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商法・会社法

公開会社と非公開会社の違い

会社法の「公開会社」は上場会社のことではなく、「発行する全部または一部の株式に譲渡制限がない会社」を指します(2条5号)。非公開会社は全部の株式に譲渡制限がある会社で、機関設計の自由度が高い特徴があります。

比較表で見る違い

観点公開会社非公開会社(全株式譲渡制限会社)
定義発行する全部または一部の株式について譲渡制限がない会社(2条5号)発行する全部の株式に譲渡制限がある会社
取締役会の設置必須(327条1項1号)任意
監査役の設置原則必須(取締役会設置会社→監査役必須・三委員会型は不要)任意(取締役会設置時は会計参与で代替可)
取締役の任期原則2年(最長)定款で最長10年まで延長可
株主総会の招集通知会日の2週間前まで(書面)会日の1週間前まで(取締役会非設置会社は定款で短縮可)

それぞれの詳しい解説

A公開会社

発行する全部または一部の株式について譲渡制限がない株式会社(会社法2条5号)。多数の株主が想定されるため、取締役会・監査役(または委員会型機関)の設置が義務付けられ、株主保護のための厳格な規律が適用されます。

  • 取締役会・監査役(または三委員会/監査等委員会)必置

  • 取締役の任期は最長2年

B非公開会社(全株式譲渡制限会社)

発行する全部の株式について譲渡に会社の承認を要する旨の定めがある株式会社。中小企業に多く、機関設計の自由度が高く、取締役会・監査役の設置を任意化でき、取締役の任期も最長10年まで伸長できます。

  • 取締役のみで運営可(取締役会・監査役不要)

  • 取締役の任期を定款で最長10年まで延長可(332条2項)

試験対策のポイント

「公開会社=1株でも譲渡自由株式あり・機関設計厳格・任期2年」「非公開会社=全株式譲渡制限・機関設計柔軟・任期10年まで」。「公開=上場」ではない点に注意。

理解度チェック(3問)

Q1. 会社法上の公開会社と非公開会社に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1会社法上の公開会社とは、金融商品取引所に上場している会社をいう。
  2. 2公開会社は取締役会を設置しなければならない。
  3. 3非公開会社は、すべての株式に譲渡制限を設けることはできない。
  4. 4公開会社の取締役の任期は、定款で最長10年まで延長することができる。
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正解:2. 公開会社は取締役会を設置しなければならない。

公開会社は取締役会必置(会社法327条1項1号)。会社法の公開会社は譲渡制限の有無で定義され、上場の有無とは無関係。非公開会社は全株式に譲渡制限可。任期10年は非公開会社のみ可能。

Q2. 非公開会社(全株式譲渡制限会社)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  1. 1取締役の任期は定款で最長10年まで延長することができる。
  2. 2取締役会を設置しないことができる。
  3. 3取締役会を設置する場合でも、監査役の設置は任意である。
  4. 4株主総会の招集通知は、原則として会日の1週間前までに発する必要がある。
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正解:3. 取締役会を設置する場合でも、監査役の設置は任意である。

取締役会設置会社は監査役(会計参与・三委員会・監査等委員会のいずれか)が必須(327条2項)。ただし非公開会社の取締役会設置会社では会計参与で代替可。非公開会社の機関設計柔軟性、任期10年、招集通知1週間前は正しい。

Q3. 株式の譲渡制限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  1. 1株式譲渡制限は定款で定めることができる。
  2. 2株式譲渡制限の定めは登記事項ではない。
  3. 3株式譲渡制限会社では、株主の合意のみで定款変更ができる。
  4. 4株式譲渡制限のある株式の譲渡には、必ず株主総会の承認が必要である。
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正解:1. 株式譲渡制限は定款で定めることができる。

株式譲渡制限は定款で定める(会社法107条1項1号、108条1項4号)。登記事項である(911条3項7号)。承認機関は取締役会設置会社では取締役会、非設置会社では株主総会だが、定款で別段の定めも可(139条)。

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