商業簿記の応用仕訳
第 1 問の 5 問は、3 級レベルを超えた応用論点の取引仕訳が出題されます。3 級が「日常取引の仕訳」だったのに対し、2 級では企業会計上の特殊な処理判断が論点になります。有価証券では、保有目的によって会計処理がまったく異なる点が問われます。「A 社株式を売買目的で取得した」場合は売買目的有価証券として時価評価(評価差額は損益)、「満期まで保有する社債」なら満期保有目的債券として原則は取得原価で計上、「子会社や関連会社の株式」は子会社株式・関連会社株式として取得原価のまま、「上記いずれにも該当しない長期保有」ならその他有価証券として時価評価(評価差額は純資産直入)——この使い分けと、それぞれの売却・期末評価の仕訳が定番問題です。リース取引では、ファイナンスリース契約を「利子込み法(リース料総額をリース資産・リース債務に計上)」と「利子抜き法(見積現金購入価額をリース資産に計上、差額を支払利息で処理)」のどちらで処理するかが問われ、それぞれの取得時・支払時・決算時の仕訳が論点になります。オペレーティングリースは費用処理だけなので、ファイナンスリースとの判定基準(解約不能・実質的所有・現在価値基準など)も問われます。外貨建取引では、「3/1 にアメリカから商品を 10,000 ドルで仕入れた(1 ドル 110 円)。3/15 に代金を支払った(1 ドル 113 円)」のような為替変動を含む取引で、為替差損益を計上する仕訳。さらに為替予約を付した場合の振当処理も問われ、こちらは予約レートで換算するため為替差損益が発生しない点が論点になります。税効果会計では、「貸倒引当金繰入のうち税法上認められない部分」「減価償却費のうち税法限度額を超える部分」のような会計上と税法上のズレを、繰延税金資産または繰延税金負債で調整する仕訳が問われます。
注意点・ひっかけ
有価証券の保有目的の判定や、リースの利子込み・利子抜きの違いなど、「同じ取引でも会計処理が複数ある」ケースが多いのが 2 級の特徴です。問題文の指示と保有目的の表現を見落とさないことが正解への鍵になります。