業・運送業・医療業など有害業務を含む業種では第一種が必要
第二種衛生管理者の合格率・難易度・試験日程
年間スケジュール
- 受験申込み: 試験日の2ヶ月前から1週間前まで
- 試験実施: 各センターで毎月1〜2回(年間6〜10回)
- 合格発表: 試験日から約1週間後(合格者には合格証が郵送)
関東(千葉)・近畿(兵庫)・中部(愛知)等 全国7つの安全衛生技術センターで実施。各センターで月1〜2回。出張特別試験(地方都市)も年数回開催。
出典:公益財団法人 安全衛生技術試験協会 公表データ
第二種衛生管理者の受験資格
第二種衛生管理者試験には受験資格があり、「学歴」と「労働衛生の実務経験」の組合せで受験できるかが決まります(第一種と共通の要件)。学歴が高いほど必要な実務経験年数は短く、学歴を問わず実務経験10年以上でも受験できます。申請時には実務経験を証明する事業者証明書が必要です。
大学・専門職大学卒
卒業後、労働衛生の実務経験1年以上で受験可能(専門学校卒は「大学等卒」に含まれない点に注意)。
短大・高等専門学校卒
卒業後、労働衛生の実務経験3年以上で受験可能。
高校卒(中等教育学校含む)
卒業後、労働衛生の実務経験5年以上で受験可能。
学歴を問わないルート
労働衛生の実務経験が通算10年以上あれば、学歴に関係なく受験可能。
- 「労働衛生の実務」には、健康診断の実施に関する事務、作業環境の測定・改善、衛生教育の企画・実施、看護師・保健師としての業務、衛生推進者としての業務などが幅広く該当します
- 受験申請時に、実務経験を事業者が証明する「事業者証明書」の添付が必要です
- 第二種合格後に第一種を受験することもできます(有害業務を扱う業種に転じる場合は第一種が必要)
第二種衛生管理者の試験内容(科目・問題数・合格基準)
5択30問のマークシート方式。「関係法令(有害業務以外)」「労働衛生(有害業務以外)」「労働生理」の3科目・各10問で、各科目40%以上 かつ 総得点60%以上(180点以上)が合格基準。
試験形式
筆記試験のみ(マークシート方式)
試験時間
3時間
解答形式
5択 30問(各科目10問・各100点)
合格基準
各科目40%以上 かつ 総得点60%以上(300点満点で180点以上)
出題科目
関係法令(有害業務以外)
10問・100点労働安全衛生法・安衛則・事務所衛生基準規則・労働基準法(安全衛生管理体制・健康診断・労働時間・年少者・妊産婦 等)
労働衛生(有害業務以外)
10問・100点温熱環境・採光照明・情報機器作業・労働衛生統計・メンタルヘルス・食中毒・救急処置・腰痛対策 等
労働生理
10問・100点循環器・呼吸器・神経・筋・消化器・肝臓・腎臓・血液・感覚器・内分泌・代謝・体温調節 等
問われる力
- 関係法令(労働基準法・労働安全衛生法・事務所衛生基準規則)の正確な理解
- 安全衛生管理体制(総括安全衛生管理者・衛生管理者・産業医・衛生委員会)の選任要件の把握
- 一般作業環境・換気・温熱・視環境・健康診断・メンタルヘルス・食中毒・救急処置の理解
- 労働衛生統計・情報機器作業・腰痛予防など職場の健康管理の運用知識
- 人体の生理機能(循環・呼吸・神経・消化・代謝など)の基礎理解
第二種衛生管理者取得後のキャリア
第二種衛生管理者を取得すると、常時50人以上の労働者を使用する事業場(有害業務の少ない業種)で選任要員として活躍できます。情報通信業・金融保険業・卸売小売業・サービス業などオフィス系の職場で重宝され、人事・労務・総務担当のキャリアステップとして位置付けられています。
主なキャリアパス
IT・情報通信業の衛生管理者
オフィスの作業環境管理・情報機器作業対策・長時間労働対策・メンタルヘルス対策を担う。
金融・保険・卸売小売業の衛生管理者
本社・支店・店舗で選任。健康診断管理・職場巡視・衛生教育を実施。
人事・労務・総務・健康管理室
健康診断・ストレスチェック・メンタルヘルス対策・過重労働対策・産業医との連携。
第一種衛生管理者へのステップアップ
有害業務を含む業種に転じる場合は第一種を取得。第二種の学習が土台になる。
社会保険労務士など関連資格へ
労働関係法令の知識を活かし、社会保険労務士等の労務系資格へ展開できる。
安全管理者・産業医との連携
産業医・産業看護職とともに労働者の心身の健康を守る。
- 常時50人以上の事業場では選任義務があり、有資格者は採用市場で評価される
- 資格手当(月3,000〜10,000円)の対象になりやすい
- オフィス系企業(IT・金融・小売・サービス)では第二種で十分対応できる
第二種衛生管理者を取得するメリット
従業員50人以上の全事業場で選任が“義務”。需要が法律で保証
出典: 労働安全衛生法
IT・金融・保険・小売・サービスなどオフィス系なら第二種で選任OK
有害業務が試験範囲に入らないぶん、第一種より学習量が軽い
会社が“取らせたい”資格だから、社内の昇進・評価に直結しやすい
資格手当が月1,000〜1万円つく会社も
出典: 合格ナビ等
合格率50%前後で、総務・人事のキャリアに効く
出典: 試験統計
※ 手当・年収などの金額は企業・地域・時期により異なります。数値は各出典の公表時点のものです。
第二種衛生管理者のよくある質問
Q. 第一種と第二種の違いは?
A. 第一種はすべての業種(有害業務を含む)で選任できますが、第二種は有害業務の少ない業種(情報通信業・金融保険業・卸売・小売業・サービス業など)に限定されます。製造業・建設業・運送業・医療業・鉱業などでは第二種では選任できません。試験も、第一種は有害業務を含む44問、第二種は有害業務を除く30問で、第二種のほうが学習範囲がコンパクトです。
Q. 受験資格はありますか?
A. 第一種と共通で、学歴と労働衛生の実務経験の組合せが必要です。主なルート: 大卒(労働衛生実務1年以上)/短大・高専卒(同3年以上)/高卒(同5年以上)/学歴不問(同10年以上)。実務には、健康診断の実施事務、看護師等としての業務、作業環境測定、保健衛生に関する業務などが該当します。
Q. 合格基準は?
A. ①各科目40%以上 かつ ②総得点60%以上(300点満点で180点以上)、の両方を満たすと合格です。1科目でも40%を下回ると総得点が高くても不合格となるため、関係法令・労働衛生・労働生理のどれも捨てない学習が重要です。
Q. 第二種はどんな人におすすめですか?
A. 勤務先がIT・情報通信・金融・保険・卸売小売・サービス業など有害業務の少ない業種であれば、第二種で衛生管理者として選任できます。まず取得の負担が軽い第二種を取り、必要になれば第一種へステップアップするのも一般的です。
Q. 何ヶ月くらいの勉強で合格できますか?
A. 初学者で1〜3ヶ月、実務経験者で1ヶ月程度が目安です。1日1〜2時間の学習を継続し、過去問(公表問題)を3周以上が定番。全国センターで月1〜2回試験があるため、自分の準備状況に合わせて受験日を決められます。
Q. 衛生管理者と産業医の違いは?
A. 産業医は医師免許を持つ医学の専門家として、健康診断結果の判定・面接指導・職場巡視(月1回以上)など医学的な側面から労働者の健康管理を行います。一方、衛生管理者は事業場の従業員(人事・労務担当者など)が資格を取って選任され、週1回以上の職場巡視・衛生教育・健康診断の実施管理など、衛生管理の実務全般を日常的に担います。常時50人以上の事業場では産業医と衛生管理者の両方の選任が義務です。
Q. 衛生管理者は国家資格ですか?
A. はい。衛生管理者(第一種・第二種)は労働安全衛生法に基づく国家資格(免許)です。試験に合格した後、都道府県労働局に免許申請を行うと免許証が交付されます。常時50人以上の労働者を使用する事業場では選任が法律で義務付けられているため、企業からの需要が安定している資格です。
Q. 第二種衛生管理者の難易度は?
A. 合格率は50%前後で、国家資格の中では取り組みやすい部類です。ただし「各科目40%以上かつ総得点60%以上」という科目別の足切りがあるため、苦手科目を残すと不合格になります。出題パターンは公表問題と類似する傾向が強く、過去問中心の学習を1〜3ヶ月続けるのが合格の定番ルートです。