A純資産価額方式
会社の資産・負債を相続税評価額に置き換え、含み益に法人税相当額(37%)を控除して純資産を計算する方式。1株当たり純資産価額が評価額となります。小会社の原則的評価方式で、大会社・中会社でも選択可。
含み益への37%控除がポイント
株式保有特定会社・土地保有特定会社は原則これのみ
非上場株式(取引相場のない株式)の相続税・贈与税評価は、株主区分(同族・少数)と会社規模(大・中・小)で使う方式が決まります。同族株主は原則的評価(純資産+類似業種)、少数株主は特例的評価(配当還元)が基本です。
| 観点 | 純資産価額方式 | 類似業種比準方式 | 配当還元方式 |
|---|---|---|---|
| 評価視点 | 会社の純資産(解散価値) | 類似上場会社の比準要素(配当・利益・純資産) | 受け取る配当金から逆算 |
| 主な計算要素 | 相続税評価額ベースの純資産−含み益への37%控除 | 配当・年利益・簿価純資産の3要素を業種平均と比準 | 年配当(直前2期平均)÷10%×(資本金等÷50円) |
| 主に使う場面 | 小会社・特定の評価会社・併用方式の片方 | 大会社・併用方式の片方 | 同族株主以外の少数株主が取得する場合 |
| 評価額の傾向 | 内部留保の多い会社で高く出やすい | 上場類似会社の指標に左右される | 配当が低いと最低2.5円/株程度まで低くなる |
| 会社規模との関係 | 小会社で原則/大会社・中会社では選択肢 | 大会社で原則 | 会社規模に関わらず少数株主に適用 |
会社の資産・負債を相続税評価額に置き換え、含み益に法人税相当額(37%)を控除して純資産を計算する方式。1株当たり純資産価額が評価額となります。小会社の原則的評価方式で、大会社・中会社でも選択可。
含み益への37%控除がポイント
株式保有特定会社・土地保有特定会社は原則これのみ
評価会社と業種が類似する上場会社の株価を基に、配当・年利益・簿価純資産の3要素を比準して評価する方式。大会社の原則的評価で、中会社は併用方式(類似+純資産)の中で使われます。
比準要素のウェイトは配当1:利益1:純資産1(2017年改正後)
斟酌率:大会社0.7・中会社0.6・小会社0.5
同族株主以外の少数株主(5%未満等)が取得する株式に適用される特例的評価。年配当金額(直前2期平均、2.5円未満は2.5円)を10%で還元して評価します。原則的評価より大幅に低くなることが多いです。
計算式:年配当金額÷10%×(1株当たり資本金等の額÷50円)
同族株主以外の少数株主が対象
「同族株主+大会社=類似業種比準」「同族株主+小会社=純資産価額」「少数株主=配当還元」。中会社は併用方式(類似+純資産)。
Q1. 非上場株式の評価で、同族株主以外の少数株主が取得する株式に原則として適用される評価方式はどれか。
正解:3. 配当還元方式
同族株主以外の少数株主は特例的評価方式である配当還元方式が適用される。同族株主は原則的評価。
Q2. 類似業種比準方式の比準3要素として正しい組合せはどれか。(2017年改正後)
正解:2. 配当・年利益・簿価純資産
比準要素は配当(B)・年利益(C)・簿価純資産(D)の3つ。2017年改正で従来「1:3:1」だったウェイトが「1:1:1」に変更された。
Q3. 純資産価額方式に関する記述として最も適切なものはどれか。
正解:2. 含み益に対して37%相当の法人税等を控除する
純資産価額方式は資産を相続税評価額に置き換え、含み益への法人税相当(37%)を控除する。原則は小会社、大・中会社でも選択可。