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労働衛生

感染型食中毒と毒素型食中毒の違い

食中毒のうち細菌性のものは、生きた細菌が腸管内で増殖して発症する「感染型」と、食品中で細菌があらかじめ産生した毒素を摂取して発症する「毒素型」に大きく分けられます。加熱で予防できるかどうかが両者を分ける重要なポイントです。

比較表で見る違い

観点感染型食中毒毒素型食中毒
発症の仕組み生きた菌が腸管内で増殖・侵入して発症食品中で菌が産生した毒素を摂取して発症
代表的な原因菌サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌
潜伏期間比較的長い(十数時間〜数日)比較的短い(黄色ブドウ球菌は1〜5時間程度)
加熱の効果中心部まで十分に加熱し菌を死滅させれば予防できる毒素は加熱で分解されないものがある(黄色ブドウ球菌の毒素は熱に強い)
原因食品の例鶏卵・食肉・海産魚介化膿した手で扱った食品・缶詰・真空パック食品
主な発生時期夏に多い(細菌性)菌の種類により通年で発生

それぞれの詳しい解説

A感染型食中毒

サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクターなどが代表。食品とともに口から入った細菌が、腸管内で増殖したり組織に侵入したりして発症します。菌そのものが原因なので、食品を中心部まで十分に加熱して菌を死滅させれば予防できます。潜伏期間は毒素型に比べて長い傾向があります。

  • サルモネラ菌は鶏卵・食肉が原因になりやすい

  • 腸炎ビブリオは海産魚介が原因で好塩性(真水や加熱に弱い)

  • カンピロバクターは鶏肉が原因で少量の菌でも発症する

  • 生きた菌が原因のため中心部まで加熱すれば予防できる

B毒素型食中毒

黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌が代表。食品の中で細菌が増殖する際に産生した毒素を、食品とともに摂取することで発症します。黄色ブドウ球菌が作るエンテロトキシンは熱に強く、通常の加熱では分解されないため、加熱調理しても中毒を防げないことがあります。潜伏期間は短い傾向があります。

  • 黄色ブドウ球菌は手指の化膿巣が汚染源になりやすい

  • 黄色ブドウ球菌の毒素(エンテロトキシン)は熱に強い

  • ボツリヌス菌は缶詰・真空パックで増え神経毒を産生し致死率が高い

  • 食品中で先に作られた毒素が原因なので加熱で防げないことがある

試験対策のポイント

「感染型=生きた菌が腸で増える・加熱で予防できる」「毒素型=先に作られた毒素が原因・黄色ブドウ球菌の毒素は熱に強い」で整理。ボツリヌス菌は毒素型だが菌自体は熱に弱い点にも注意。

理解度チェック(2問)

Q1. 毒素型食中毒に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1サルモネラ菌は代表的な毒素型食中毒の原因菌である
  2. 2黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは熱に強く、通常の加熱では分解されない
  3. 3毒素型は生きた菌が腸管内で増殖して発症する
  4. 4毒素型は感染型に比べて潜伏期間が長い
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正解:2. 黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンは熱に強く、通常の加熱では分解されない

黄色ブドウ球菌のエンテロトキシンは熱に強く、加熱調理しても分解されにくいため中毒を防げないことがある。サルモネラ菌は感染型の代表。毒素型は食品中で先に作られた毒素の摂取が原因で、潜伏期間はむしろ短い傾向がある。

Q2. 感染型食中毒の原因菌の組合せとして、正しいものはどれか。

  1. 1黄色ブドウ球菌・ボツリヌス菌
  2. 2ノロウイルス・フグ毒
  3. 3サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター
  4. 4テトロドトキシン・エンテロトキシン
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正解:3. サルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター

感染型の代表はサルモネラ菌・腸炎ビブリオ・カンピロバクター。黄色ブドウ球菌とボツリヌス菌は毒素型。ノロウイルスはウイルス性、フグ毒(テトロドトキシン)は自然毒で、いずれも細菌性の感染型ではない。

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