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建物・設備

直結直圧方式・直結増圧方式・受水槽方式の違い

建物への給水方式は規模に応じて3種類に大別されます。小規模建物は水道本管の圧力でそのまま給水する直結直圧、中規模はブースターポンプで加圧する直結増圧、大規模は受水槽を経由する受水槽方式が一般的です。受水槽が10㎥を超える場合は簡易専用水道として水道法上の管理義務が生じる点が頻出論点です。

比較表で見る違い

観点直結直圧方式直結増圧方式受水槽方式
給水の仕組み水道本管の圧力で各戸へ直接給水増圧ポンプ(ブースターポンプ)で加圧して直接給水受水槽に一旦貯水し、揚水ポンプ・高置水槽等を経て給水
適用建物規模小規模(戸建・2〜3階建程度)中規模(中層共同住宅、概ね10階程度まで)大規模(中高層・大規模共同住宅、断水時に貯水確保が必要な建物)
停電時の使用使用可(本管圧力のみで給水)使用不可(増圧ポンプ停止)受水槽内の水は使用可(高置水槽方式なら自然流下で使用可、ポンプ直送は不可)
断水時の予備水なしなしあり(受水槽容量分)
水質管理水道事業者が責任(蛇口まで)水道事業者が責任(蛇口まで)設置者責任。有効容量10㎥超は簡易専用水道として年1回以内の検査義務(水道法34条の2)
主なメリット衛生的・低コスト・スペース不要受水槽不要で衛生的、中規模建物に対応断水時の水確保、大量使用に対応、配水管圧力の影響を受けない
主なデメリット高層階に給水できない、本管圧力低下時に水量不足停電時に断水、ポンプ維持管理コスト受水槽の点検・清掃義務、設置スペース、衛生管理の負担

それぞれの詳しい解説

A直結直圧方式

水道本管の圧力をそのまま利用して各住戸へ給水する最もシンプルな方式です。受水槽もポンプも不要のため衛生的でコストが低く、戸建や2〜3階建ての小規模建物に採用されます。停電時にも本管圧力さえあれば給水できる点が大きな利点です。

  • 受水槽・ポンプ不要で衛生的

  • 停電時も給水継続可能

  • 高層階や大量使用には対応不可

B直結増圧方式

水道本管に増圧ポンプ(ブースターポンプ)を直結し、加圧して各住戸へ給水する方式です。受水槽を経由しないため水質が良好で、中規模の中層共同住宅で採用が広がっています。停電時はポンプが停止し給水が止まるため断水対策が課題となります。

  • 受水槽不要で水質が良好

  • 中層建物(概ね10階程度まで)に対応

  • 停電時はポンプ停止により断水

C受水槽方式

水道本管から一旦受水槽に貯水し、揚水ポンプで高置水槽に押し上げて自然流下で給水する高置水槽方式と、受水槽からポンプで直接加圧供給するポンプ直送方式があります。有効容量が10㎥を超える受水槽は水道法上の簡易専用水道に該当し、設置者は1年以内ごとに1回、登録検査機関による検査を受ける義務があります。受水槽の清掃も1年以内ごとに1回行う必要があります。

  • 断水・大量使用時に対応可

  • 有効容量10㎥超は簡易専用水道(水道法34条の2)

  • 受水槽の検査・清掃は1年以内ごとに1回

  • 高置水槽方式は停電時も自然流下で給水可

試験対策のポイント

規模順に直結直圧→直結増圧→受水槽。受水槽方式は10㎥超で簡易専用水道となり、年1回以内の点検・清掃義務が課される。停電時に給水可能なのは直結直圧と高置水槽方式。

理解度チェック(3問)

Q1. 給水方式に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1直結直圧方式は停電時に給水できない。
  2. 2直結増圧方式は受水槽を設置するため断水時にも一定量の水が確保できる。
  3. 3受水槽方式の高置水槽方式は、停電時でも高置水槽内の水を自然流下で使用できる。
  4. 4受水槽方式は本管圧力の変動を直接受けるため、給水が不安定になりやすい。
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正解:3. 受水槽方式の高置水槽方式は、停電時でも高置水槽内の水を自然流下で使用できる。

高置水槽方式は揚水ポンプで一度高置水槽に上げた水を重力で各戸に落とすため、停電してもタンク内の水を自然流下で使える。直結直圧は本管圧力で給水するため停電時も使用可、直結増圧は受水槽を持たず増圧ポンプが停電で止まるため断水、受水槽方式は本管圧力変動の影響を受けにくい点が特徴。

Q2. 簡易専用水道の管理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1受水槽の有効容量が5㎥を超えるものを簡易専用水道という。
  2. 2簡易専用水道の設置者は、3年以内ごとに1回、登録検査機関の検査を受けなければならない。
  3. 3簡易専用水道の設置者は、1年以内ごとに1回、受水槽の清掃を行わなければならない。
  4. 4簡易専用水道の管理は、入居者が直接行う義務を負う。
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正解:3. 簡易専用水道の設置者は、1年以内ごとに1回、受水槽の清掃を行わなければならない。

水道法施行規則により、簡易専用水道(受水槽有効容量10㎥超)の設置者は1年以内ごとに1回、受水槽の清掃と登録検査機関による検査を受ける義務がある。基準は10㎥超であり5㎥ではない。検査周期も1年以内ごとに1回であり3年ではない。管理責任は設置者(賃貸人等)にある。

Q3. 高さ概ね10階程度までの中層共同住宅で、受水槽を設けず本管に直結したポンプで加圧して各戸に給水する方式として、最も適切なものはどれか。

  1. 1直結直圧方式
  2. 2直結増圧方式
  3. 3高置水槽方式
  4. 4ポンプ直送方式(受水槽方式)
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正解:2. 直結増圧方式

直結増圧方式は水道本管に増圧ポンプを直結して加圧し、受水槽を介さず各戸へ給水する方式で、中層建物(概ね10階程度まで)の共同住宅に適する。受水槽が不要なため水質が良好。直結直圧は小規模、高置水槽方式とポンプ直送方式はいずれも受水槽を設ける方式である。

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