FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)とは?
お金の専門家として、ライフプラン・保険・金融・税金・不動産・相続を横断的に提案できる国家資格。金融・保険・不動産業界のキャリアと、独立FPへの登竜門として人気です。
FP2級(ファイナンシャル・プランニング技能士2級)の概要
ファイナンシャル・プランニング技能士2級(FP2級)は、個人のライフプランや資産設計をトータルに支援する「お金のプロ」であることを証明する国家資格です。金融、保険、不動産、税務、相続など多領域の知識が問われ、金融機関・保険会社・不動産業界で実務レベルの顧客提案を行うための標準的な資格として位置づけられています。
試験は「学科試験」と「実技試験」の2本立てで、日本FP協会または金融財政事情研究会(きんざい)のいずれかで受験します。3級と比較して論点が深く、計算問題の比重も高まるため、ライフプランニング係数・保険料・金融商品・不動産譲渡所得・相続税評価など、数字を扱う力が総合的に試されます。
合格後は日本FP協会のAFP・CFP®資格へのステップアップが可能で、独立系FPやIFA(独立系金融アドバイザー)として活動する道も開けます。2025年4月からはCBT(コンピュータ試験)方式へ順次移行し、通年受験が可能になる予定で、社会人の学び直しやキャリアチェンジの起点として一層取り組みやすい資格となっています。
- ライフ・リスク・金融・タックス・不動産・相続の6分野を横断的に学べる国家資格
- 銀行・証券・保険・不動産の営業/コンサル職で「標準装備」として求められる水準
- AFP・CFP®、IFA、独立系FPへのステップアップの起点となる
- 3級から一段深い論点・計算問題に踏み込み、実務での提案力に直結する
- 年3回(1月・5月・9月)実施。2025年4月からCBT化でスケジュール自由度が大幅UP
受験者数・試験日程・合格率
実施機関
日本FP協会 / 一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)
受験者数(目安)
学科・実技合計で年間 約25〜30万人(両機関合算)。2級は金融資格の中でも最大規模の受験者数を誇る
合格率
学科試験:40〜60%前後/実技試験:40〜60%前後(実施機関・回により変動。日本FP協会の方がきんざいより合格率が高めの傾向)
受験料
学科 5,700円/実技 6,000円(2024年度・いずれの実施機関も同額)
年間スケジュール
- 年3回:1月・5月・9月(いずれも日曜日、学科午前/実技午後の1日完結)
- 2025年4月からCBT(コンピュータ)方式に順次移行予定で、通年受験が可能に
- 合格発表:試験日の約1.5ヶ月後
- 学科・実技どちらか一方のみ合格した場合、試験免除で翌々年度末まで再受験可能
※学科と実技で試験実施機関(日本FP協会/きんざい)を選べます。合格には学科・実技の両方合格が必要です。受験資格(FP3級合格、AFP認定研修修了、実務経験2年以上のいずれか)に注意。
出典:日本FP協会・きんざい 試験実施データ(2023〜2024年度実績)/日本FP協会「FP技能検定受検データ」
試験の構成
FP2級試験は、6分野の知識を問う「学科試験」(4択60問)と、実務ケースを題材にした「実技試験」(日本FP協会:資産設計提案業務/きんざい:個人資産相談業務・中小事業主資産相談業務・生保顧客資産相談業務・損保顧客資産相談業務から選択)の2本立てで構成されます。学科と実技の両方に合格して初めて「2級FP技能士」を名乗れます。
試験形式
現行:PBT(紙・マークシート)/2025年4月以降:CBT(コンピュータ試験)へ順次移行
試験時間
学科:120分/実技:90分
解答形式
学科:4肢択一 60問/実技:事例形式の記述・計算+選択式(協会:40問/きんざい:15事例=大問5問×各3小問)
合格基準
学科:60点満点中36点以上/実技:50〜100点満点中60%以上
出題科目
A:ライフプランニングと資金計画
学科・約10問6つの係数、住宅ローン、教育資金、公的年金(老齢・障害・遺族)、健康保険、雇用保険、労災など社会保険の総合。キャッシュフロー表の作成も頻出。
B:リスク管理
学科・約10問生命保険・損害保険の商品設計、保険料の仕組み、税務(生命保険料控除・保険金課税)、法人保険の経理処理など。
C:金融資産運用
学科・約10問債券・株式・投資信託・外貨建商品・デリバティブ・ポートフォリオ理論・NISA・iDeCoなど。利回り計算や相関係数の問題が頻出。
D:タックスプランニング
学科・約10問所得税の10種類の所得分類、所得控除・税額控除、法人税の基礎、消費税、青色申告など。各種所得の計算が鍵。
E:不動産
学科・約10問不動産登記・宅建業法・借地借家法・建築基準法・区分所有法・不動産取得/保有/譲渡の税金・不動産投資の利回り計算。
F:相続・事業承継
学科・約10問民法上の相続、遺言、相続税・贈与税の計算、財産評価(宅地・株式)、事業承継対策など。2次レベルの総合問題が出やすい。
実技:資産設計提案業務(日本FP協会)
個人の総合FPプランを想定し、6分野を横断する40問の事例問題を解く。提案書を読み取り計算・選択する設問構成。
実技:個人資産相談業務(きんざい)
ライフ・金融・タックス・不動産・相続の5事例×3小問=15問。3級より論点が深く、計算問題が中心。
実技:生保/損保/中小事業主資産相談業務(きんざい)
業種特化型の実技。保険会社や中小企業顧客への提案を想定した事例問題で構成される(業界実務者向け)。
問われる力
- 6分野を横断する幅広い知識と、顧客の状況に応じて必要論点を取り出す総合力
- 年金額・所得税額・相続税評価額・不動産譲渡所得など、実務レベルの計算を正確にこなす数値処理能力
- ライフイベントに紐づくお金の流れを、キャッシュフロー表・提案書の形で整理する構成力
- 金融・保険・税・不動産に関する法改正情報を継続キャッチアップする姿勢
資格取得後のキャリア
FP2級は、金融機関・保険会社・不動産会社の顧客提案で必須レベルの資格として位置づけられ、就職・昇進・営業成績のいずれにも直結します。独立系FP・IFA(独立系金融アドバイザー)への登竜門としても定番で、AFP認定研修とセットで取得することで上位資格CFP®へのパスも開けます。
主なキャリアパス
金融機関(銀行・証券・信金)
個人向け資産運用・住宅ローン・相続対策の窓口提案、富裕層向けプライベートバンキング部門、リテール営業でFP2級は事実上の標準装備。
保険会社・保険代理店
生命保険・損害保険の顧客提案、ライフプランシミュレーションに基づく保険設計。生保/損保の実技選択で業務直結の学習が可能。
不動産・ハウスメーカー
住宅購入相談・投資不動産提案での税金・ローン・相続アドバイス。宅建士とのダブルライセンスで提案の幅が広がる。
独立系FP・IFA
AFP/CFP®取得を経て、保険ショップ・投資助言業・相続コンサル・セミナー講師として独立。近年はオンラインFP相談市場も拡大中。
企業の総務・人事・経営企画
従業員向けライフプランセミナー、退職金・企業年金制度設計、福利厚生設計などで知識を活かす。
関連データ
FP資格保有者の平均年収(全体)
約600〜700万円
出典:日本FP協会「CFP®認定者/AFP認定者 就業状況調査」(2021年)
メガバンク・大手証券のFP資格保有率
営業職でほぼ100%(2級以上を推奨・必須化)
出典:各金融機関の人材育成方針・日本FP協会 業界動向レポート(2023〜2024年)
日本FP協会 AFP認定者数
約16万人(2024年時点)
出典:日本FP協会「会員・認定者数統計」(2024年3月末)
FP2級 年間合格者数
学科・実技合計で約10〜15万人
出典:日本FP協会・きんざい「FP技能検定 試験実施データ」(2023〜2024年度)
- 「顧客からの信頼が増し、提案の決裁率が上がった」という営業現場での定性効果が大きい
- 宅建士・簿記2級・証券外務員・社労士との相性が良く、ダブルライセンスで業務の幅が広がる
- 自分自身のライフプラン・資産形成にも直結する「一生モノの生活防衛スキル」として学習意義が高い
- 2025年のCBT化により、社会人の学び直しニーズが拡大している
よくある質問
Q. FP3級を持っていなくても2級を受けられますか?
A. 受験資格として、次のいずれかが必要です:①FP3級合格、②日本FP協会認定のAFP認定研修修了、③FP業務に関する実務経験2年以上、④厚生労働省認定金融渉外技能審査3級合格。未経験者はAFP認定研修を修了することで3級を飛ばして2級に挑戦するルートも一般的です。
Q. 日本FP協会ときんざい、どちらで受けるべき?
A. 学科試験は両機関共通で内容・難易度に差はありません。実技は、総合提案力を広く問う「資産設計提案業務(日本FP協会)」か、業種特化の「個人資産相談業務/生保/損保/中小事業主資産相談業務(きんざい)」から選びます。合格率は日本FP協会の方がやや高めで、独立や副業志向の方は日本FP協会、金融機関・保険実務者はきんざいを選ぶ傾向があります。
Q. 学習時間はどれくらい必要ですか?
A. 初学者で150〜300時間、FP3級合格者で100〜200時間が目安です。3ヶ月〜半年ほどの学習期間で臨む人が多く、平日1時間+休日3〜4時間のペースが標準的です。2025年からのCBT化で通年受験が可能になるため、自分のペースで学習計画を立てやすくなります。
Q. FP2級とAFP、CFP®の違いは?
A. FP2級は国家資格(技能検定)で更新不要の一生モノ、AFP/CFP®は日本FP協会の民間資格で2年ごとの継続教育が必要です。AFPは2級FP技能士+認定研修修了で認定され、CFP®は世界25カ国以上で認知される国際資格(6科目試験合格+実務要件が必要)。キャリアの段階に応じて「2級→AFP→CFP®」とステップアップするのが王道ルートです。
Q. 独学でも合格できますか?
A. 十分可能です。市販テキスト+過去問演習(最低3回分)で合格している受験者が多数派で、学科は過去問の焼き直しが多いため過去問反復が最も効果的。実技は計算問題対策として電卓練習を必ず行いましょう。FP2級は独学比率が比較的高い国家資格の一つです。