A債務不履行
債務不履行とは、債務者が正当な理由なく債務の本旨に従った履行をしないことの総称である。履行が遅れる履行遅滞、履行が不可能になる履行不能、履行はされたが不完全な不完全履行に分かれる。債権者は損害賠償を請求でき(民法415条)、一定の要件のもとで契約を解除できる。
債務が本旨どおり果たされない状態の総称
履行遅滞・履行不能・不完全履行に分類
救済は損害賠償と契約解除
債務不履行と契約不適合責任は、いずれも契約がきちんと履行されない場合の責任だが、対象範囲が異なる。債務不履行は債務一般が果たされない場合の総称であり、契約不適合責任はその一場面、すなわち引き渡された目的物が契約内容に適合しない場合の売主の責任である。2020年施行の改正民法で旧「瑕疵担保責任」が契約不適合責任へ再構成された経緯も含め、3級頻出のテーマである。
| 観点 | 債務不履行 | 契約不適合責任 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 債務が果たされない場合の総称 | 債務不履行の一場面(目的物の不適合) |
| 問題となる場面 | 履行遅滞・履行不能・不完全履行など | 種類・品質・数量が契約に適合しない |
| 主な救済 | 損害賠償・契約解除 | 追完請求・代金減額・損害賠償・解除 |
| 旧法での呼称 | 債務不履行(変更なし) | 瑕疵担保責任(改正前) |
| 期間制限 | 一般の消滅時効による | 不適合を知った時から1年以内の通知が原則 |
債務不履行とは、債務者が正当な理由なく債務の本旨に従った履行をしないことの総称である。履行が遅れる履行遅滞、履行が不可能になる履行不能、履行はされたが不完全な不完全履行に分かれる。債権者は損害賠償を請求でき(民法415条)、一定の要件のもとで契約を解除できる。
債務が本旨どおり果たされない状態の総称
履行遅滞・履行不能・不完全履行に分類
救済は損害賠償と契約解除
契約不適合責任とは、売買などで引き渡された目的物が、種類・品質・数量に関して契約の内容に適合しない場合に売主が負う責任である(民法562条以下)。買主は追完請求(修補・代替物引渡し)、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除ができる。原則として不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要がある。
引き渡された物が契約内容に適合しない場合の責任
追完・代金減額・損害賠償・解除の四つの救済
改正前の瑕疵担保責任を再構成したもの
債務不履行は「果たされない」全般、契約不適合は「渡された物が契約に合っていない」一場面。契約不適合では追完請求・代金減額という独自の救済がある点が決め手。
Q1. 債務不履行と契約不適合責任の関係に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:2. 契約不適合責任は債務不履行の一場面と位置づけられる
契約不適合責任は、引き渡された目的物が契約内容に適合しないという形の不完全な履行であり、債務不履行責任の一場面として位置づけられる。両者を無関係とする選択肢1は誤り。債務不履行は履行遅滞や履行不能も含む広い概念で、品質不良に限られないため選択肢3は誤り。債務不履行では損害賠償が認められる(民法415条)ため、損害賠償の救済がないとする選択肢4も誤りである。包含関係を正確に押さえることが重要である。
Q2. 契約不適合責任における買主の救済手段として、適切でないものはどれか。
正解:4. 売主に対する刑事告訴
契約不適合責任における買主の救済は、追完請求、代金減額請求、損害賠償請求、契約解除の四つである(民法562条〜564条)。これらは民事上の救済であり、刑事告訴は契約不適合責任の救済手段ではないため選択肢4が誤り。修補や代替物引渡しを求める追完請求、不適合の程度に応じた代金減額請求、契約解除はいずれも正しい救済手段である。改正民法で追完・減額が明文化された点が3級の頻出ポイントである。
Q3. 契約不適合責任の期間制限に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:1. 不適合を知った時から原則1年以内に売主へ通知する必要がある
種類・品質の契約不適合については、買主が不適合を知った時から1年以内にその旨を売主へ通知しないと、原則として責任を追及できなくなる(民法566条)。したがって「期間制限は一切ない」とする選択肢3は誤り。10年経過が要件であるかのような選択肢2や、契約締結時起算で1か月とする選択肢4も誤りである。起算点が「不適合を知った時」であり、通知期間が「1年」である点を正確に覚えることが大切である。