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法体系・権利義務

民法と商法の違い

私法の中心となるのが民法と商法である。民法は私人間の財産関係・家族関係を広く定める一般法であり、商法は商人や商行為という商取引の場面に特化した特別法である。両者は一般法と特別法の関係に立ち、同じ事柄に双方の規定があるときは商法が優先して適用される。この関係を理解することが、ビジネスに関わる法律を学ぶ出発点となる。

比較表で見る違い

観点民法商法
適用対象私人間の一般的な法律関係全般商人・商行為に関する法律関係
一般法・特別法の別私法の一般法民法に対する特別法
適用の優先商法に定めがなければ適用される民法に優先して適用される
規律の例契約一般・物権・債権・家族・相続商行為・商人・会社(会社法)・商取引の特則
重視する価値私人間の公平・権利義務の一般原則取引の迅速・安全・営利性

それぞれの詳しい解説

A民法

民法は、私人と私人の間の財産関係および家族関係を広く規律する私法の一般法である。契約・物権・債権といった財産法の分野と、親族・相続といった家族法の分野から成り、売買や賃貸借、所有権、損害賠償、婚姻や相続など、日常生活と取引の基礎となるルールを定めている。一般法であるため、特別法に定めがない事柄には民法が補充的に適用される。2020年施行の改正民法では、瑕疵担保責任が契約不適合責任に再構成され、消滅時効が原則として主観的起算点から5年・客観的起算点から10年に整理されるなど、現代の取引実態に合わせた見直しが行われた。

  • 私人間の財産関係・家族関係を広く定める一般法

  • 契約・物権・債権・親族・相続を規律

  • 特別法に定めがなければ補充的に適用される

B商法

商法は、商人および商行為に関する法律関係を規律する、民法に対する特別法である。商取引は反復・継続して大量に行われ、迅速性・安全性・営利性が重視されるため、民法の一般原則をそのまま当てはめると不都合な場面に、商取引向けの特別なルールを用意している。商人の定義や商行為の効果、商業使用人や代理商などの定めがあり、かつて商法に含まれていた会社に関する規律は現在では会社法として独立している。一般法である民法と特別法である商法の双方に規定がある場合には、「特別法は一般法に優先する」という原則により、商法が民法に優先して適用される。

  • 商人・商行為に関する民法の特別法

  • 取引の迅速・安全・営利性を重視した特則を置く

  • 民法に優先して適用される(特別法優先)

試験対策のポイント

民法=私人間全般の一般法・特別法がなければ適用。商法=商人・商行為の特別法・民法に優先して適用される。「一般法(民法)と特別法(商法)」「特別法優先」で区別する。

理解度チェック(3問)

Q1. 民法と商法の双方に適用できる規定があるとき、どちらが優先して適用されるか。

  1. 1民法が優先する
  2. 2商法が優先する
  3. 3いずれか有利な方を当事者が選べる
  4. 4常に新しく制定された方が優先する
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正解:2. 商法が優先する

商法は民法に対する特別法であり、「特別法は一般法に優先する」という原則から、双方に規定があるときは商法が優先して適用されるため2が正しい。一般法である民法が優先するわけではないので1は誤り。当事者が有利な方を自由に選べる仕組みではないため3も誤り。優先関係は一般法・特別法の関係で決まるのであって、制定の新旧で常に決まるわけではないので4も誤りである。商取引の特性に合わせた特別ルールを優先させる趣旨である。

Q2. 商法の説明として最も適切なものはどれか。

  1. 1私人間の家族関係や相続を中心に規律する法律である
  2. 2商人および商行為に関する、民法の特別法である
  3. 3すべての私法分野に優先する最上位の法律である
  4. 4商取引よりも私人間の公平のみを重視する一般法である
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正解:2. 商人および商行為に関する、民法の特別法である

商法は商人および商行為に関する法律関係を規律する民法の特別法であるため2が正しい。家族関係や相続を中心に規律するのは民法(家族法)であり1は誤り。商法は民法に優先する特別法ではあるが、すべての私法分野に優先する最上位の法律というわけではなく、扱う領域も限られるため3も誤り。商法はむしろ取引の迅速・安全・営利性を重視する特則であり、私人間の公平のみを重視する一般法とする4も誤りである。

Q3. 民法と商法の違いとして、適切でないものはどれか。

  1. 1民法は私法の一般法、商法は民法に対する特別法である
  2. 2商法は商人・商行為を対象とし、取引の迅速や安全を重視する
  3. 3商法に定めがない事項には民法が補充的に適用される
  4. 4民法は商法の特別法であり、商行為には常に民法が優先して適用される
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正解:4. 民法は商法の特別法であり、商行為には常に民法が優先して適用される

一般法と特別法の関係が逆であり、民法が一般法、商法が特別法であって、商行為には特別法である商法が優先して適用される。したがって民法を特別法とし常に優先するとした4が誤りで正解である。民法が一般法・商法が特別法という1の対比は正しく、商法が商人・商行為を対象に迅速や安全を重視する点も2のとおりである。商法に定めがなければ民法が補充的に適用される点も3のとおり正しい。どちらが一般法でどちらが特別法かを取り違えないことが肝心である。

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