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建物・設備

第1種換気・第2種換気・第3種換気の違い

機械換気は給気と排気をどう機械化するかで第1種〜第3種に分類されます。建築基準法28条の2により、住宅居室は24時間換気設備(換気回数0.5回/h以上)の設置が義務化されており、住宅では設備コストの低い第3種換気が主流です。室内圧の正負と適用例の組み合わせが頻出論点です。

比較表で見る違い

観点第1種換気第2種換気第3種換気
給気の方式機械(給気ファン)機械(給気ファン)自然(給気口)
排気の方式機械(排気ファン)自然(排気口)機械(排気ファン)
室内圧中性〜やや陽圧(バランス制御可)陽圧(外部より気圧が高い)陰圧(外部より気圧が低い)
汚染空気の流入抑制可(給気側でフィルタ・熱交換)流入しにくい(陽圧で押し出す)隙間から流入しやすい(陰圧で吸い込む)
主な適用例手術室・ボイラ室・地下室、熱交換型住宅換気クリーンルーム、製造工場の無塵室住宅居室・トイレ・浴室・台所(24時間換気の主流)
コスト高い(給排気2系統の機械)中程度低い(排気ファンのみ)
熱回収可(全熱交換器との組合せが容易)困難困難

それぞれの詳しい解説

A第1種換気

給気・排気とも機械(ファン)で行う方式で、室内圧を中性〜やや陽圧に制御できます。給気側にフィルタや全熱交換器を設けやすく、外気の温湿度を回収して省エネ性能を高められるため、高気密高断熱住宅や手術室・ボイラ室などで採用されます。設備コストはもっとも高くなります。

  • 給気・排気とも機械で行う

  • 室内圧をバランス制御可(中性〜やや陽圧)

  • 熱交換型換気と組合せやすく省エネ

  • 手術室・ボイラ室・地下室、高性能住宅で採用

B第2種換気

給気のみ機械、排気は自然排気口で行う方式です。室内が陽圧になり外部から汚染空気やほこりが侵入しにくいため、クリーンルームや無塵を要する製造工場などで採用されます。住宅で採用すると湿気が壁内に押し込まれ結露を招くおそれがあるため、一般住宅にはほとんど用いられません。

  • 給気のみ機械(陽圧)

  • 外部からの汚染流入を防ぐ

  • クリーンルーム・無塵製造現場で採用

  • 住宅では結露リスクのため不適

C第3種換気

排気のみ機械、給気は自然給気口で行う方式で、室内は陰圧になります。設備が排気ファンのみで安価なため、住宅の24時間換気(建築基準法28条の2、換気回数0.5回/h以上)の主流方式です。トイレ・浴室・台所など臭気や湿気を出す室に局所排気として採用されることも多く、室外への臭気拡散を防げます。一方、外気がそのまま流入するため熱損失が大きく、高断熱住宅では第1種換気との比較検討が必要です。

  • 排気のみ機械(陰圧)

  • 住宅の24時間換気で主流(換気回数0.5回/h以上)

  • トイレ・浴室・台所の局所排気にも適する

  • コストが低いが熱損失が大きい

試験対策のポイント

1種=給気・排気とも機械(中性〜陽圧)、2種=給気のみ機械(陽圧、クリーンルーム)、3種=排気のみ機械(陰圧、住宅で主流)。建築基準法28条の2により住宅居室は0.5回/h以上の24時間換気が義務。

理解度チェック(3問)

Q1. 機械換気方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1第1種換気は給気のみを機械で行う方式である。
  2. 2第2種換気は室内が陰圧となるため、外部からの汚染空気の流入を防げる。
  3. 3第3種換気は排気のみを機械で行い、室内は陰圧となるため、住宅の24時間換気の主流である。
  4. 4第3種換気は給排気とも機械で行うため、熱回収による省エネ性能が高い。
解答・解説を見る

正解:3. 第3種換気は排気のみを機械で行い、室内は陰圧となるため、住宅の24時間換気の主流である。

第3種換気は排気のみを排気ファンで行い給気は自然給気口に頼るため、室内は陰圧となる。設備が安価で住宅の24時間換気(建築基準法28条の2、0.5回/h以上)の主流方式。第1種は給排気とも機械、第2種は給気のみ機械で陽圧(陰圧ではない)、熱回収は第1種で容易。

Q2. 建築基準法28条の2に基づく住宅居室の24時間換気設備に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1住宅の居室には換気回数0.3回/h以上の換気設備を設置しなければならない。
  2. 2住宅の居室には原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備を設置しなければならない。
  3. 324時間換気はシックハウス対策のため、第2種換気のみ認められている。
  4. 424時間換気設備は、入居者が必要に応じて停止できるように設計しなければならない。
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正解:2. 住宅の居室には原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備を設置しなければならない。

シックハウス対策として建築基準法28条の2施行令20条の8により、住宅の居室は原則として換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(24時間換気)の設置が義務付けられている。換気方式は第1種〜第3種いずれも認められるが、住宅では第3種換気が主流。常時運転が前提で、入居者が容易に停止できないよう設計するのが通常。

Q3. クリーンルームや無塵を要する製造工場で、室内に外部からの汚染空気を侵入させないために用いられる換気方式として、最も適切なものはどれか。

  1. 1第1種換気
  2. 2第2種換気
  3. 3第3種換気
  4. 4自然換気
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正解:2. 第2種換気

第2種換気は給気のみ機械で行い室内を陽圧に保つため、外部から汚染空気やほこりが侵入しにくく、クリーンルームや無塵製造工場に適する。第1種は手術室・ボイラ室・高性能住宅、第3種は住宅・トイレ・浴室、自然換気は機械を使わない開口部換気である。

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