社会保険労務士とは?
労働・社会保険のプロフェッショナル。労務管理・社会保険手続き・年金相談の専門家として独占業務を持つ国家資格。年間約4万人が受験する人気の難関資格です。
社会保険労務士の概要
社会保険労務士(社労士)は、社会保険労務士法に基づく国家資格で、労働・社会保険の専門家です。1968年に制度が創設され、企業の労務管理・社会保険手続き・年金相談などを業務とします。
社労士の独占業務は、①労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成、②これらの申請書等の提出代行、③事務代理(行政機関に対する代理行為)の3つ。これらは社労士でない者が業として行うことが法律で禁じられています。
試験は8科目(労働基準法・労働安全衛生法、労働者災害補償保険法、雇用保険法、労働保険徴収法、労働一般・社会保険一般常識、健康保険法、厚生年金保険法、国民年金法)で構成され、選択式と択一式の両方をクリアする必要があります。合格率は例年6〜7%程度の難関資格ですが、独立開業・企業内社労士・年金コンサルタントなど活躍の場は多彩です。
- 社会保険労務士法に基づく国家資格。1968年創設
- 労働社会保険諸法令の申請書類作成・提出代行・事務代理の独占業務
- 8科目構成のマークシート試験(選択式40問・択一式70問)
- 合格率は例年6〜7%程度の難関資格
- 独立開業・企業内社労士・年金コンサルタントなど活躍の場が多彩
受験者数・試験日程・合格率
年間スケジュール
- 試験日:例年8月第4日曜日
- 受験申込期間:4月中旬〜5月末日
- 合格発表:10月上旬
- 受験資格:大学・短大・専門学校卒業、行政書士資格、実務経験等
- 試験地:全国19都道府県
※受験資格に学歴・実務経験等の要件があります。詳細は全国社会保険労務士会連合会試験センターの公式情報をご確認ください。
出典:全国社会保険労務士会連合会試験センター「社会保険労務士試験の実施結果」直近公表値
試験の構成
社労士試験は8科目構成で、選択式(40問・80分)と択一式(70問・210分)の2部制。合格には総得点・各科目別の基準点をともにクリアする必要があり、いわゆる「足切り」が厳しいのが特徴。労働関係科目(労基安衛、労災、雇用、徴収、労一)と社会保険関係科目(社一、健保、厚年、国年)から幅広く出題されます。
試験形式
マークシート(PBT)
試験時間
290分(選択式80分・択一式210分)
解答形式
選択式40問(5肢から1〜複数選択)/択一式70問(5肢択一)
合格基準
選択式・択一式それぞれ総得点と科目別基準点を満たすこと。例年合格基準は変動
出題科目
労働基準法・労働安全衛生法
選択5問・択一10問労働契約・労働時間・賃金・年休・解雇・年少者・妊産婦保護、安衛体制・健診・ストレスチェック等。
労働者災害補償保険法
選択5問・択一10問(徴収と合算)業務災害・通勤災害・複数業務要因災害、各種給付・特別加入・第三者行為災害等。
雇用保険法
選択5問・択一10問(徴収と合算)基本手当・教育訓練給付・育児休業給付・高年齢雇用継続給付・雇用安定事業等。
労働保険徴収法
択一のみ(労災・雇用と合算)保険関係の成立・概算保険料・確定保険料・メリット制・労働保険事務組合等。
労働一般・社会保険一般常識
選択10問・択一10問労組法・労契法・パート有期法・育介法・社労士法・労働経済白書・社会保障給付費等。
健康保険法
選択5問・択一10問保険者・被保険者・標準報酬・各種給付・高額療養費・傷病手当金・出産手当金・保険料等。
厚生年金保険法
選択5問・択一10問老齢/障害/遺族厚生年金・在職老齢年金・標準報酬・加給年金・繰上げ繰下げ等。
国民年金法
選択5問・択一10問老齢/障害/遺族基礎年金・第1〜3号被保険者・付加年金・寡婦年金・学生納付特例等。
問われる力
- 労働社会保険諸法令の条文と通達を体系的に理解する力
- 労働関係・社会保険関係の制度を横断的に整理する力
- 事例問題で要件・効果・例外を正確に判断する力
- 改正法令・統計資料・最新動向を把握し続ける力
資格取得後のキャリア
社労士は、独立開業・企業内社労士・社労士法人勤務・コンサルティングファーム・年金事務所など多様なキャリアが描ける資格です。働き方改革・同一労働同一賃金・年金制度改革など社会的ニーズの高まりで活躍の場が拡大中。資格手当(月1〜3万円程度)が付くケースも多く、行政書士・税理士・FP等とのダブルライセンスでさらに業務範囲を広げる人も増えています。
主なキャリアパス
独立開業(社労士事務所)
中小企業の労務顧問・給与計算・就業規則作成・助成金申請等を業とする。最も伝統的なキャリア。
企業内社労士
一般企業の人事労務部門で勤務しながら社労士資格を活かす。労務トラブル対応・社内制度設計に携わる。
社労士法人・コンサルティングファーム
大手社労士法人や経営コンサルティングファームで企業向け労務サービス・年金コンサル・M&A労務DDに従事。
年金相談・FP連携
年金事務所・社会保険労務士会・FPとの連携で年金相談・ライフプランニングに従事。
ダブルライセンス
行政書士・税理士・中小企業診断士・FPとの組み合わせで業務範囲を拡大。総合士業事務所として高単価案件を獲得。
関連データ
年間受験者数
約4万人
出典:全国社会保険労務士会連合会試験センター 直近年度
合格率
約6〜7%
出典:同上
社労士登録者数(全国)
約4.5万人
出典:全国社会保険労務士会連合会 直近公表値
社労士法人数(全国)
約2,000法人
出典:同上
- 労働関係法令の改正が頻繁で継続的な学習が必須
- 近年は働き方改革・育介法改正・年金制度改革で業務需要が増加
- 独立開業・企業内・コンサルなど多様なキャリアパス
- 行政書士・税理士・中小企業診断士とのダブルライセンスで業務範囲拡大
- 労務監査・ハラスメント対応・年金コンサルなど高度専門業務へ展開可能
よくある質問
Q. 社労士と行政書士・税理士の違いは何ですか?
A. 社労士は労働社会保険諸法令の申請書類作成・提出代行・事務代理が独占業務(労務・社会保険専門)。行政書士は官公署提出書類の作成(許認可中心)。税理士は税務申告・税務代理(税務専門)。三者は業務範囲が明確に分かれており、ダブル・トリプルライセンス取得者も多くいます。
Q. 受験資格はありますか?
A. 大学・短大・専門学校卒業、行政書士資格保有、3年以上の実務経験等のいずれかが必要です。学歴要件を満たさない場合でも、行政書士試験合格や実務経験で受験資格を得られます。詳細は試験センターの公式情報をご確認ください。
Q. 独学で合格できますか?
A. 可能ですが難関です。標準学習時間は800〜1,000時間程度。8科目の各基準点(足切り)クリアが必要なため、苦手科目を作らない学習計画が重要。市販テキスト+過去問+本サイトのような演習サイトに加え、模試の活用が王道です。
Q. 社労士の独占業務とは何ですか?
A. 社労士法2条が定める3つの業務:①労働社会保険諸法令に基づく申請書等の作成(1号業務)、②申請書等の提出代行(2号業務)、③事務代理=行政機関への代理行為(2号の2業務)。これらを社労士でない者が業として行うことは法律で禁じられています。
Q. 特定社労士とは何ですか?
A. 社労士のうち、紛争解決手続代理業務試験に合格した者が特定社労士として登録されます。個別労働関係紛争の調停・あっせん代理、補佐人として裁判所に出廷可能等の業務範囲拡大があります。社労士登録後の付加資格として位置づけられています。
Q. 合格後すぐに開業できますか?
A. 合格後、社労士会への登録(実務経験2年以上または事務指定講習修了)が必要です。実務経験がない場合は、合格後に事務指定講習(4ヶ月の通信指導+4日間の面接指導)を修了することで登録要件を満たせます。