
令和8年度 第一種電気工事士 下期学科試験 講評——計算の数問で明暗、「途中退出なら問題用紙を回収」の初回
10月4日の第一種電気工事士 学科試験(筆記)は「目新しい問題は少ない」という声の一方、前半の計算で明暗が分かれました。分野別の傾向と公式解答、SNSの反響、合格発表と技能試験の日程をまとめた速報講評です。
2026年10月4日(日)、令和8年度下期の第一種電気工事士 学科試験(筆記方式)が全国で行われました。試験時間は10時から12時20分までの2時間20分、四肢択一のマークシート方式です。受験された皆さん、本当にお疲れさまでした。
電気技術者試験センターは当日のうちに試験問題と解答を公表し、SNSには夕方から自己採点の報告が並びました。全体としては「特に目新しい問題はなかった」という受け止めが多く、90点前後で合格圏という報告が目立ちます。一方で、前半の計算問題を落として60点前後のボーダーにとどまった人もいて、明暗を分けたのは計算の数問でした。
この記事は、試験センターが公表した問題・解答と、当日夜(10月4日21時ごろ)までに確認できた受験者の声にもとづく速報です。合否は11月2日(月)12時の合格発表で確定します。なお、CBT方式の学科試験は10月18日まで続いていて、出題は筆記方式と異なります。
総評——出題の型は例年どおり、明暗を分けたのは前半の計算
出題は、一般問題40問(問1〜40)と配線図10問(問41〜50)の計50問、1問2点の100点満点です。並び方も例年どおりで、問1〜10が計算、問11〜29が電気機器・発送電・材料・施工、問30〜34が高圧受電設備の施工、問35〜40が検査・安全・法令、問41〜50が2題の配線図でした。
受験者の感想は二つに分かれます。「目新しい問題はなかった」「難しかったが意外に合っていた」と振り返る人がいる一方、「上期(CBT方式)より難しかった」「山が外れた」という声もあります。自己採点の報告を見る限り、計算以外の知識問題で着実に得点できた人は合格圏に入り、計算でまとめて落とした人はボーダー付近に残ったという構図です。
今回だけの事情——途中退出すると問題用紙が回収された初めての試験
今回の試験から、試験時間中に途中退出した受験者は、答案用紙に加えて試験問題用紙も回収されるようになりました。電気技術者試験センターが2026年7月に告知したもので、スマートグラスやワイヤレスイヤホンなど小型の電子機器を使った不正や、AIの利用、組織的な不正の可能性が増えていることを理由に挙げています。試験終了まで在席した受験者は、当面これまでどおり問題用紙を持ち帰れます。
SNSでは、途中退出したため問題用紙が手元に残らず、自己採点ができないという投稿も見られました。公表された問題を見ながら自分の解答を思い出すしかなく、記憶があいまいな問題は判断がつきません。同じ扱いは、10月25日の第二種電気工事士 下期学科試験(筆記方式)や、11月15日の電験(第一種・第二種)二次試験にも適用されます。これから受験する人は、自己採点をしたいなら最後まで在席するのが確実です。
一般問題(問1〜40)の講評——計算は配電と短絡で差、知識問題は定番中心
計算問題(問1〜10)は、コンデンサの静電エネルギー、直流・交流回路、三相交流の線電流、単相3線式配電線路(問6・7)、三相配電系統の百分率インピーダンス(問8)、高圧進相コンデンサ(問9)、インバータで運転する誘導電動機の周波数(問10)と、第一種の定番テーマが並びました。SNSでは「問6〜8を続けて落とした」「電力損失と百分率インピーダンスが課題」という振り返りや、「計算以外は8〜9割取れた」という声がありました。配電線路と短絡計算のあたりが、差のつきやすいところだったようです。反対に「計算問題を全問正解できた」という報告もあり、ここで得点できたかどうかが余裕の差になっています。
問11〜21は、変圧器の損失、電球形LEDランプの寿命、鉛蓄電池の電解液、ディーゼル発電、水力発電所の水の流れ、架空送電線のスリートジャンプ対策、電力貯蔵用の二次電池、避雷器、キュービクルの主遮断装置など、機器と発電・送電・受電設備の知識問題です。写真を見て機器や材料を答える問題も、照明器具の表示、モールド変圧器、機器の用途、品物の組合せ、材料の名称と5問ほど出ています。過去問で見慣れたテーマが中心で、ここを確実に取れたかどうかが合格圏の土台になりました。
問26〜34は工具と施工です。ケーブル工事、合成樹脂管工事、可燃性ガスがある場所の配線といった低圧の施工に加え、問30〜34では高圧受電設備の施工図をもとに、地中線用の地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器、地中ケーブルの屋内への引込み、キュービクル内の接地、ケーブルラック、低圧配電盤と幹線が問われました。幹線に関する問34で迷ったという声もあります。
問35〜40は検査・安全・法令で、接地抵抗計の使い方、地絡方向継電器の試験、絶縁用保護具の定期自主検査、電気工事士法で第一種電気工事士が従事できる作業、電気保安に関する法律、電気設備の技術基準が出題されました。法令は毎回出る論点が中心で、得点源にしたい分野です。
配線図(問41〜50)の講評——制御回路と高圧受電設備の2題
配線図は2題で、1題目(問41〜45)が電動機の制御回路、2題目(問46〜50)が高圧受電設備の単線結線図です。制御回路では、結線図、図記号、インタロック回路の接点、接点が開く条件、表示灯の用途と、回路の動きを追えるかが問われました。結線図を選ぶ問41では、別の結線と取り違えたという振り返りもあります。
高圧受電設備の単線結線図では、地絡継電装置付き高圧交流負荷開閉器の役割、機器の組合せ、二次側の接地工事、機器の台数、接地線の太さが問われました。毎回の出題パターンに近く、図記号と機器の役割を対応づけて覚えていれば取りやすい問題が中心です。
公式の解答(電気技術者試験センター公表)
試験センターが公表した解答は次のとおりです。自己採点の際は、マークのずれにも注意してください。
| 問 | 解答 |
|---|---|
| 問1〜5 | 1ハ 2ロ 3イ 4ハ 5ハ |
| 問6〜10 | 6ロ 7ハ 8ハ 9ロ 10ニ |
| 問11〜15 | 11ニ 12ニ 13ニ 14イ 15ニ |
| 問16〜20 | 16ロ 17ハ 18ロ 19イ 20イ |
| 問21〜25 | 21ロ 22ニ 23ハ 24イ 25ロ |
| 問26〜30 | 26ハ 27イ 28ハ 29ニ 30ロ |
| 問31〜35 | 31イ 32イ 33ハ 34ニ 35ハ |
| 問36〜40 | 36ハ 37ロ 38ハ 39ハ 40ハ |
| 問41〜45 | 41ロ 42ニ 43ハ 44イ 45ロ |
| 問46〜50 | 46ハ 47ニ 48ニ 49ニ 50ロ |
SNSでの評判——ポジティブ50%・ネガティブ50%、合格圏の報告と技能対策への切り替え
Yahoo!リアルタイム検索で「第一種電気工事士」を見ると、10月4日21時07分時点の感情の割合はポジティブ50%、ネガティブ50%でした。9月27日のQC検定2級(ネガティブ83%)のような「荒れた回」の反応ではなく、合格圏の報告とボーダー付近の不安が拮抗しています。
- 「自己採点で合格圏」:88点、90点、94点といった報告が多く、「計算問題を全問正解できた」という声もありました。
- 「ボーダー付近」:自己採点で60点台にとどまり、マークのずれを心配する声や、あと数点足りないかもしれないという投稿もあります。
- 「計算で落とした」:単相3線式や百分率インピーダンスなど、前半の計算でまとめて失点したという振り返りが見られました。
- 「問題用紙が回収された」:途中退出したため自己採点できないという投稿がありました。
- 「次は技能試験」:学科の手応えを得て、さっそく練習用キットや工具の準備に移る人が目立ちます。
職業訓練校で学ぶ人や、電験三種と並行して学ぶ人の投稿も見られました。第一種電気工事士は、ビルや工場の電気設備に携わる入口となる資格で、学科の合格から技能試験までを一続きで準備する人が多い試験です。
合格ラインと過去の合格率
学科試験の合格基準点は60点で、50問中30問の正解に当たります。技能試験の合格基準は「作品に欠陥がないこと」です。
| 区分 | 受験者 | 合格率 |
|---|---|---|
| 令和7年度下期 学科 | 22,630人 | 57.9% |
| 令和8年度上期 学科 | 14,507人 | 57.3% |
| 令和7年度下期 技能 | 16,527人 | 60.3% |
| 令和8年度上期 技能 | 12,514人 | 56.1% |
学科の合格率は直近でおおむね6割弱です。合格基準点は60点と決まっているので、自己採点で60点を超えていて、マークのずれがなければ合格の見込みは高いと考えてよいでしょう。残る関門は技能試験で、こちらも合格率は6割前後です。欠陥の判断基準に沿って、時間内に完成させる練習を重ねる必要があります。
今後のスケジュールと、いま動くべきこと
| 日程 | 内容 |
|---|---|
| 10月18日(日) | CBT方式の学科試験の受験期間が終了 |
| 10月19日(月)12:00 | 筆記方式の合否をマイページに掲載(合否のみ) |
| 11月2日(月)12:00 | 学科試験の合格発表(試験センターのホームページ) |
| 11月6日(金) | 試験結果通知書・技能試験受験票の発送 |
| 11月21日(土) | 技能試験(11:30〜12:30) |
| 12月11日(金)12:00 | 技能試験の合格発表 |
学科の手応えがあった人は、今日から技能試験の準備に切り替えましょう。技能試験は11月21日(土)で、試験時間は60分です。試験センターが公表している候補問題を早めに一巡し、時間内に欠陥なく完成させる練習を重ねることが合格への近道です。
惜しくも届かなかった場合も、第一種の学科は上期と下期の年2回受験できます(令和8年度の上期はCBT方式のみ)。今回つまずいた計算や配電の分野を中心に、次の機会に向けて立て直してください。
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スキマ資格では、第一種電気工事士の学科試験対策を無料で公開しています。本番形式の予想問題(50問×5セット)で2時間20分の時間配分を練習できるほか、一問一答(420問)で高圧受電設備や自家用電気工作物の論点を体系的に復習できます。
計算や数値が不安な方は、接地工事・高圧受電機器・三相交流などを穴埋めで押さえる表まとめ問題や、絶縁抵抗値・接地抵抗値・離隔距離などの重要数値100枚をそろえた数字暗記カードが役立ちます。10月25日に第二種電気工事士の下期学科試験(筆記方式)を受ける方は、第二種のページもあわせてご覧ください。
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よくある質問
Q.令和8年度下期の第一種電気工事士 学科試験は難しかったですか?
A.出題の型は例年どおりで、SNSでは「目新しい問題はなかった」という声や、自己採点で90点前後の合格圏という報告が多く見られました。一方で、単相3線式や百分率インピーダンスなど前半の計算問題で失点し、60点前後にとどまったという報告もあります。Yahoo!リアルタイム検索の感情分析はポジティブ50%・ネガティブ50%でした(10月4日21時07分時点)。
Q.解答はどこで確認できますか?
A.電気技術者試験センターのホームページで、試験問題と解答が当日のうちに公表されています。この記事にも公式の解答を掲載しています。CBT方式の受験者は出題が異なり、試験を終了するとその場で正答数が表示されます。
Q.合格ラインは何点ですか?
A.学科試験の合格基準点は60点(50問中30問の正解)です。直近の学科の合格率は、令和7年度下期が57.9%、令和8年度上期(CBT方式のみ)が57.3%でした。
Q.合格発表と技能試験はいつですか?
A.筆記方式の合否は10月19日(月)12時からマイページで確認でき、試験センターのホームページでの合格発表は11月2日(月)12時です。技能試験は11月21日(土)に行われ、合格発表は12月11日(金)12時の予定です。
参考文献
- 電気技術者試験センター「令和8年度 第一種電気工事士試験(国家試験)下期試験受験案内」(筆記方式の試験日時、学科試験の合格基準点60点、試験問題と解答の公表、試験結果の発表日程)。
- 電気技術者試験センター「令和8年度第一種電気工事士下期学科試験」の問題・解答(2026年10月4日実施分)。
- 電気技術者試験センター「途中退出する場合の試験問題用紙回収について(お知らせ)」(2026年7月1日)。
- 電気技術者試験センター 第一種電気工事士試験の試験結果(令和7年度下期・令和8年度上期の学科試験・技能試験)。
- X(旧Twitter)上の受験者の感想・自己採点報告、およびYahoo!リアルタイム検索の感情分析(2026年10月4日21時07分時点)。速報のため、合否は11月2日の合格発表で確定する。


