A成年被後見人
成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、後見開始の審判を受けた者をいう(民法7条・8条)。保護者である成年後見人には財産に関する包括的な代理権が与えられる。成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、後見人が取り消すことができる。
判断能力を欠く常況にある人を保護
成年後見人が包括的な代理権を持つ
日常生活に関する行為以外は原則取り消せる
制限行為能力者のうち、精神上の障害により判断能力が不十分な成人を保護するのが成年後見・保佐・補助の制度である。中でも成年被後見人と被保佐人は、判断能力の程度と保護者の権限が大きく異なる。3級では、どこまでが本人単独でできるか、保護者にどんな権限があるか、どの行為が取り消せるかが問われやすいため、両者の線引きを明確にしておく必要がある。
| 観点 | 成年被後見人 | 被保佐人 |
|---|---|---|
| 判断能力 | 事理を弁識する能力を欠く常況 | 事理を弁識する能力が著しく不十分 |
| 保護者 | 成年後見人 | 保佐人 |
| 保護者の代理権 | 財産に関する法律行為に包括的な代理権 | 原則なし(審判で特定行為に付与可) |
| 同意権の範囲 | 同意があっても本人の行為は取り消せる | 重要な財産行為(民法13条1項列挙)に同意権 |
| 取り消せる行為 | 日用品の購入等を除き原則すべて | 保佐人の同意なくした重要な財産行為 |
成年被後見人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者で、後見開始の審判を受けた者をいう(民法7条・8条)。保護者である成年後見人には財産に関する包括的な代理権が与えられる。成年被後見人の法律行為は、日用品の購入など日常生活に関する行為を除き、後見人が取り消すことができる。
判断能力を欠く常況にある人を保護
成年後見人が包括的な代理権を持つ
日常生活に関する行為以外は原則取り消せる
被保佐人とは、精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分な者で、保佐開始の審判を受けた者をいう(民法11条・12条)。借財・保証・不動産の処分など民法13条1項に列挙された重要な財産行為には保佐人の同意が必要で、同意なくした場合は取り消せる。日常的な行為は本人が単独でできる。
判断能力が著しく不十分な人を保護
重要な財産行為に保佐人の同意権
代理権は当然にはなく、審判で特定行為に付与できる
能力を「欠く」のが成年被後見人、「著しく不十分」が被保佐人。後見人は包括代理権あり、保佐人は重要行為の同意権が中心。能力の程度と保護者の権限がワンランク違うと整理する。
Q1. 成年被後見人と被保佐人に関する記述として、最も適切なものはどれか。
正解:3. 成年後見人には包括的な代理権が与えられる
成年後見人には、本人の財産に関する法律行為について包括的な代理権が与えられる(民法859条)。一方、保佐人には当然には代理権がなく、家庭裁判所の審判によって特定の行為について代理権が付与されるにとどまるため選択肢4は誤り。判断能力を「欠く常況」が成年被後見人、「著しく不十分」が被保佐人であり、選択肢1と2は両者の説明が入れ替わっているため誤りである。能力の程度と保護者の権限の対応を正確に押さえたい。
Q2. 成年被後見人が単独でしても取り消すことができない行為はどれか。
正解:2. 日用品の購入など日常生活に関する行為
成年被後見人の法律行為は原則として取り消せるが、日用品の購入その他日常生活に関する行為については、本人の自己決定の尊重と取引の安全の観点から取り消すことができない(民法9条ただし書)。不動産売買、多額の借入れ、保証などはいずれも重要な財産行為であり、後見人が取り消せるため選択肢1・3・4は取消し可能であり誤り。日常生活に関する行為だけが例外である点を覚えておくとよい。
Q3. 被保佐人が保佐人の同意を得なければならない行為として、適切なものはどれか。
正解:2. 他人の保証人になること
被保佐人は、借財や保証、不動産その他重要な財産の処分など、民法13条1項に列挙された重要な財産行為について保佐人の同意を得なければならず、同意なくした場合は取り消せる。保証はこの列挙行為に含まれるため選択肢2が正しい。食料品や文房具の購入といった日常的な行為は本人が単独でできるため、選択肢1・4は同意不要であり、食事をする行為は法律行為ですらないため選択肢3も誤りである。