ITパスポート試験とは?
すべての社会人に推奨される、ITリテラシーの国家資格。DX時代に欠かせない「経営・マネジメント・テクノロジ」3分野の基礎を横断的に証明します。
ITパスポート試験の概要
ITパスポート試験(通称:iパス)は、IPA(情報処理推進機構)が実施する国家試験「情報処理技術者試験」の一区分で、ITを利活用するすべての社会人・学生を対象とした入門レベルの国家資格です。ITエンジニアだけでなく、営業・企画・人事・経理など非IT部門の人材にも推奨される、幅広い職種をカバーする「ITリテラシーの共通言語」として位置付けられています。
出題範囲は「ストラテジ系(経営全般)」「マネジメント系(プロジェクト・運用)」「テクノロジ系(IT技術)」の3分野で、経営戦略・マーケティング・法務から、プロジェクトマネジメント、ネットワーク・セキュリティ・AI・データ活用まで横断的に問われます。経済産業省が推進する「DXリテラシー標準」の中核指標の一つとしても扱われ、新入社員研修や昇格要件に組み込む企業も増えています。
試験はCBT方式で、全国のテストセンターでほぼ毎日受験可能。100問120分・1000点満点で、合格基準は総合評価点600点以上かつ3分野それぞれ300点以上。年間約23〜25万人が受験し、合格率は50%前後で推移する、国家資格としては比較的チャレンジしやすい試験です。
- 国家資格としてITリテラシーを証明できる、情報処理技術者試験のエントリーレベル
- 経営・マネジメント・テクノロジの3分野を横断し、DX時代のビジネス共通言語が身につく
- CBT方式で全国ほぼ毎日受験可能。自分のペースで挑戦できる柔軟さ
- 経産省「DXリテラシー標準」の中核指標。新入社員必須化・昇格要件化する企業が増加中
- 非IT部門でも効果大。営業・企画・人事・経理など全職種のキャリア資産になる
受験者数・試験日程・合格率
実施機関
IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)
受験者数(目安)
年間約23〜25万人(応募者ベース・年々増加傾向。社会人受験者が約6〜7割、学生受験者が約3〜4割)
合格率
約50%前後(通年で安定。社会人受験者は50%台、学生受験者は40%台で推移)
受験料
7,500円(税込)
年間スケジュール
- 随時実施:全国のテストセンターでほぼ毎日受験可能(CBT方式)
- 申込:IPA公式サイトから希望日時・会場を選択して予約
- 結果発表:試験終了直後に総合評価点が画面表示/公式合格発表は翌月中旬
- 再受験:不合格の場合も、一定期間後に何度でも受験可能
※試験日・会場・料金の最新情報は必ずIPA公式サイトで確認してください。学生向けの団体受験割引や、企業向けの集合CBTプランも用意されています。
出典:IPA「情報処理技術者試験・ITパスポート試験統計資料」(2023〜2024年度実績)
試験の構成
ITパスポート試験は、ITを利活用するすべての社会人に求められる基礎知識を「ストラテジ系」「マネジメント系」「テクノロジ系」の3分野から総合的に問う試験です。CBT方式で100問120分、1000点満点。合格には総合評価点600点以上に加え、3分野それぞれで300点以上(最低ライン)のバランス達成が必要です。
試験形式
CBT(Computer Based Testing)方式/全国テストセンターで随時実施
試験時間
120分(2時間)
解答形式
四肢択一式・100問(うち総合評価の対象となる問題は92問、評価対象外の試行問題が8問程度含まれる)
合格基準
総合評価点 600点以上/1000点、かつストラテジ系・マネジメント系・テクノロジ系の各分野評価点が 300点以上/1000点
出題科目
ストラテジ系(経営全般)
約35問企業活動・経営戦略・マーケティング・会計・法務・標準化など、企業と経営の基礎知識を問う。出題割合は約35問。
マネジメント系(プロジェクト・運用)
約20問システム開発技法、プロジェクトマネジメント、ITサービスマネジメント、システム監査など、ITの「運用・管理」に関する知識。
テクノロジ系(IT技術)
約45問基礎理論、コンピュータシステム、ネットワーク、データベース、セキュリティ、AI・データ活用など、IT技術全般の知識。出題割合が最も大きい。
問われる力
- 経営戦略・マーケティング・法務などビジネス全般を俯瞰する「経営リテラシー」
- プロジェクトマネジメントやITサービスマネジメントの基本プロセス理解
- ネットワーク・データベース・セキュリティなどIT技術の基礎知識
- AI・IoT・ビッグデータ・クラウドなど最新トレンド用語を正しく理解する力
- DX時代に求められる「IT×ビジネス」を横断する総合的な判断力
資格取得後のキャリア
ITパスポートは、情報処理技術者試験のエントリーレベルとして、IT業界志望の学生から非IT部門の社会人まで幅広く受験されています。資格自体が特定の独占業務を生むわけではありませんが、「ITリテラシーを国家資格で証明できる」点が評価され、新入社員必須化・昇格要件化・採用時の加点対象としている企業が多数あります。経済産業省「DXリテラシー標準」の中核指標としても位置付けられ、DX人材育成のスタート地点として定着しています。
主なキャリアパス
新入社員・若手社会人のITリテラシー証明
IT部門以外でも、業務でのシステム活用・セキュリティ対応・データ活用が当たり前になる中、基礎知識を国家資格で示せる。新入社員研修のゴールに設定する企業も多い。
IT業界への入口・基本情報技術者へのステップアップ
IT業界志望の学生・未経験転職者にとって最初の登竜門。合格後は「基本情報技術者試験」「応用情報技術者試験」へ段階的にステップアップできる。
非IT部門でのDX推進・社内プロジェクト参画
営業・企画・人事・経理など非IT部門でも、DX推進プロジェクト・業務システム刷新・データ活用施策に「発注者側」として関与する際の共通言語になる。
学生の就職活動・単位認定
大学・専門学校で単位認定対象とされるケースが増加。就活でもITリテラシーの裏付けとしてアピール可能。
関連データ
年間応募者数
約23〜25万人
出典:IPA「ITパスポート試験統計資料」(2023〜2024年度)
合格率
約50%前後(通年)
出典:IPA「ITパスポート試験統計資料」(2023〜2024年度)
社会人受験者の割合
約60〜70%
出典:IPA「ITパスポート試験統計資料」応募者属性集計
DXリテラシー指標採用企業
多数(年々増加)
出典:経済産業省「DXリテラシー標準」関連資料
- 「セキュリティや契約書のITリテラシーが上がり、現場の意思決定が早くなった」という声が多い
- 非IT部門の社員がDXプロジェクトに参画する際、共通言語として機能し会話がスムーズになる
- 学生時代に取得しておくと、IT業界以外の就職先でも「ITに強い人材」として差別化できる
- 「基本情報技術者試験」へのステップアップのモチベーションになり、継続的なキャリア形成を後押しする
よくある質問
Q. IT未経験・文系でも合格できますか?
A. 可能です。ITパスポートは「ITを利活用するすべての社会人・学生」を対象とした入門レベルの試験で、受験者の多くが文系・非IT部門です。標準的な学習時間100〜180時間を確保し、過去問演習を繰り返せば合格が十分狙えます。
Q. 学習時間はどれくらい必要ですか?
A. IT業務経験がない社会人・学生の場合、100〜180時間(約2〜4か月、1日1〜2時間)が目安です。IT関連の業務経験がある方なら50〜80時間程度でも合格可能なケースがあります。過去問を中心にインプットとアウトプットを並行するのが効率的です。
Q. いつでも受験できますか?
A. はい、CBT方式で全国のテストセンターにてほぼ毎日実施されています。IPA公式サイトから希望の日時・会場を選んで予約する形式で、平日・土日とも受験可能です。結果は試験終了直後に画面に表示されます。
Q. 基本情報技術者試験とどう違いますか?
A. ITパスポートは「ITを使う全ての人」を対象としたエントリーレベル、基本情報技術者は「IT技術者・エンジニア」を対象としたレベル2の試験です。ITパス合格後に基本情報へステップアップする人が多く、学習範囲もITパスの延長線上にあります。
Q. 合格すると就職・転職で有利になりますか?
A. 独占業務はありませんが、国家資格としてITリテラシーを客観的に証明できるため、新卒・中途の採用で加点対象とする企業は多数あります。また、DX推進や情報セキュリティ強化の文脈で、非IT職の転職でも「自学自習で体系知識を身につけられる人材」という評価につながります。