違いシリーズ一覧に戻る
施工・検査・法令

地絡継電器(GR)と方向地絡継電器(DGR)の違い

高圧受電設備の地絡保護には、地絡継電器(GR)と方向地絡継電器(DGR)があります。GRは地絡電流の大きさだけを見ますが、DGRは電流の「向き」も判別するため、他の需要家の地絡による「もらい事故(不必要動作)」を防げます。

比較表で見る違い

観点地絡継電器(GR)方向地絡継電器(DGR)
英語名Ground Relay(GR)Directional Ground Relay(DGR)
検出する量地絡電流(零相電流)の大きさのみ地絡電流の大きさ+方向(位相)
必要なセンサ零相変流器(ZCT)零相変流器(ZCT)+零相電圧検出(ZPD/ZVT)
もらい事故への対策弱い(構外地絡でも動作することがある)強い(方向判別で構外地絡では動作しない)
構内・構外の判別できないできる(自構内の地絡のみ動作)
主な適用ケーブルが短い小規模な高圧受電設備ケーブルこう長が長い・もらい事故対策が必要な設備
構成の複雑さシンプル複雑(電圧要素が加わる)

それぞれの詳しい解説

A地絡継電器(GR)

零相変流器(ZCT)で地絡電流(零相電流)を検出し、その大きさが整定値を超えると動作して回路を遮断する継電器。構造はシンプルですが電流の向きを判別できないため、近くの他需要家の地絡(構外事故)でも自分の設備が動作してしまう「もらい事故」が起こることがあります。

  • 零相変流器(ZCT)で地絡電流を検出

  • 電流の大きさのみで判定(方向は見ない)

  • 構造がシンプルで安価

  • もらい事故(不必要動作)の恐れがある

B方向地絡継電器(DGR)

零相変流器(ZCT)に加えて零相電圧(ZPD/ZVT)を検出し、地絡電流の大きさと向き(位相)の両方で判定する継電器。電流の方向を判別できるため、自構内の地絡のときだけ動作し、構外地絡による「もらい事故」を防げます。ケーブルこう長が長い設備で特に有効です。

  • ZCTに加え零相電圧(ZPD)も検出

  • 地絡電流の大きさと方向で判定

  • 構内の地絡のみ動作(もらい事故を防止)

  • ケーブルが長い設備に適する

試験対策のポイント

「GR=地絡電流の大きさだけ(方向見ない・もらい事故あり)、DGR=大きさ+方向(ZPD追加・もらい事故防止)」。DGRは零相電圧要素を加えることで構内・構外を判別できる。ケーブルこう長が長いとGRはもらい事故しやすいためDGRが推奨される。

理解度チェック(3問)

Q1. 方向地絡継電器(DGR)が地絡継電器(GR)に対して優れている点として正しいものはどれか。

  1. 1地絡電流をより速く検出できる
  2. 2電流の方向を判別し、もらい事故を防げる
  3. 3零相変流器が不要になる
  4. 4過電流も同時に検出できる
解答・解説を見る

正解:2. 電流の方向を判別し、もらい事故を防げる

DGRは地絡電流の方向(位相)も判別するため、構外の地絡では動作せず「もらい事故(不必要動作)」を防げる。GRは大きさだけで判定するため方向は分からない。

Q2. 方向地絡継電器(DGR)が地絡の方向を判別するために、零相変流器(ZCT)に加えて必要となる要素はどれか。

  1. 1零相電圧(ZPD/ZVTによる検出)
  2. 2過電流要素
  3. 3計器用変圧器の二次短絡
  4. 4断路器の補助接点
解答・解説を見る

正解:1. 零相電圧(ZPD/ZVTによる検出)

DGRは零相電圧(ZPD/ZVTで検出)を加え、地絡電流と零相電圧の位相関係から地絡の方向を判別する。GRは零相変流器(ZCT)による電流の大きさのみで判定する。

Q3. 高圧需要家のケーブルこう長が長く、近隣の構外地絡による不必要動作(もらい事故)が懸念される場合に採用すべき継電器はどれか。

  1. 1地絡継電器(GR)
  2. 2方向地絡継電器(DGR)
  3. 3過電流継電器(OCR)
  4. 4不足電圧継電器(UVR)
解答・解説を見る

正解:2. 方向地絡継電器(DGR)

ケーブルこう長が長いとGRは構外地絡でも動作しやすい(もらい事故)。方向を判別できる方向地絡継電器(DGR)を採用することで自構内の地絡のみ動作させられる。

同じ分野の「違い」記事

電工二種 一問一答で演習する