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登録販売者試験と薬剤師国家試験の違い

登録販売者と薬剤師は、いずれも医薬品販売に関わる重要な資格ですが、その試験制度・難易度・業務範囲は大きく異なります。登録販売者試験は都道府県が実施する公的資格試験で、2015年の制度改正以降は受験資格に学歴・実務経験要件はなく誰でも受験可能です。一方、薬剤師国家試験は厚生労働省が実施する国家試験で、6年制薬学部の卒業(または見込み)が必須です。両資格の違いを理解することは、章をまたぐメタな整理として、自身のキャリア設計にも直結します。

比較表で見る違い

観点登録販売者試験薬剤師国家試験
試験の主体都道府県(公的資格)厚生労働省(国家資格)
受験資格制限なし(誰でも受験可)6年制薬学部卒業(見込み含む)
実施回数原則年1回(ブロック単位、複数回受験可)年1回(2月)
試験科目数5科目120問(マークシート)9科目345問(必須・一般・実践)
合格率の目安概ね40〜50%(地域・年度で変動)概ね60〜70%(新卒は高め)
業務範囲一般用医薬品の第2類・第3類の販売調剤・全ての医薬品の販売・授与
一人勤務の要件直近5年で通算2年(過去2年で1920時間等)の実務経験免許取得後すぐに調剤・販売可能
主な就業先ドラッグストア、薬局(販売)、コンビニ等薬局、病院、ドラッグストア、製薬企業

それぞれの詳しい解説

A登録販売者試験

登録販売者試験は、各都道府県が年1回程度実施する公的資格試験です。2015年の制度改正により受験資格の学歴・実務経験要件が撤廃され、現在は誰でも受験できます。試験は5科目120問のマークシート形式(医薬品に共通する特性と基本的な知識/人体の働きと医薬品/主な医薬品とその作用/薬事関係法規・制度/医薬品の適正使用・安全対策)で、合格率は地域・年度により概ね40〜50%です。合格後、販売従事登録を行えば登録販売者として勤務できますが、一人勤務(管理者等)になるには直近5年で通算2年(かつ過去2年で1920時間以上等)の実務経験が必要で、それまでは「研修中」の名札を着用します。

  • 受験資格なし(年齢・学歴・実務経験を問わない)

  • 5科目120問・マークシート形式・合格基準は7割かつ各科目4割以上

  • 合格率は概ね40〜50%(都道府県により差あり)

  • 販売従事登録は実務に従事する都道府県知事に申請

  • 販売できるのは一般用医薬品のうち第2類・第3類のみ

  • 一人勤務の要件:直近5年で通算2年・過去2年で1920時間以上の実務経験等

B薬剤師国家試験

薬剤師国家試験は厚生労働省が年1回(例年2月)実施する国家試験で、受験には6年制薬学部の卒業(または卒業見込み)が必要です。試験は必須問題・一般問題(薬学理論問題/薬学実践問題)の合計345問で、9科目(物理・化学・生物/衛生/薬理/薬剤/病態・薬物治療/法規・制度・倫理/実務 等)にわたります。合格率は新卒で概ね70%前後、全体では60〜70%程度です。合格後に厚生労働大臣から薬剤師免許が交付され、調剤・処方箋医薬品を含むすべての医薬品の販売・授与・情報提供ができます。製薬企業の研究開発、病院薬剤師、保険薬局など活動範囲が広いのが特徴です。

  • 受験資格:6年制薬学部卒業(または卒業見込み)

  • 試験は9科目345問、必須問題・一般問題(理論・実践)に分かれる

  • 合格率は全体で概ね60〜70%、新卒はそれより高め

  • 薬剤師は調剤を独占的に行える(薬剤師法19条)

  • 医療用医薬品を含む全ての医薬品を取り扱える

  • 6年間の学費・在学期間という大きな投資が必要

試験対策のポイント

「登販=誰でも受験できる都道府県試験/OTCの第2・3類限定」「薬剤師=6年制薬学部必須の国家試験/調剤を含む全医薬品」と業務範囲とセットで覚える。登録販売者は受験要件はないが、一人勤務には実務経験要件(直近5年で通算2年等)がある点が制度の肝。

理解度チェック(3問)

Q1. 登録販売者試験の受験資格に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1高校卒業以上の学歴が必要である
  2. 2一定期間の実務経験を経た後でなければ受験できない
  3. 3学歴・実務経験等の受験資格は設けられていない
  4. 4薬学部に在籍していることが条件である
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正解:3. 学歴・実務経験等の受験資格は設けられていない

2015年の制度改正により、登録販売者試験の受験資格として求められていた学歴・実務経験要件は撤廃されました。現在は年齢・学歴・実務経験を問わず誰でも受験できます。ただし、合格後に一人勤務(管理者等)として働くには、直近5年で通算2年等の実務経験要件があります。

Q2. 登録販売者と薬剤師の業務範囲の違いとして正しいものはどれか。

  1. 1登録販売者は処方箋に基づく調剤を行うことができる
  2. 2登録販売者は要指導医薬品と第1類医薬品を販売できる
  3. 3薬剤師は登録販売者の業務範囲に含まれる医薬品も販売できる
  4. 4薬剤師も登録販売者も第3類医薬品しか販売できない
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正解:3. 薬剤師は登録販売者の業務範囲に含まれる医薬品も販売できる

薬剤師は調剤を含むすべての医薬品の販売・授与を行うことができ、登録販売者の業務範囲(第2類・第3類)も当然に取り扱えます。登録販売者は調剤・要指導医薬品・第1類医薬品の販売はできず、第2類・第3類医薬品の販売に限られます。

Q3. 登録販売者として一人で勤務(店舗管理者等)するために必要な実務経験要件として、近年の制度に合致するものはどれか。

  1. 1受験前に通算1年以上の実務経験が必要である
  2. 2合格後すぐに店舗管理者として一人勤務できる
  3. 3直近5年間のうち通算2年(過去2年で1920時間以上等)の実務経験等が必要である
  4. 4通算10年の実務経験が必要である
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正解:3. 直近5年間のうち通算2年(過去2年で1920時間以上等)の実務経験等が必要である

登録販売者として一人勤務(店舗管理者・区域管理者等)になるには、直近5年間のうち通算2年以上、かつ過去2年間で1920時間以上の実務(業務)経験等が必要とされています。要件を満たすまでは「研修中」の名札を着用し、薬剤師または要件を満たす登録販売者の管理下で勤務します。

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