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横断・総合

法定免除と申請免除の違い(国年)

国民年金第1号被保険者の保険料免除制度には、要件を満たせば自動的に免除される「法定免除」(国年法89条)と、所得状況に応じて申請により免除される「申請免除」(国年法90条〜90条の3)があります。両者は免除事由・所得要件の有無・免除割合・追納の扱いが異なり、社労士試験では国年法の頻出論点です。本稿では条文番号と要件を対比しながら、年金額への反映率(国庫負担分の取扱い)まで含めて違いを整理します。

比較表で見る違い

観点法定免除申請免除
根拠条文国年法89条国年法90条〜90条の3
免除の要否要件該当で自動免除(届出は必要)本人の申請が必要
主な事由生活保護生活扶助受給者・障害基礎年金等受給者・国立ハンセン病療養所入所者所得が一定基準以下(本人・配偶者・世帯主)
所得要件なし(事由該当で自動)あり(全額/3-4/半額/1-4の4区分)
免除割合全額免除のみ全額・3/4・半額・1/4の4段階
老齢基礎年金への反映免除期間は1/2(国庫負担分)反映全額1/2・3/4は5/8・半額は6/8・1/4は7/8反映
追納10年以内可(3年度目以降は加算金)10年以内可(3年度目以降は加算金)
届出/申請先市町村長への届出市町村長経由で厚生労働大臣に申請

それぞれの詳しい解説

A法定免除(国年法89条)

法定免除は国年法89条に基づき、第1号被保険者が一定の事由に該当する期間につき、申請を要せず保険料が当然に免除される制度。事由は①障害基礎年金または被用者年金各法の障害給付(2級以上)の受給権者、②生活保護法による生活扶助の受給者、③国立ハンセン病療養所等の入所者の3類型。該当した日の属する月の前月から該当しなくなる日の属する月までが免除対象。所得要件はなく、事由該当で自動的に全額免除となるが、市町村長への届出は必要(14日以内)。免除期間は老齢基礎年金額に1/2(国庫負担相当)反映され、10年以内であれば追納が可能(3年度目以降は加算金あり)。

  • 障害年金2級以上・生活保護生活扶助・ハンセン病療養所入所者

  • 所得要件なし、事由該当で自動全額免除

  • 老齢基礎年金は1/2反映、10年以内追納可

B申請免除(国年法90条〜90条の3)

申請免除は本人の申請に基づき、本人・配偶者・世帯主の前年所得が政令で定める基準以下である場合に免除される制度(国年法90条〜90条の3)。免除割合は全額免除(90条)、3/4免除(90条の2第1項)、半額免除(90条の2第2項)、1/4免除(90条の2第3項)の4段階で、所得基準が段階的に異なる。申請は市町村長を経由して厚生労働大臣に行い、原則として申請日の属する月の前月から承認される。失業・天災等の特例事由もあり、その場合は所得要件が緩和される。老齢基礎年金には全額免除1/2、3/4免除5/8、半額免除6/8、1/4免除7/8で反映。10年以内の追納が可能(3年度目以降は加算金)。

  • 本人・配偶者・世帯主の所得要件あり

  • 全額・3/4・半額・1/4の4段階

  • 年金反映は1/2・5/8・6/8・7/8(国庫1/2+納付分)

試験対策のポイント

「法定=自動・全額のみ・障害/生保/ハンセン」「申請=所得要件・4段階・本配世」。所得審査は本人・配偶者・世帯主の3者をチェック、追納はどちらも10年以内。

理解度チェック(3問)

Q1. 国民年金の法定免除の対象とならないものはどれか。

  1. 1生活保護法による生活扶助の受給者
  2. 2障害基礎年金(2級以上)の受給権者
  3. 3国立ハンセン病療養所等の入所者
  4. 4失業により所得が著しく減少した者
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正解:4. 失業により所得が著しく減少した者

失業による所得減少は申請免除(特例事由)の対象。法定免除は障害年金2級以上の受給権者、生活保護生活扶助受給者、ハンセン病療養所入所者の3類型に限定。

Q2. 国民年金の申請免除における所得審査の対象として正しいものはどれか。

  1. 1本人のみ
  2. 2本人と配偶者
  3. 3本人・配偶者・世帯主
  4. 4本人・配偶者・親族全員
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正解:3. 本人・配偶者・世帯主

申請免除の所得審査は本人・配偶者・世帯主の3者の前年所得を対象とする。いずれかが所得基準を超えると免除されない。

Q3. 国民年金保険料の免除期間に係る老齢基礎年金額への反映に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1法定免除は反映されず、申請免除のみ反映される
  2. 2全額免除(法定・申請とも)期間は1/2が反映される
  3. 3半額免除期間は1/4のみ反映される
  4. 44分の1免除期間は1/2が反映される
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正解:2. 全額免除(法定・申請とも)期間は1/2が反映される

全額免除(法定・申請いずれも)期間は国庫負担分の1/2が老齢基礎年金額に反映。3/4免除は5/8、半額免除は6/8、1/4免除は7/8反映。

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