📖この章で学ぶこと
介護福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」(1987年制定)に基づく国家資格です。本章では、法律上の定義、業務範囲、義務規定(信用失墜行為の禁止・秘密保持義務・連携・資質向上の責務)、名称独占資格としての位置づけを学びます。さらに2007年改正で追加された「心身の状況に応じた介護」「喀痰吸引等」、2011年改正による医療的ケアの一部解禁を整理し、日本介護福祉士会倫理綱領(1995年制定)の7原則も覚えましょう。倫理的ジレンマへの対応も国家試験頻出です。
介護福祉士は、1987年に制定されたに基づく国家資格である。同法第2条第2項では「専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につきに応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者」と定義されている。介護福祉士は資格であり、介護福祉士でない者は介護福祉士またはこれに紛らわしい名称を使用してはならない(48条)。2007年の法改正により、介護福祉士の業務に「心身の状況に応じた介護」の文言が追加され、単なる身体介護からを重視する方向へと転換された。さらに2011年の改正により、一定の研修を修了した介護福祉士は、医師の指示の下で(喀痰吸引・経管栄養)を業として行うことができるようになった(2012年施行)。📌ここがポイント
介護福祉士の義務規定は「信用失墜行為の禁止(45条)」「秘密保持義務(46条)」「連携(47条)」「資質向上の責務(47条の2)」の4つ。秘密保持義務は資格喪失後も継続し、違反すると1年以下の懲役又は30万円以下の罰金(50条)。義務違反のうち罰則があるのは秘密保持義務だけという点に注意しましょう。
介護福祉士は、その業務に関して知り得た人の秘密を漏らしてはならず、このは介護福祉士でなくなった後においても同様である(46条)。違反した場合はが科される(50条)。また、福祉サービス関係者等とのを保たなければならない(47条)。介護福祉士になるための資格取得ルートは、①養成施設ルート、②実務経験ルート、③福祉系高校ルート、④経済連携協定(EPA)ルートの4つがある。実務経験ルートでは、3年以上の実務経験と(450時間)の修了が国家試験受験資格となる。介護福祉士国家試験は年1回、1月に筆記試験が、3月に実技試験(一部のルートのみ)が実施され、合格率は例年である。日本介護福祉士会は1995年にを制定し、①利用者本位、自立支援、②専門的サービスの提供、③プライバシーの保護、④総合的サービスの提供と積極的な連携、協力、⑤利用者ニーズの代弁、⑥地域福祉の推進、⑦後継者の育成の7項目を掲げている。第1項では「利用者のを尊重し、ノーマライゼーションの精神に基づき」と謳われている。🔥本試験頻出
「介護福祉士は業務独占資格である」は誤り(名称独占)。「秘密保持義務は退職後も続く」は正しい。「医師の指示なしに喀痰吸引ができる」は誤り(指示が必要)。「介護福祉士の業務に介護者への指導が含まれる」は正しい。これらは毎年のように出題されます。
介護現場における倫理的ジレンマとは、複数の倫理原則が対立してが生じる状況をいう。例えば「利用者の自己決定の尊重」と「」が対立する場合などである。バイステックの7原則のうち、利用者を一人の人間として認める原則をという。介護福祉士の4つの義務規定。罰則があるのは秘密保持義務のみ。退職後も継続する点に注意。
⚠️ひっかけ注意
「介護福祉士は医師の指示があれば、すべての医療行為ができる」は誤り。研修修了者が「喀痰吸引(口腔・鼻腔・気管カニューレ内部)」と「経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)」の5行為に限り可能。注射・点滴・服薬の管理(一包化されていない薬の取り分け)はできません。