基本情報技術者試験とは?
ITエンジニアの登竜門となる国家試験。プログラミング・アルゴリズム・ネットワーク・DB・セキュリティ・マネジメントを横断的に学び、IT人材としての基礎体力を証明できます。
基本情報技術者試験の概要
基本情報技術者試験(FE)は、情報処理促進法に基づきIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」のうち、ITエンジニアを目指す人・ITの基礎を体系的に身につけたい人を対象としたレベル2相当の試験です。多くのIT企業で新卒エンジニアの取得目標として推奨され、業界標準の「入門資格」として広く認知されています。
出題範囲は、テクノロジ系(アルゴリズム・プログラミング・データベース・ネットワーク・セキュリティ・ハードウェア)、マネジメント系(プロジェクトマネジメント・サービスマネジメント)、ストラテジ系(経営戦略・システム戦略・法務)の3領域で、ITエンジニアに求められる基礎知識を網羅的に問います。特に2023年4月からはCBT(Computer Based Testing)方式による通年受験へ移行し、科目A・科目Bの2部構成に再編されました。
学習時間の目安は未経験者で約200時間、情報系の学習経験者で100時間程度。応用情報技術者試験(AP)や情報処理安全確保支援士(SC)など、より上位のスキル証明につながる「IT国家資格ステップアップ」の第一歩として位置付けられており、SIer・SES・事業会社情シス問わず、エンジニアキャリアの起点として最適な資格です。
- ITエンジニアの登竜門となる国家試験。経産省「ITSS」レベル2相当
- アルゴリズム・プログラミング・DB・ネットワーク・セキュリティなどIT基礎を体系的に学べる
- 2023年からCBT方式で通年受験可能に。自分のペースで受けられる
- 応用情報(AP)・情報処理安全確保支援士(SC)など上位試験への足掛かり
- 多くのIT企業で新卒採用要件・昇給報奨金の対象となる業界標準資格
受験者数・試験日程・合格率
実施機関
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)
受験者数(目安)
年間 約10〜13万人(応募者ベース)。2023年のCBT移行後は通年実施により受験機会が大幅に増加
合格率
概ね30〜40%前後(従来PBT方式)。2023年のCBT移行後は40〜50%前後で推移
受験料
7,500円(税込)
年間スケジュール
- CBT方式で通年実施(受験者自身が日程・会場を予約)
- 全国の試験会場(プロメトリック認定会場等)で随時受験可能
- 合格発表は受験後、一定期間内にマイページで確認
※試験制度・受験料の詳細は実施機関であるIPAの公式サイトで最新情報をご確認ください。
出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料」直近年度(2023〜2024年度実績)
試験の構成
基本情報技術者試験は、IT全般の基礎知識を問う「科目A(多肢選択60問)」と、アルゴリズム・プログラミング・情報セキュリティを中心に実践的思考力を問う「科目B(多肢選択20問)」の2部構成。いずれもCBT方式で通年受験でき、両科目で600/1000点以上を取ると合格となります。
試験形式
CBT(Computer Based Testing)方式・通年随時実施
試験時間
科目A:90分(60問)/科目B:100分(20問)
解答形式
多肢選択式(科目Aは四肢択一/科目Bは擬似言語・セキュリティ事例を含む多肢選択)
合格基準
科目A・科目B それぞれ600点/1000点以上(IRTによる評価)
出題科目
科目A:テクノロジ系(基礎理論・コンピュータシステム)
科目A出題の中心領域離散数学、アルゴリズム基礎、プロセッサ、メモリ、OS、ハードウェアなどコンピュータの基本構成と理論。
科目A:テクノロジ系(技術要素)
科目A・科目B共通の頻出領域データベース(SQL・正規化)、ネットワーク(TCP/IP・ルーティング)、情報セキュリティ(暗号・認証・マルウェア対策)。
科目A:テクノロジ系(開発技術)
ソフトウェア開発プロセス、要件定義、設計、テスト、オブジェクト指向、アジャイルなどシステム開発全般。
科目A:マネジメント系
プロジェクトマネジメント(スケジュール・リスク)、サービスマネジメント(ITIL)、監査など運用管理領域。
科目A:ストラテジ系
経営戦略、マーケティング、システム戦略、企業会計、関連法規(個人情報保護法・知財など)。
科目B:アルゴリズムとプログラミング
科目B・出題比率 約80%擬似言語を用いたトレース、データ構造(配列・リスト・木)、探索・整列アルゴリズムなど。科目Bの約8割を占める重点領域。
科目B:情報セキュリティ
科目B・出題比率 約20%インシデント対応、アクセス制御、認証・認可、リスクアセスメントなどの事例ベース問題。
問われる力
- IT基礎(ハード・ソフト・ネットワーク・DB・セキュリティ)の横断的な体系理解
- 擬似言語を読み解き、アルゴリズムを正確にトレースする論理的思考力
- セキュリティ事例から適切な対策を選び出す実務的判断力
- 経営・マネジメント視点でITを捉え、システム戦略を組み立てる視座
資格取得後のキャリア
基本情報技術者は、SIer・SES・Web系・事業会社情シスなど幅広いIT職種で「エンジニアとしての基礎体力」を証明する資格です。多くの企業が新卒や若手エンジニアに取得を推奨し、取得者には報奨金や昇給・評価加点を設ける例も多いため、キャリア初期のコストパフォーマンスが極めて高い資格といえます。さらに上位の応用情報技術者(AP)、情報処理安全確保支援士(SC)への足掛かりにもなります。
主なキャリアパス
SIer・SESのシステム開発エンジニア
業務システムやインフラ構築の要件定義・設計・開発・テストを担当。新卒配属時にFE取得が推奨されることが多い。
Web系・自社サービスのソフトウェアエンジニア
アルゴリズム・DB・ネットワーク・セキュリティなど、実務で必要な共通教養としてFEの知識が直結する。
事業会社の情報システム部門・社内SE
社内ITインフラ運用、ベンダーマネジメント、DX推進などで、システム全体を俯瞰できる基礎知識が武器になる。
応用情報・高度試験へのステップアップ
FE取得後は応用情報技術者(AP)、情報処理安全確保支援士(SC)、データベーススペシャリスト(DB)などIT国家資格の高度領域へ進む道が開ける。
関連データ
年間応募者数
約10〜13万人
出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料」直近年度
合格率(CBT移行後)
約40〜50%
出典:IPA「情報処理技術者試験 統計資料」2023〜2024年度
ITSSレベル
レベル2相当
出典:経済産業省「ITスキル標準(ITSS)」
IT人材の不足見込み(2030年)
最大約79万人
出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査」(2019年、ITパスポート資料等にも引用)
- SIer・SES各社で取得奨励・報奨金制度あり(企業により5,000円〜数万円)。配属・昇進にも有利
- 新卒採用でのIT基礎教養の指標として、人事部門が評価に組み込むケースが多い
- エンジニア以外(営業・企画・コンサル)でも、ITリテラシーを体系的に示す材料になる
- 上位の応用情報・高度試験ではFE合格レベルの知識が前提となり、キャリアの土台として長く効く
よくある質問
Q. プログラミング未経験でも合格できますか?
A. 可能です。科目Bで擬似言語を読み解く問題が中心になりますが、特定の実務言語(Python/Javaなど)の経験は必須ではありません。未経験からでも200時間前後の学習で合格に到達するケースが多く、書籍・過去問演習・オンライン講座を組み合わせた学習が王道です。
Q. 学習時間はどれくらい必要ですか?
A. IT未経験者で約200時間、情報系の学習経験者で100時間程度が目安とされます。平日1時間+休日3〜4時間を2〜4か月ほど継続するイメージで、CBT方式のため自分の準備状況に合わせて受験日を柔軟に設定できます。
Q. ITパスポート(iパス)との違いは?
A. ITパスポートは全社会人向けのIT基礎リテラシー資格(ITSSレベル1)で、FEは「ITエンジニアの登竜門」(ITSSレベル2)です。FEではアルゴリズム・プログラミング・セキュリティなど、実際にシステムを作る側に求められる知識が中心に問われます。
Q. 受験はいつでもできますか?
A. 2023年4月以降、基本情報技術者試験はCBT方式で通年実施されています。受験者自身が試験会場(プロメトリック認定会場など)と日程をオンライン予約し、準備が整ったタイミングで受験できます。
Q. 合格後にどんな資格にステップアップできますか?
A. 基本情報(FE)合格後は、より実務寄りの応用情報技術者(AP)、専門領域の情報処理安全確保支援士(SC)、データベーススペシャリスト(DB)、ネットワークスペシャリスト(NW)などIT高度試験へ進むのが王道のルートです。