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第5章 適正使用・安全対策

PMDAと厚生労働省の違い

医薬品行政には複数の機関が関与し、登録販売者試験第5章でも頻出のテーマです。代表的なのが「PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)」と「厚生労働省」で、両者は密接に連携しますが役割は異なります。厚生労働省は薬事行政の所管官庁として政策・告示・最終的な承認や許認可を担い、PMDAは実務機関として承認審査、市販後の安全対策、健康被害救済給付業務を担当します。副作用報告の窓口や副作用被害救済制度の運営はPMDAが担う点を中心に、両者の役割分担を整理します。

比較表で見る違い

観点PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)厚生労働省
組織種別独立行政法人(2004年設立)国の行政機関(中央省庁)
主な役割承認審査の科学的評価、市販後安全対策、健康被害救済給付薬事行政の所管官庁、政策立案、最終的な承認・許認可
医薬品の承認科学的審査を実施し結果を厚労省に報告審査結果を踏まえ厚生労働大臣が最終承認
副作用情報の収集副作用報告の受付窓口、症例評価報告制度の制度設計と運用責任
健康被害救済制度医薬品副作用被害救済制度の給付業務を実施制度の所管と給付決定の最終責任
情報提供PMDAホームページ、PMDAメディナビで情報配信通知・告示・通達で行政指示
登録販売者との接点副作用報告の提出先、安全性情報の入手元法令解釈・許認可の制度的根拠

それぞれの詳しい解説

APMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)

PMDA(Pharmaceuticals and Medical Devices Agency)は、2004年に設立された独立行政法人で、医薬品・医療機器・再生医療等製品の品質・有効性・安全性の確保を目的とする実務機関です。三本柱として、承認審査業務(治験から承認までの科学的評価)、安全対策業務(市販後の副作用情報収集・評価・情報提供)、健康被害救済業務(医薬品副作用被害救済制度の給付)を担います。登録販売者にとっては副作用報告の提出先であり、PMDAメディナビを通じて緊急安全性情報や安全性速報等の安全性情報を受け取る重要な窓口です。

  • 2004年設立の独立行政法人

  • 承認審査業務:治験計画から承認までの科学的評価

  • 安全対策業務:市販後の副作用情報収集・分析・情報提供

  • 健康被害救済業務:医薬品副作用被害救済制度の給付決定・支給

  • 副作用報告の受付窓口(登録販売者の報告先)

  • PMDAホームページ・PMDAメディナビで安全性情報を配信

B厚生労働省

厚生労働省は、医療・公衆衛生・労働行政等を所管する国の行政機関で、薬事行政全般の最終責任を負います。医薬品医療機器等法に基づき、医薬品の製造販売承認は最終的に厚生労働大臣が行い、PMDAの審査結果と薬事・食品衛生審議会の答申を踏まえて承認の可否を決定します。また販売業の許可、添付文書記載要領、緊急安全性情報や安全性速報の発出指示、医薬品副作用被害救済制度の所管など、政策・告示・通知レベルでの最終判断を担います。PMDAは厚労省の下で実務を執行する関係にあります。

  • 医療・公衆衛生・薬事行政を所管する中央省庁

  • 医薬品医療機器等法に基づく許認可の最終責任者

  • 製造販売承認は厚生労働大臣が決定

  • 緊急安全性情報・安全性速報の発出を指示

  • 薬事・食品衛生審議会の答申を踏まえて政策決定

  • 医薬品副作用被害救済制度を所管(給付業務はPMDA)

試験対策のポイント

「政策・最終決定=厚労省、実務=PMDA」と覚える。承認審査・市販後安全対策・健康被害救済給付の3業務はPMDAが実施、最終承認や発出指示は厚労省が担う役割分担が試験のポイント。

理解度チェック(3問)

Q1. PMDA(独立行政法人医薬品医療機器総合機構)の業務として、最も適切でないものはどれか。

  1. 1医薬品の承認審査における科学的評価
  2. 2市販後の副作用情報の収集と評価
  3. 3医薬品副作用被害救済制度に基づく給付業務
  4. 4医薬品医療機器等法の制定及び改正
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正解:4. 医薬品医療機器等法の制定及び改正

PMDAは独立行政法人であり、承認審査・市販後安全対策・健康被害救済給付の3業務を担いますが、法律の制定や改正は国会及び行政府(厚生労働省を含む)の役割であり、PMDAの業務ではありません。法令の制度設計・改正は厚労省を含む行政・立法の権限に属します。

Q2. 厚生労働省とPMDAの役割分担に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1医薬品の製造販売承認はPMDAが最終決定する
  2. 2副作用報告の受付窓口は厚生労働省である
  3. 3医薬品副作用被害救済制度の給付業務はPMDAが実施する
  4. 4緊急安全性情報の発出指示はPMDAが直接行う
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正解:3. 医薬品副作用被害救済制度の給付業務はPMDAが実施する

医薬品副作用被害救済制度は、PMDAが給付業務(医療費・障害年金・遺族一時金等の支給)を実施しています。製造販売承認の最終決定は厚生労働大臣、副作用報告の制度所管は厚労省にありますが受付窓口はPMDA、緊急安全性情報の発出指示は厚労省が行う点と区別が必要です。

Q3. 一般用医薬品に関する副作用報告と情報提供に関する記述として、適切なものはどれか。

  1. 1登録販売者は副作用情報を厚生労働大臣に直接報告しなければならない
  2. 2登録販売者は副作用情報をPMDAに報告する法定義務がある
  3. 3PMDAメディナビは医師のみが登録できる情報配信サービスである
  4. 4医薬品副作用被害救済制度は厚生労働省が直接給付を実施する
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正解:2. 登録販売者は副作用情報をPMDAに報告する法定義務がある

医薬品医療機器等法に基づき、登録販売者は副作用報告の法定報告義務者であり、知り得た副作用情報をPMDAへ報告します。PMDAメディナビは医療関係者(登録販売者を含む)が登録できる安全性情報配信サービスであり、医薬品副作用被害救済制度の給付業務はPMDAが実施します。

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