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工業簿記

標準原価計算と実際原価計算の違い

どちらも製品原価を計算しますが、何を基準にするかが違います。実際原価は「実際に発生した原価」をそのまま使い、標準原価は「あらかじめ設定した目標原価」で計算し、差異を分析します。

比較表で見る違い

観点標準原価計算実際原価計算
原価の基礎科学的・統計的に設定した標準(目標)実際の発生額
主な目的原価管理(差異分析でムダを発見)財務諸表用の原価集計
計算のスピード迅速(実績集計を待たない)実績集計後にしか確定できない
差異の処理差異を抽出し原因分析・原価差異勘定で処理差異という概念がない
財務諸表上の扱い正常な差異は売上原価へ加減算そのまま売上原価・棚卸資産へ

それぞれの詳しい解説

A標準原価計算

材料・労務・製造間接費について、製品1単位あたりの目標原価(標準原価)を設定し、実際発生額との差異を分析する方式。直接材料費差異・直接労務費差異・製造間接費差異に分け、原価管理に役立てます。

  • 差異は価格差異・数量差異等に細分

  • 正常差異は売上原価に加減算、異常差異は非原価項目

B実際原価計算

実際に発生した原価をそのまま製品に集計する方式。財務諸表作成上は基本となるが、原価が確定するまで時間がかかり、ムダの把握には不向きです。予定配賦による正常原価計算もこの一種です。

試験対策のポイント

「標準=目標原価で先に計算・差異分析が肝」「実際=実績ベース・差異という概念なし」。標準は原価管理、実際は記録が中心と覚える。

理解度チェック(3問)

Q1. 標準原価計算における直接材料費差異の主な内訳として正しい組合せはどれか。

  1. 1価格差異と数量差異
  2. 2能率差異と操業度差異
  3. 3予算差異と能率差異
  4. 4時間差異と賃率差異
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正解:1. 価格差異と数量差異

直接材料費差異は「価格差異(@実際−@標準)×実際数量」と「数量差異 @標準×(実際数量−標準数量)」に分解される。

Q2. 製品Aの標準原価@500円、当期完成品500個、実際発生額280,000円のとき、原価差異の金額と方向として正しいものはどれか。

  1. 130,000円の有利差異
  2. 230,000円の不利差異
  3. 320,000円の有利差異
  4. 420,000円の不利差異
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正解:2. 30,000円の不利差異

標準原価@500×500個=250,000円。実際280,000円が標準を上回るため、30,000円の不利差異。

Q3. 標準原価計算の主な目的として最も適切なものはどれか。

  1. 1実際原価の集計
  2. 2原価管理(コスト目標達成度の評価)
  3. 3税務申告
  4. 4配当政策の決定
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正解:2. 原価管理(コスト目標達成度の評価)

標準原価計算は標準と実績の差異を分析し原価管理を行うことが主目的。

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