📖この章で学ぶこと
トラック運送業を規律する「貨物自動車運送事業法」の全体像をつかむ章です。事業の3区分(一般・特定・貨物軽自動車)、事業を始めるための許可、そして事業計画を変えるときの「認可」と「届出」の使い分けを、確実に区別できるようにしましょう。試験の入口かつ毎回問われる土台です。
🔥ここが頻出
「認可」が必要なものと「届出」で足りるものの区別、許可の対象となる事業の種類、軽自動車を使う運送が「届出」で開業できる点は超頻出です。言葉の意味(許可・認可・届出)を取り違えないことが合否を分けます。
貨物自動車運送事業法は、貨物自動車運送事業の運営を適正かつ合理的なものとし、輸送のを確保するとともに、貨物自動車運送事業の健全な発達を図ることなどを目的としている。この法律でいう「自動車」には、原則として軽自動車・二輪自動車も含まれるが、規制の枠組みは事業の種類ごとに異なる。事業の種類は、一般貨物自動車運送事業・特定貨物自動車運送事業・の3つに区分される。なお、複数の荷主の貨物を1台に積み合わせて運ぶいわゆる「混載」を行うのも一般貨物の特徴であり、その対価として収受する金銭がである。「有償で運送する」点が、自分の荷物を自分で運ぶ自家用(白ナンバー)との決定的な違いとなる。不特定多数の荷主の貨物を、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車・二輪自動車を除く)を使って運送する事業をという。いわゆる「営業ナンバー(緑ナンバー)」をつけた普通トラックで荷物を運ぶ事業がこれにあたり、運行管理者試験(貨物)が主に対象とするのもこの事業である。一方、特定の単一の荷主の需要に応じて貨物を運送する事業をという。荷主が「特定の1社」に限られる点が一般貨物との違いである。特定貨物自動車運送事業も、経営しようとするときは国土交通大臣の許可がであり、この点は一般貨物と共通する。三輪以上の軽自動車または二輪の自動車を使用して、荷主の貨物を有償で運送する事業を貨物軽自動車運送事業という。この事業は許可ではなく、国土交通大臣(実際には運輸支局長等)へのをすることによって経営することができる。軽トラックや原付バイクを使う宅配・フードデリバリー等がこれにあたる。一般貨物自動車運送事業および特定貨物自動車運送事業を経営しようとする者は、国土交通大臣のを受けなければならない。この「許可」は、本来は禁止されている事業活動を、一定の基準を満たした者にだけ解除して認める行為である。許可を受けようとする者は、氏名・名称、事業の種別、営業所の名称・位置、事業用自動車の概要などを記載した申請書を提出する。国土交通大臣は、許可をしようとするときは、その事業の計画が輸送のを確保するため適切なものであること、事業を遂行するために必要な経済的基礎・能力を有することなどの基準(許可基準)に適合するかどうかを審査する。また、許可をするときには、輸送の安全の確保を図るため必要があると認めるを付し、これを変更することができる。許可は無条件に与えられるとは限らない。事業者は、許可申請の際に「事業計画」を定めなければならない。事業計画には、営業所の名称・位置、各営業所に配置する事業用自動車の数、自動車車庫の位置・収容能力、休憩・の位置・収容能力などを記載する。事業者は、その事業計画に従って業務を行わなければならない。さらに、事業者は、運送約款のほか、運行管理者の選任や事業用自動車のを適切に行う体制を整え、計画に沿って事業を運営する責任を負う。📌ここがポイント
事業計画の変更は「重要なものは認可(事前に役所のOKが必要)」「軽微なものは届出(後から知らせれば足りる)」と覚えます。営業所・車庫・休憩睡眠施設の位置や収容能力など“安全に直結する基盤”の変更は認可、各営業所の配置車両数の変更などは原則あらかじめ届出、というのが基本パターンです。
一般貨物自動車運送事業者は、事業計画の変更をしようとするときは、原則として国土交通大臣のを受けなければならない。認可とは、事業者が行おうとする行為に役所が同意を与えることで、その効力を完成させる行為である。特に、営業所・自動車車庫・休憩睡眠施設の位置および収容能力に関する事業計画の変更は、輸送の安全に直結するため認可事項とされている。一方、各営業所に配置する事業用自動車の数の変更など、比較的影響の小さい変更については、あらかじめその旨を国土交通大臣になければならない(事前届出)。また、主たる事務所の名称・位置の変更のような事項は、変更後に遅滞なく届け出れば足りる(事後届出)。このように、同じ「事業計画の変更」でも、安全への影響度に応じて手続が認可と届出に振り分けられている点に注意する。一般貨物自動車運送事業者は、運賃及び料金等を定めたを定め、または変更しようとするときは、原則として国土交通大臣の認可を受けなければならない。ただし、国土交通大臣が定めて公示した標準運送約款と同一の約款を使用する場合などは、認可を受けたものとみなされる。一般貨物自動車運送事業者は、その名義を他人に貸して、その他人に貨物自動車運送事業を経営させてはならない。これをという。許可を受けた者以外が「人の名前を借りて」事業を行うことを防ぎ、責任の所在を明確にするための規定である。同様の趣旨から、事業の貸渡し(事業の)も、原則として国土交通大臣の許可を受けなければ行うことができない。事業者が法令に違反したとき、国土交通大臣は、6か月以内において期間を定めて事業の全部もしくは一部の停止を命じ、または許可をことができる。許可は一度受ければ未来永劫安泰というものではなく、適正な運営を怠れば失われ得る点を理解しておく。💡覚え方
手続の重さは「許可 > 認可 > 届出」の順。【許可】=開業そのものの入場券(一般・特定)。【認可】=事業計画の“重要変更”や運送約款のOK(営業所・車庫・休憩睡眠施設の位置/収容能力)。【届出】=軽微な変更や軽自動車の開業。「位置・収容能力=認可、台数=届出」とペアで暗記すると迷いません。