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資格データ2026年8月16日7

夜の勉強は正答率が下がる?——8万問の解答データを時間帯別に見る

「夜より朝の方が頭が働く」はよく聞く話。実際に8万問の解答を時間帯別に集計すると、朝7時台80.5%に対し23時台は71.9%。この差の読み方を考えます。

朝の方が頭が働く、夜は効率が落ちる。どちらもよく言われますが、自分に当てはまるかどうかは別の話です。夜型を自認していて、静かな深夜こそ集中できるという人もいます。そもそも仕事のあとしか時間が取れず、選ぶ余地がないという人も多いはずです。

そこで、スキマ資格に残っている延べ81,858問の解答記録を、解いた時間帯ごとに集計してみました。同じ教材を、同じ形式で、違う時間帯に解いた記録が数万件あります。時間帯によって正答率に差が出るのかどうか、実際の数字で確かめられます。

結果には、はっきりした差が出ました。ただし、その差をそのまま「夜は効率が悪い」と読んでよいかは、慎重に考える必要があります。

時間帯別の正答率——朝7時台が最も高く、深夜が最も低い

解答数が2,000件を超える時間帯を抜き出して、正答率の高い順に並べました。

時間帯解答数正答率
14時台5,184問81.1%
7時台2,505問80.5%
13時台4,569問80.0%
8時台2,960問79.9%
18時台5,532問79.1%
22時台3,502問78.8%
9時台3,875問78.6%
16時台6,581問78.5%
20時台4,834問78.3%
19時台3,417問78.1%
21時台4,473問78.0%
11時台5,665問77.6%
17時台4,881問77.4%
12時台5,592問77.1%
15時台6,101問76.9%
23時台2,380問71.9%
スキマ資格の解答データ(2026年2月〜8月、延べ81,858問)を解答時刻の時間帯別に集計。日本時間

最も高いのは14時台の81.1%、次いで朝7時台の80.5%。最も低いのは23時台の71.9%でした。その差は9.2ポイント。朝7時台と比べても8.6ポイントの開きがあります。

さらに深夜帯を見ると、解答数は少ないものの、深夜1時台71.9%、3時台70.6%と、いずれも70%前後まで落ち込みます。日中の78〜81%と比べると、10ポイント近い差です。

この差を「夜は効率が悪い」と読んでよいか

ここが肝心なところです。この集計は「同じ人が朝と夜に同じ問題を解いた」比較ではありません。時間帯ごとに解いている人も、解いている問題も違います。したがって、差の原因が「時間帯そのもの」だとは断定できません。

考えられる別の説明を挙げてみます。

  • 夜に解く人と昼に解く人で、学習の進み具合が違う可能性。たとえば、仕事終わりに初めて手をつける人が夜に多ければ、1周目の問題が多く含まれて正答率は下がります。
  • 解いている内容が違う可能性。まとまった時間が取れる夜に、難しい予想問題や過去問に取り組んでいるとすれば、正答率は下がります。
  • 同じ人でも、疲労している日ほど夜に回している可能性。時間帯ではなく体調の差が出ているとも考えられます。

つまりこのデータが示しているのは、「夜遅くに解かれた問題は、正答率が低い傾向にある」という事実までです。「夜に勉強すると成績が下がる」という因果関係までは、この集計だけでは言えません。

とはいえ、23時台と深夜帯だけが他の時間帯からはっきり離れているのは事実です。睡眠不足が記憶の定着や注意力を下げることは、睡眠研究でも繰り返し示されています。少なくとも、夜遅い時間の学習が他の時間帯と同じようには進んでいないことは、頭に入れておいていい気がします。

曜日による差はほとんどなかった

同じデータを曜日別にも集計しました。

曜日解答数正答率
水曜12,445問79.6%
火曜12,433問79.2%
日曜8,143問78.8%
土曜10,510問78.3%
月曜12,457問77.8%
金曜13,230問76.9%
木曜12,640問76.5%
曜日別の解答数と正答率

最も高い水曜79.6%と最も低い木曜76.5%の差は3.1ポイントで、時間帯の差(9.2ポイント)に比べるとかなり小さくなります。曜日による違いは、あるとしても小さいと見てよさそうです。

興味深いのは解答数の分布です。平日(月〜金)が1万2千〜1万3千問なのに対し、土日は8千〜1万問と少なくなっています。「休日にまとめて勉強する」というより、平日にこつこつ解いている人が多いことがうかがえます。

実践にどう活かすか

このデータから言えるのは、「朝に切り替えましょう」という単純な話ではありません。生活の都合で夜しか時間が取れない人に、朝型への変更を勧めても現実的ではないからです。

むしろ有用なのは、時間帯によって「やること」を変えるという考え方です。

  • 正答率が落ちやすい深夜帯は、新しい範囲の学習や難しい問題演習より、すでに解いた問題の見直しや、まとめノートを読むといった負荷の軽い作業に向けます。
  • 朝や昼の空き時間が少しでも取れるなら、そこに新規の演習を置きます。7時台・8時台・13〜14時台は、いずれも80%前後と高い水準でした。
  • 夜に解いた問題で間違えたものは、翌日の早い時間にもう一度解き直します。前の記事で見たとおり、間違えた問題は当日か翌日に解き直すのが最も効果的です。

夜は勉強しない方がいい、という話ではありません。夜には夜に向いた使い方がある、というだけです。1日15分でも解ける教材なら、朝の通勤前や昼休みに新しい問題、夜は復習という振り分けも無理なくできます。

このデータの限界

  • スキマ資格の利用者の解答記録であり、資格試験の受験者全体を代表するものではありません。
  • 同一人物の朝と夜を比較した実験ではないため、時間帯と正答率の因果関係は確認できていません。学習の進み具合や解いている問題の難易度の違いが影響している可能性があります。
  • 深夜帯(1時〜5時台)は解答数が数百件と少なく、数値のぶれが大きくなります。
  • 解答時刻は日本時間で集計しています。海外から利用している場合は現地時間と一致しません。

スキマ時間に解ける教材

よくある質問

Q.勉強は朝と夜のどちらが効率的ですか?

A.当サイトの解答データでは、朝7時台の正答率80.5%に対し23時台は71.9%と、8.6ポイントの差がありました。ただし同じ人を比較した実験ではないため、時間帯そのものが原因とは断定できません。生活に合う時間で続けることが優先ですが、深夜帯は新しい問題より復習に充てるなど、内容を変える工夫は有効だと考えられます。

Q.深夜に勉強するのは無駄ですか?

A.無駄ではありませんが、当サイトのデータでは深夜帯(23時〜3時台)の正答率は70〜72%前後で、日中の78〜81%より一貫して低い水準でした。深夜しか時間が取れない場合は、新規の範囲を詰め込むより、すでに解いた問題の見直しやまとめノートの読み返しなど、負荷の軽い内容に向けることをおすすめします。

Q.曜日によって勉強の効率は変わりますか?

A.当サイトのデータでは、曜日による正答率の差は最大3.1ポイント(水曜79.6%〜木曜76.5%)で、時間帯の差(9.2ポイント)より小さいものでした。曜日を気にするより、毎日少しずつ続ける方が結果につながります。実際、解答数は土日より平日の方が多くなっています。

Q.夜に間違えた問題はどうすればいいですか?

A.翌日の早い時間にもう一度解き直すのがおすすめです。当サイトのデータでは、間違えた問題を解き直したときの正解率は1日以内なら7割台を保ちますが、1週間を超えると62.8%まで落ちます。夜に間違えた問題こそ、翌朝の短い時間で確認しておくと定着しやすくなります。

参考文献

  • スキマ資格の学習データ(2026年2月23日〜2026年8月16日、延べ81,858問)を、解答時刻(日本時間)の時間帯別・曜日別に集計。集計に用いたSQLは scripts/analytics/learning-data-columns.sql に収録。
  • 本記事の数値は当サイト利用者の解答記録にもとづく参考値であり、各試験の受験者全体を代表するものではありません。時間帯と正答率の因果関係を示すものではなく、個人が特定される情報は含みません。
  • Walker, M. P., & Stickgold, R. (2006). Sleep, memory, and plasticity. Annual Review of Psychology, 57, 139-166.(睡眠が記憶の定着に果たす役割をまとめた総説)

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