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債権の管理・回収

連帯債務と連帯保証の違い

債権回収を確実にする人的担保として、連帯債務と連帯保証がある。どちらも債権者は複数人に全額請求できる点で似るが、各人が「自分の債務」を負うのか「他人の債務を担保する」のかという構造が根本的に異なる。改正民法では連帯保証契約に書面要件が課されるなど、両者の差は実務上も重要である。

比較表で見る違い

観点連帯債務連帯保証
債務の性質各自が独立して全額の債務を負う主たる債務を担保するための従たる債務
主従関係(付従性)なし(各自が本来の債務者)あり(主債務が消えれば保証債務も消える)
催告・検索の抗弁問題にならない(自身が債務者)連帯保証ではいずれも認められない
負担部分・求償内部の負担部分に応じて求償できる弁済した全額を主債務者に求償できる
成立の要件当事者の合意・法律の規定書面(または電磁的記録)が必要

それぞれの詳しい解説

A連帯債務

連帯債務とは、複数の債務者が同一の給付について、それぞれ独立して全部を履行する義務を負い、そのうち一人が弁済すれば全員の債務が消滅する関係をいう(民法436条)。各人が「自分の債務」を負っている点が特徴で、主従の区別がない。債権者はどの債務者に対しても、同時にまたは順次に、全額または一部を請求できる。弁済した債務者は、各自の内部的な負担部分の割合に応じて、他の連帯債務者へ求償することができる。例えば三人が均等の負担で300万円の連帯債務を負う場合、一人が全額弁済すれば他の二人へ各100万円を求償できる。

  • 各債務者が独立して全額の履行義務を負う

  • 主従関係がなく付従性はない

  • 弁済者は負担部分に応じて他の債務者へ求償する

B連帯保証

連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負う保証であり、あくまで主債務を担保するための従たる債務である(民法454条)。主債務が成立しなければ保証債務も成立せず、主債務が消滅すれば保証債務も消滅するという付従性がある。通常の保証人と異なり、連帯保証人は「まず主債務者に請求せよ」という催告の抗弁も、「主債務者に財産がある」という検索の抗弁も主張できず、債権者は直ちに連帯保証人へ全額請求できる。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じない(民法446条2項・3項)。弁済した連帯保証人は、自分の負担部分はゼロであるから、主債務者に対し弁済額の全額を求償できる。

  • 主債務を担保する従たる債務で付従性がある

  • 催告・検索の抗弁を主張できない

  • 書面でしなければ効力を生じない

試験対策のポイント

連帯債務=各自が「自分の債務」を全額負う(付従性なし)。連帯保証=主債務を担保する「従たる債務」(付従性あり・書面必須・催告検索の抗弁なし)。「自分の借金か、他人の借金の保証か」で区別する。

理解度チェック(3問)

Q1. 連帯保証に関する記述として最も適切なものはどれか。

  1. 1連帯保証人は催告の抗弁を主張して、まず主債務者に請求するよう求めることができる
  2. 2連帯保証契約は口頭の合意だけで有効に成立する
  3. 3主たる債務が弁済により消滅すれば、連帯保証債務も消滅する
  4. 4連帯保証人が弁済しても、主債務者に求償することはできない
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正解:3. 主たる債務が弁済により消滅すれば、連帯保証債務も消滅する

連帯保証債務は主債務を担保する従たる債務であり、主債務が弁済等で消滅すれば付従性により保証債務も当然に消滅するため、選択肢3が正しい。連帯保証人は催告・検索いずれの抗弁も主張できないので1は誤り。保証契約は書面(または電磁的記録)でしなければ効力を生じないため2も誤り。弁済した連帯保証人は自己の負担部分がないので主債務者へ全額求償でき、4も誤りである。

Q2. 連帯債務における求償について、最も適切なものはどれか。

  1. 1弁済した連帯債務者は、他の連帯債務者へ一切求償できない
  2. 2弁済した連帯債務者は、各自の負担部分に応じて他の連帯債務者へ求償できる
  3. 3債権者は連帯債務者の一人にしか請求できない
  4. 4連帯債務者の一人が弁済しても、他の債務者の債務は消滅しない
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正解:2. 弁済した連帯債務者は、各自の負担部分に応じて他の連帯債務者へ求償できる

連帯債務では各自が独立して全額の債務を負うが、内部的には負担部分が定められており、弁済した者は他の連帯債務者へ負担部分に応じて求償できるため2が正しい。求償できないとする1は誤り。債権者はどの連帯債務者にも同時または順次に全額・一部を請求できるので3は誤り。一人の弁済で全員の債務が消滅するのが連帯債務の効果であり、4も誤りである。負担部分の概念が求償の基礎となる点を押さえたい。

Q3. 連帯債務と連帯保証の違いとして適切でないものはどれか。

  1. 1連帯債務には付従性がないが、連帯保証には付従性がある
  2. 2連帯保証契約には書面要件があるが、連帯債務の成立に書面は必須でない
  3. 3連帯債務者は各自が本来の債務者だが、連帯保証人は他人の債務を担保する
  4. 4連帯債務も連帯保証も、債権者は一人ずつ順番にしか請求できない
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正解:4. 連帯債務も連帯保証も、債権者は一人ずつ順番にしか請求できない

いずれの場合も債権者は複数人に対し同時にまたは順次に全額を請求でき、順番にしか請求できないわけではないため、4が誤りで正解となる。連帯債務には主従の区別がなく付従性がないのに対し、連帯保証は主債務を担保する従たる債務で付従性があるため1は正しい。保証契約は書面が効力要件である一方、連帯債務の成立に書面は必須でないので2も正しい。各自が本来の債務者か他人の債務を担保するかという3の対比も正しい。

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