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管理業法・総論

自主管理・受託管理・サブリースの違い

賃貸住宅の管理は大きく自主管理・受託管理・サブリースの3形態に分かれます。「誰が主体か」「賃貸借契約の当事者は誰か」「賃貸住宅管理業法の登録対象か」という観点で整理すると、関連条文の理解が一気に進みます。

比較表で見る違い

観点自主管理受託管理サブリース(一括借上げ)
主体オーナー本人管理会社(管理業者)サブリース業者(特定転貸事業者)
賃貸借契約の当事者オーナー ⇄ 入居者オーナー ⇄ 入居者(管理会社は契約当事者ではない)オーナー ⇄ サブリース業者(マスターリース)/サブリース業者 ⇄ 転借人(サブリース)
賃貸住宅管理業法上の登録不要(管理業者ではない)管理戸数200戸以上で登録義務登録制度なし(28条以下の行為規制のみ)
業務範囲入居者募集・契約・賃料回収・修繕・退去対応すべて自分で委託契約の範囲内で維持保全・金銭管理を実施転貸人として全業務を実施(オーナーには定額賃料を支払う)
メリット管理コストを抑えられる専門業者に委託でき所有者の負担が軽い空室リスクをサブリース業者に転嫁できる
デメリットオーナーの労力・専門性が必要管理委託料が発生する賃料減額請求のリスク(借地借家法32条)

それぞれの詳しい解説

A自主管理

オーナー自身が入居者募集・契約・賃料回収・修繕・退去対応をすべて行う形態。管理会社を介さないため管理委託料は発生しませんが、専門知識と労力が必要です。賃貸住宅管理業法上の管理業者には該当せず登録義務もありません。

  • オーナーが直接入居者と賃貸借契約

  • 管理業法の登録不要

  • 管理コスト最小だが手間が大きい

B受託管理

オーナーが管理会社に管理業務を委託する形態。管理会社は委託契約(管理受託契約)に基づき維持保全・金銭管理を行いますが、賃貸借契約の当事者はあくまでオーナーと入居者です。管理戸数200戸以上の事業者は管理業法10条により登録義務があります。

  • 管理受託契約は委任契約の性質

  • オーナーが賃貸借契約の当事者

  • 管理業者は事務所ごとに業務管理者を選任

  • 重要事項説明・契約締結時書面交付が義務(13・14条)

Cサブリース(一括借上げ)

サブリース業者がオーナーから一括借上げ(マスターリース=特定賃貸借契約)し、第三者に転貸する形態。オーナーから見ると業者が借主、入居者から見ると業者が貸主となります。2020年12月施行のサブリース新法(管理業法28条以下)が適用され、誇大広告禁止・重要事項説明等が義務化されています。

  • マスターリース(特定賃貸借契約)+サブリース(転貸借契約)の二段構造

  • サブリース業者は規模問わず28条以下の規制対象

  • 空室リスクを業者が負担するが賃料減額請求のリスクあり

  • いわゆる「家賃保証」型が多い

試験対策のポイント

「自主管理は自分で、受託管理は委託、サブリースは業者が借り主」と契約上の地位で整理。受託管理は委任契約、サブリースは賃貸借契約という法的性質の違いも併せて押さえる。

理解度チェック(3問)

Q1. 自主管理・受託管理・サブリース(一括借上げ)の違いに関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1受託管理では、管理会社が賃貸借契約の当事者となる。
  2. 2サブリースでは、オーナーと入居者の間に直接の賃貸借契約が成立する。
  3. 3サブリースでは、サブリース業者が賃貸人としてオーナーから物件を借り上げる。
  4. 4自主管理は賃貸住宅管理業法の登録対象である。
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正解:3. サブリースでは、サブリース業者が賃貸人としてオーナーから物件を借り上げる。

サブリースではサブリース業者がオーナーから物件を借り上げ(マスターリース)、第三者に転貸(サブリース)する。受託管理では管理会社は賃貸借契約の当事者ではなくオーナーが当事者。サブリースではオーナーと入居者間に直接の契約はなく、自主管理は管理業法の登録対象外。

Q2. 賃貸住宅管理業法上の登録に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1自主管理を行うオーナーも管理戸数200戸以上で登録義務がある。
  2. 2受託管理を業として行う管理業者は、管理戸数200戸以上で登録義務がある。
  3. 3サブリース業者は管理戸数200戸以上で登録義務がある。
  4. 4自主管理・受託管理・サブリースのいずれも登録不要である。
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正解:2. 受託管理を業として行う管理業者は、管理戸数200戸以上で登録義務がある。

受託管理を業として行う賃貸住宅管理業者は、管理戸数200戸以上で国土交通大臣への登録義務がある(管理業法3条・10条)。自主管理は管理業に該当せず登録不要。サブリース業者には登録制度自体がなく、規模問わず28条以下の行為規制のみが適用される。

Q3. サブリース方式の特徴に関する記述として、誤っているものはどれか。

  1. 1サブリース業者はオーナーとマスターリース(特定賃貸借)契約を締結する。
  2. 2サブリース業者は転借人(入居者)と転貸借(サブリース)契約を締結する。
  3. 3サブリース業者には借地借家法32条の賃料減額請求権が認められない。
  4. 4サブリース業者は2020年12月施行のサブリース新法(管理業法28条以下)の規制対象となる。
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正解:3. サブリース業者には借地借家法32条の賃料減額請求権が認められない。

サブリース業者は賃借人の地位にあり、借地借家法32条の賃料減額請求権が認められる(最判平成15年10月21日)。これがサブリース紛争の典型的な原因となっている。マスターリース+サブリースの二段構造、サブリース新法の適用はいずれも正しい。

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