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こころとからだのしくみ

認知症の中核症状と周辺症状(BPSD)の違い

認知症の症状は脳の障害から直接生じる「中核症状」と、それを背景に環境・心理的要因で出現する「周辺症状(BPSD)」に分けられます。中核症状は脳の損傷から避けられませんが、周辺症状は適切なケアで予防・軽減が可能です。

比較表で見る違い

観点中核症状周辺症状(BPSD)
原因脳の神経細胞の障害(直接的)中核症状+環境・身体・心理要因
出現の普遍性認知症のほぼ全員に出現出現する人としない人がいる
主な症状記憶障害・見当識障害・実行機能障害・判断力低下徘徊・暴言・暴力・幻覚・妄想・抑うつ・不穏
ケアでの軽減困難(進行抑制薬で遅らせる程度)可能(環境調整・対応工夫で大幅軽減)
介護の重点残存機能の活用、補完的支援原因の探索・環境改善・本人の安心
薬物療法抗認知症薬(進行抑制)非薬物療法が第一選択、必要時のみ向精神薬

それぞれの詳しい解説

A中核症状

脳の神経細胞が障害されることで直接生じる認知機能の低下。認知症である限りほぼ全員に出現し、進行を完全に止めることはできません。残存機能を活かしたケアと環境調整が中心となります。

  • 記憶障害: 新しい情報を覚えられない、エピソード記憶の低下

  • 見当識障害: 時間・場所・人の認識ができなくなる

  • 実行機能障害: 段取りを立てて行動できない

  • 判断力低下・失認・失行・失語

B周辺症状(BPSD)

Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia の略。中核症状を背景に、本人の不安・不快、環境のストレス、身体疾患などが要因となり出現する行動・心理症状。原因を探って取り除けば軽減できることが多く、非薬物療法が第一選択です。

  • 行動症状: 徘徊・暴言・暴力・拒否・収集癖

  • 心理症状: 幻覚・妄想(物盗られ妄想等)・抑うつ・不安

  • 原因: 身体不快(便秘・痛み)・環境(騒音・人間関係)・薬剤副作用

  • 対応: 受容・傾聴・環境調整・パーソンセンタードケア

試験対策のポイント

「中核症状=脳障害から直接、周辺症状=環境要因で発現」と区別。BPSDは非薬物療法(環境調整・受容的対応)が第一選択と覚える。

理解度チェック(4問)

Q1. 認知症の中核症状として、正しいものはどれか。

  1. 1徘徊
  2. 2記憶障害
  3. 3抑うつ
  4. 4物盗られ妄想
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正解:2. 記憶障害

記憶障害は脳の障害から直接生じる中核症状。徘徊・抑うつ・物盗られ妄想は周辺症状(BPSD)に分類される。

Q2. 認知症の周辺症状(BPSD)への対応として、適切でないものはどれか。

  1. 1原因となる身体的不調を確認する
  2. 2環境の刺激を調整する
  3. 3すぐに身体拘束を行う
  4. 4本人の訴えを傾聴し受け止める
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正解:3. すぐに身体拘束を行う

BPSDへの対応は非薬物療法が第一選択。原因の探索・環境調整・受容的対応が基本で、身体拘束は緊急やむを得ない場合の最終手段。

Q3. 見当識障害に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1物盗られ妄想の一種である
  2. 2時間・場所・人の認識ができなくなる中核症状である
  3. 3抗認知症薬で容易に改善する
  4. 4周辺症状に分類される
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正解:2. 時間・場所・人の認識ができなくなる中核症状である

見当識障害は時間・場所・人物の認識ができなくなる中核症状。一般的に「時間→場所→人」の順で障害される。

Q4. 物盗られ妄想への対応として、適切なものはどれか。

  1. 1「盗られていない」と強く否定する
  2. 2「探してみましょう」と本人の気持ちに寄り添う
  3. 3本人を一人にしておく
  4. 4直ちに精神科への入院を勧める
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正解:2. 「探してみましょう」と本人の気持ちに寄り添う

物盗られ妄想(BPSD)には否定や説得は逆効果。本人の不安に寄り添い、「一緒に探しましょう」と共感的に対応する。

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