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商法・会社法

株式会社と合同会社の違い

会社法は株式会社・合名会社・合資会社・合同会社の4種類を定めますが、実務で多いのが株式会社と合同会社(LLC、2006年新設)です。社員の有限責任は共通ですが、所有と経営の関係が異なります。

比較表で見る違い

観点株式会社合同会社
社員の責任間接有限責任(出資額限度)間接有限責任(出資額限度)
所有と経営分離(株主=所有、取締役=経営)一致(社員自らが業務執行)
機関設計株主総会・取締役は必須、その他は柔軟(公開会社は取締役会・監査役必須)機関は法定なし(社員=業務執行社員が原則)
持分(出資)の譲渡原則自由(譲渡制限会社は承認要)他の社員全員の同意が必要(585条)
決算公告義務(440条)不要

それぞれの詳しい解説

A株式会社

株主が株式を引き受け、間接有限責任を負う物的会社。所有(株主)と経営(取締役)が分離し、株主総会と取締役を必置機関とします。公開会社では取締役会・監査役(または会計参与・監査等委員会・指名委員会等)が必要となります。

  • 株式の自由譲渡性(譲渡制限会社では承認制)

  • 機関設計は会社の規模・性質により多様

B合同会社(LLC)

2006年会社法で新設された人的会社の一種。社員全員が間接有限責任を負いつつ、所有と経営が一致し、定款自治の幅が広いのが特徴です。米国のLLCをモデルとしています。

  • 社員自らが業務執行(定款で限定可)

  • 持分譲渡には他の社員全員の同意が必要

試験対策のポイント

「株式会社=所有と経営の分離・株式譲渡自由・機関設計厳格」「合同会社=所有と経営の一致・持分譲渡に全員同意・定款自治」。両者とも有限責任である点に注意。

理解度チェック(3問)

Q1. 株式会社と合同会社に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1合同会社の社員は、会社債権者に対して直接無限責任を負う。
  2. 2合同会社の持分の譲渡には、原則として他の社員全員の同意が必要である。
  3. 3株式会社では、株主総会の設置は任意である。
  4. 4合同会社には株主総会の設置が義務付けられている。
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正解:2. 合同会社の持分の譲渡には、原則として他の社員全員の同意が必要である。

合同会社の持分譲渡は他の社員全員の同意が必要(会社法585条1項)。合同会社社員は間接有限責任。株主総会は株式会社の必置機関。合同会社に株主総会はなく、業務執行は社員自身。

Q2. 株式会社の機関設計に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 1すべての株式会社は取締役会を設置しなければならない。
  2. 2株主総会は、すべての株式会社において必ず設置される。
  3. 3監査役会の設置は、すべての株式会社において義務付けられている。
  4. 4公開会社は監査役を設置する必要はない。
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正解:2. 株主総会は、すべての株式会社において必ず設置される。

株主総会と取締役は全株式会社の必置機関(会社法295条・326条)。取締役会は公開会社・監査役会設置会社・指名委員会等設置会社・監査等委員会設置会社で必置。公開会社は監査役(または三委員会・監査等委員会)必置。

Q3. 合同会社に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 1合同会社の業務執行は、定款に別段の定めがない限り、社員自らが行う。
  2. 2合同会社は決算公告をしなければならない。
  3. 3合同会社は2006年の会社法施行により新設された会社類型である。
  4. 4合同会社の社員は、出資額を限度として責任を負う。
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正解:2. 合同会社は決算公告をしなければならない。

合同会社には決算公告義務はない(決算公告義務は株式会社のみ・440条)。業務執行原則、新設時期、有限責任は正しい。

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