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工業簿記

個別原価計算と総合原価計算の違い

製品原価を集計する2つの基本形態。受注ごとに違う製品を作るなら個別、同じ規格品を連続的に作るなら総合と覚えます。原価集計の単位(製造指図書 vs 期間)が大きな違いです。

比較表で見る違い

観点個別原価計算総合原価計算
生産形態受注生産・少量多品種見込生産・連続大量生産
原価集計単位製造指図書ごと一定期間ごと(月など)
計算方法指図書ごとに直課・配賦して個別に集計完成品と月末仕掛品に按分(先入先出法・平均法)
主な適用業種造船・建設・特注機械・印刷食品・化学・製紙・自動車・電器
仕掛品の計算未完成指図書がそのまま仕掛品加工進捗度に基づいて完成品換算

それぞれの詳しい解説

A個別原価計算

顧客の注文に応じて製品ごとに製造指図書を発行し、その指図書ごとに原価を集計する方式。仕掛品=未完成指図書の原価合計となり、完成品はそのまま製品勘定へ振替えます。

  • 指図書番号で材料費・労務費・経費を識別

  • 製造間接費は配賦(予定配賦が一般的)

B総合原価計算

同じ製品を連続的に大量生産する形態に適用する方式。一定期間に発生した原価を「完成品」と「月末仕掛品」に按分計算します。仕掛品の進捗度を考慮した完成品換算量を使う点が特徴です。

  • 先入先出法・平均法で按分

  • 材料費は始点投入が多く、加工費は進捗度按分

試験対策のポイント

「個別=指図書単位・受注生産」「総合=期間単位・大量生産」と覚える。仕掛品の評価方法(直接 vs 完成品換算量)も大きな違い。

理解度チェック(3問)

Q1. 次の業種のうち、個別原価計算が最も適している業種はどれか。

  1. 1清涼飲料水製造業
  2. 2製紙業
  3. 3造船業
  4. 4製粉業
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正解:3. 造船業

造船業は受注生産・少量多品種のため個別原価計算が適する。他は連続大量生産で総合原価計算向き。

Q2. 総合原価計算において、月末仕掛品の加工費を計算する際に必要なものとして最も適切なものはどれか。

  1. 1製造指図書番号
  2. 2加工進捗度(完成品換算量)
  3. 3受注時の見積書
  4. 4販売価格
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正解:2. 加工進捗度(完成品換算量)

加工費は進捗度に応じて発生するため、月末仕掛品×進捗度(完成品換算量)で按分する。

Q3. 個別原価計算で、製造指図書#101の原価が100万円、月末時点で未完成のとき、月末仕掛品の処理として正しいものはどれか。

  1. 1完成品換算量に基づき按分する
  2. 2原価100万円をそのまま仕掛品として計上する
  3. 3製品勘定に振り替える
  4. 4製造原価から除外する
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正解:2. 原価100万円をそのまま仕掛品として計上する

個別原価計算では、未完成指図書の原価がそのまま月末仕掛品となる。換算は不要。

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