経営コンサルタント唯一の国家資格。経営の理論と実務を横断する体系知識で、企業支援・経営企画・独立開業まで幅広いキャリアに直結します。
中小企業診断士は、中小企業支援法に基づき経済産業大臣が登録する唯一の「経営コンサルタント」国家資格です。中小企業の経営課題を診断し、成長戦略や経営改善のアドバイスを行う専門家を認定する制度で、「ビジネスパーソンが取得したい資格ランキング」常連として人気を集めています。
出題範囲は経済学、財務・会計、経営戦略、マーケティング、生産管理、人事組織、IT、法務、中小企業政策など経営全般をカバー。経営コンサルタントとして独立開業する人、企業内診断士として活躍する人の両方がおり、社会人の学び直し(リカレント)の代表的選択肢として支持されています。
1次試験(マークシート7科目)→ 2次試験(筆記・記述4事例)→ 実務補習または実務従事(15日以上)という複数段階の関門を経て、登録に至ります。学習総時間は800〜1,000時間が目安で、腰を据えて取り組む長丁場の資格です。
実施機関
一般社団法人 中小企業診断協会
受験者数(目安)
1次試験 約2万人/年(申込ベース)、2次試験 約8,000〜9,000人/年
合格率
1次試験:20〜30%前後、2次筆記試験:18〜19%前後、最終合格率:4〜6%(1次と2次のストレート合格)
受験料
1次試験 17,200円/2次試験 15,100円
※試験日・日程の詳細は実施機関の公式サイトで最新情報をご確認ください。
出典:一般社団法人 中小企業診断協会「試験実施データ」直近年度(2023〜2024年度実績)
中小企業診断士試験は、経営知識を幅広く問う「1次試験(マークシート)」と、実際の企業事例をもとに解決策を記述する「2次試験(事例Ⅰ〜Ⅳ)」の2段階で構成されます。合格後は実務補習(または実務従事15日以上)を経て登録されます。
試験形式
1次:マークシート(PBT)/2次:筆記・記述式
試験時間
1次:7科目合計 約10時間(2日間)/2次筆記:4事例 計6時間
解答形式
1次:4〜5択のマークシート、2次:記述式(事例ⅠⅡⅢは論述中心、事例Ⅳは計算+論述)
合格基準
1次:総点60%以上かつ1科目も40%未満がないこと/2次:総点60%以上かつ40%未満科目なし
ミクロ経済学・マクロ経済学の基礎知識と経済政策の動向を問う。需要供給分析、GDP、金融政策など。
簿記・財務諸表分析・キャッシュフロー・投資評価など。2次事例Ⅳにも直結する最重要科目。
経営戦略、組織論、マーケティングを統合した中核科目。2次事例Ⅰ〜Ⅲの土台。
生産管理と店舗・販売管理。オペレーション最適化と小売・サービス業の運営を扱う。
会社法・知的財産権・契約法・労働法など経営に関わる法務。
情報技術と経営の接点。DX・システム開発・ネットワーク・データベース・セキュリティなど。
中小企業白書の動向把握と、補助金・支援制度など国の政策理解。毎年度内容が更新される。
組織構造・モチベーション・人事制度・事業承継など、人と組織の課題を診断。
消費者行動・プロモーション・チャネル戦略など、マーケ視点から助言。
製造業の生産性・品質・技術開発をテーマに、改善提案を記述。
財務指標分析・CVP・NPVなど計算問題主体の事例。時間との戦いになりやすい。
中小企業診断士は、独立コンサルタントとして顧問契約や公的機関のアドバイザーとして活動する道と、企業内で経営企画・新規事業・DX推進を担う企業内診断士の道に大別されます。近年は「企業内診断士」が合格者の約7〜8割を占め、副業・複業との親和性も高い資格です。
中小企業の顧問契約、商工会議所や自治体の専門家派遣、セミナー講師、事業計画策定支援(補助金申請含む)などで収入を得る。
大企業の経営企画部門、新規事業部、DX推進室などで、資格で得た体系知識を活かして戦略策定やPMIに関与。
銀行・信金の取引先支援、事業性評価、事業再生、M&Aアドバイザリー業務で活躍。
本業を続けながら、週末に執筆・講師・補助金支援などで副収入を得るケースも多い。
合格者の平均年齢
約39歳
出典:中小企業診断協会「登録者データ」より(直近年度)
企業内診断士の割合
約70〜80%
出典:中小企業診断協会アンケート(2020年前後)
コンサル主業の年収中央値
約500〜1,000万円超
出典:「データでみる中小企業診断士2021」中小企業診断協会アンケート(プロコン経営者層)
Q. 未経験・文系でも合格できますか?
A. 可能です。1次試験は経営全般を広く問う試験のため、特定の実務経験を前提としません。財務・会計や経営情報システムなど初見の論点に苦戦する人が多いですが、標準的な学習時間(800〜1,000時間)を確保すれば文系・理系問わず合格が狙えます。
Q. 学習時間はどれくらい必要ですか?
A. 一般的には1次・2次合計で800〜1,000時間が目安とされます。平日1〜2時間+休日5〜6時間で週10〜15時間ペースを1年半前後継続するケースが典型的です。
Q. 中小企業診断士と他の資格の違いは?
A. 経営コンサルタント業務は独占業務ではないため、有資格者でなくても名乗れます。ただし国家資格としてのブランドと知識体系が強みで、税理士・社労士・行政書士のような独占業務系資格と組み合わせるとサービスの幅が広がります。
Q. 合格後の登録条件は?
A. 2次試験合格後、実務補習(15日以上)または実務従事(15日以上)を経て、経済産業大臣の登録を受けて初めて「中小企業診断士」と名乗れます。登録は5年ごとの更新制です。