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第5章 適正使用・安全対策

緊急安全性情報と安全性速報の違い

医薬品の市販後安全対策において、重要な安全性情報を医療現場に迅速に伝える仕組みとして「緊急安全性情報」と「安全性速報」があります。前者はイエローレター、後者はブルーレターと呼ばれ、書面の色で識別されます。いずれも厚生労働省からの命令、指示、又は製造販売業者の自主決定に基づき製造販売業者が作成・配布しますが、対象となる情報の重大性と必要な伝達スピードが異なります。第5章では発出契機、伝達期間、配布対象、登録販売者の対応をセットで整理しておくことが重要です。

比較表で見る違い

観点緊急安全性情報(イエローレター)安全性速報(ブルーレター)
通称イエローレター(黄色)ブルーレター(青色)
発出契機緊急かつ重大な注意喚起や使用制限の改訂等が必要な場合一般的な使用上の注意改訂等のうち迅速な注意喚起が必要な場合
対象情報の重大度重篤な副作用や死亡例等、迅速対応が必須の情報緊急安全性情報ほどではないが医療現場への早期周知が必要な情報
伝達期間の目安原則1ヶ月以内に医療機関等へ伝達原則3ヶ月以内に医療機関等へ伝達
発出主体厚生労働省の命令・指示又は製造販売業者の自主決定により製造販売業者が作成同左(緊急性が異なる)
配布対象医療機関、薬局、医薬品販売業者等(登録販売者を含む)同左
掲載媒体PMDAホームページ・PMDAメディナビ・製薬企業MR等同左
登録販売者の対応直ちに内容確認、販売継続可否判断、購入者への情報提供内容を確認し添付文書改訂等の使用上注意に反映

それぞれの詳しい解説

A緊急安全性情報(イエローレター)

緊急安全性情報は、医薬品又は医療機器について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る情報伝達の必要がある場合に、厚生労働省からの命令、指示、又は製造販売業者の自主決定に基づいて製造販売業者が作成し、医療機関や薬局等に配布する文書です。書面が黄色いことからイエローレターと呼ばれます。原則として発出から1ヶ月以内にダイレクトメール、ファクシミリ、PMDAメディナビ等を通じて伝達されます。重篤な副作用や死亡例等、緊急の対応が必要な情報が対象となり、登録販売者も内容を直ちに確認し購入者への情報提供に活かします。

  • 通称イエローレター(黄色の書面)

  • 緊急かつ重大な注意喚起・使用制限改訂等が必要な場合に発出

  • 原則1ヶ月以内に医療機関・薬局等へ伝達

  • 厚労省の命令・指示又は製造販売業者の自主決定で発出

  • PMDAメディナビ、PMDAホームページ、MR等で周知

  • 登録販売者は内容確認後、販売継続可否判断と購入者への情報提供を実施

B安全性速報(ブルーレター)

安全性速報は、医薬品又は医療機器について一般的な使用上の注意の改訂情報等のうち、緊急安全性情報ほど緊急ではないものの、医療関係者への迅速な注意喚起や適正使用のための対応が必要な情報を伝達する文書です。書面が青色のためブルーレターと呼ばれ、平成23年(2011年)から運用が開始されました。原則として発出から3ヶ月以内に医療機関等へ伝達されます。発出主体は緊急安全性情報と同様で、厚生労働省の命令・指示又は製造販売業者の自主決定により製造販売業者が作成・配布します。

  • 通称ブルーレター(青色の書面)

  • 一般的な使用上の注意改訂等のうち迅速な注意喚起が必要な場合に発出

  • 原則3ヶ月以内に医療機関・薬局等へ伝達

  • 平成23年(2011年)に新設された制度

  • 緊急安全性情報ほど緊急性は高くないが早期周知が必要

  • 登録販売者は添付文書改訂内容を確認し販売時の注意喚起に反映

試験対策のポイント

「黄色は1ヶ月、青は3ヶ月」と色×伝達期間で覚える。イエロー=Yellow=1(早い)、ブルー=Blue=3、と数字をセットで暗記すると混同しない。

理解度チェック(3問)

Q1. 緊急安全性情報(イエローレター)に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1原則として3ヶ月以内に医療機関等へ伝達される
  2. 2書面の色が青色であることからブルーレターと呼ばれる
  3. 3原則として1ヶ月以内に医療機関等へ伝達される
  4. 4製造販売業者は関与せず、厚生労働省が直接配布する
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正解:3. 原則として1ヶ月以内に医療機関等へ伝達される

緊急安全性情報は通称イエローレターと呼ばれ、書面が黄色いことが由来です。厚生労働省の命令・指示又は製造販売業者の自主決定により製造販売業者が作成・配布し、原則として発出から1ヶ月以内に医療機関や薬局等へ伝達されます。3ヶ月以内は安全性速報(ブルーレター)の伝達期間です。

Q2. 安全性速報(ブルーレター)に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 1通称ブルーレターと呼ばれ書面の色は青色である
  2. 2原則として発出から3ヶ月以内に医療機関等へ伝達される
  3. 3緊急安全性情報よりも緊急性が高い重大情報のみを対象とする
  4. 4一般的な使用上の注意改訂等のうち迅速な注意喚起が必要な場合に発出される
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正解:3. 緊急安全性情報よりも緊急性が高い重大情報のみを対象とする

安全性速報(ブルーレター)は、緊急安全性情報ほど緊急性は高くないものの医療関係者への迅速な注意喚起が必要な情報を対象とする制度です。緊急安全性情報より重大な情報を対象とするという記述は誤りで、両者は緊急性の度合いと伝達期間(1ヶ月以内/3ヶ月以内)で区別されます。

Q3. 緊急安全性情報・安全性速報の発出と伝達に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1いずれも厚生労働省が直接作成し医療機関へ配布する
  2. 2いずれも厚労省の命令・指示等により製造販売業者が作成・配布する
  3. 3登録販売者は配布対象外であり内容を知る必要はない
  4. 4PMDAメディナビは安全性速報のみが配信対象である
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正解:2. いずれも厚労省の命令・指示等により製造販売業者が作成・配布する

緊急安全性情報および安全性速報は、いずれも厚生労働省からの命令、指示、又は製造販売業者の自主決定に基づき、製造販売業者が作成し医療機関・薬局・医薬品販売業者等へ配布します。登録販売者も配布対象に含まれ、PMDAメディナビでは両方の情報が配信されます。

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