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管理業法・総論

賃貸住宅管理業者と特定転貸事業者の違い

2021年6月に全面施行された賃貸住宅管理業法は、管理業者(受託管理)と特定転貸事業者(サブリース)の二本柱で規制します。両者は「業の本質」が異なり、登録対象・規制根拠・業務管理者選任義務の有無に違いがあります。

比較表で見る違い

観点賃貸住宅管理業者特定転貸事業者(サブリース業者)
業務内容オーナーから委託を受けて維持保全・金銭管理を行う物件をオーナーから一括で借り上げ、第三者に転貸する
登録対象管理戸数200戸以上の事業者は登録義務(200戸未満は任意)規模を問わず特定転貸事業(マスターリース)を行う者すべてが規制対象(登録は不要だが行為規制あり)
規制根拠賃貸住宅管理業法 第10条以下(登録・業務)同法 第28条以下(誇大広告等の禁止・重要事項説明)
業務管理者の選任事務所ごとに1名以上の選任義務(同法12条)選任義務なし(特定転貸事業者には不要)
契約相手オーナー(賃貸人)と管理受託契約を締結オーナー(特定賃貸借=マスターリース)と入居者(転貸借=サブリース)の二段階
報酬の性質管理委託料(委任報酬)転貸差益(賃料差額)
登録の更新5年ごとの更新が必要登録制度自体がない(行為規制のみ)

それぞれの詳しい解説

A賃貸住宅管理業者

オーナーから委託を受け、賃貸住宅の維持保全と金銭管理を業として行う者。賃貸住宅管理業法10条により管理戸数200戸以上で国土交通大臣の登録が義務付けられ、5年ごとに更新します。事務所ごとに業務管理者を1名以上選任しなければなりません。

  • 登録は国土交通大臣(全国一本)

  • 5年ごとの更新制

  • 事務所ごとに業務管理者の選任義務

  • 管理受託契約の重要事項説明・契約締結時書面交付が義務

B特定転貸事業者(サブリース業者)

物件をオーナーから一括借上げし、第三者に転貸する事業(特定転貸事業=マスターリース)を営む者。2020年12月施行のサブリース新法(管理業法28条以下)により、規模を問わず誇大広告等の禁止・不当な勧誘の禁止・重要事項説明・契約締結時書面交付の規制対象となります。

  • 登録制度はない(行為規制のみ)

  • 規模に関わらず全事業者が対象

  • 誇大広告等の禁止(28条)

  • 不当な勧誘等の禁止(29条)

  • 重要事項説明(30条)・契約締結時書面(31条)

試験対策のポイント

「管理業者=管理業務を委託される、特定転貸事業者=物件を借り上げて転貸する」と業の本質で覚える。登録義務は管理業者のみ(200戸基準)、サブリース新法は規模問わず全業者が対象。

理解度チェック(3問)

Q1. 賃貸住宅管理業者と特定転貸事業者に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1管理業者は規模を問わず登録義務があるが、特定転貸事業者には登録義務がない。
  2. 2管理業者は管理戸数200戸以上で登録義務があり、特定転貸事業者には登録制度自体がない。
  3. 3両者ともに事務所ごとに業務管理者を選任しなければならない。
  4. 4特定転貸事業者には誇大広告等の禁止規定は適用されない。
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正解:2. 管理業者は管理戸数200戸以上で登録義務があり、特定転貸事業者には登録制度自体がない。

賃貸住宅管理業者は管理戸数200戸以上で登録義務(管理業法10条)。特定転貸事業者には登録制度はなく、規模を問わず行為規制(28条以下)が適用される。業務管理者の選任義務は管理業者のみで、誇大広告禁止は特定転貸事業者に適用される。

Q2. 賃貸住宅管理業者の登録の有効期間として正しいものはどれか。

  1. 13年
  2. 25年
  3. 37年
  4. 410年
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正解:2. 5年

賃貸住宅管理業者の登録の有効期間は5年で、更新を受けなければ期間満了により失効する(管理業法3条)。更新申請は満了日の90日前から30日前までに行う。

Q3. 特定転貸事業者に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 1オーナーから物件を一括借り上げして第三者に転貸する事業者をいう。
  2. 2管理戸数200戸以上の場合に限り規制対象となる。
  3. 3誇大広告等の禁止や重要事項説明が義務付けられている。
  4. 4報酬の性質は転貸差益(賃料差額)である。
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正解:2. 管理戸数200戸以上の場合に限り規制対象となる。

特定転貸事業者(サブリース業者)は2020年12月施行のサブリース新法(管理業法28条以下)により、規模・戸数に関わらずすべて規制対象となる。200戸基準は管理業者の登録義務に関するもので、特定転貸事業者には適用されない。

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