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労働生理

基礎代謝量とエネルギー代謝率(RMR)の違い

労働生理では、生命維持に必要な最小のエネルギーを表す「基礎代謝量」と、作業の強度を表す「エネルギー代謝率(RMR)」が混同されやすい用語です。それぞれ何を測る指標なのかを整理して覚えましょう。

比較表で見る違い

観点基礎代謝量エネルギー代謝率(RMR)
意味・定義生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量作業に要したエネルギーが基礎代謝量の何倍かを表す作業強度の指標
測定・求め方覚醒・安静・空腹時に仰臥位(あおむけ)で測定(作業時の総消費エネルギー−安静時消費エネルギー)÷基礎代謝量で算出
表し方・単位エネルギー量(kcal など)倍数(比・単位なし)
主な用途生命維持に必要なエネルギー量の把握作業の強度(きつさ)の評価
性・年齢・体格の影響体表面積に比例し、性・年齢で変わる性・年齢・体格差の影響が少ない
基準との関係それ自体が基準となる代謝量基礎代謝量を基準(分母)にして計算する

それぞれの詳しい解説

A基礎代謝量

覚醒・安静・空腹の状態で、生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量です。実際には早朝空腹時に仰向け(仰臥位)で静かに横たわった状態で測定します。年齢・性別・体表面積によって変動し、同性・同年齢ではほぼ体表面積に比例します。生命活動を維持するためのエネルギーなので、全身が最も緩む睡眠中よりも高い値になります。

  • 生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量

  • 覚醒・安静・空腹時に仰臥位で測定する

  • 同性・同年齢ではほぼ体表面積に比例する

  • 睡眠中の代謝より高い

Bエネルギー代謝率(RMR)

ある作業に要したエネルギー量が、基礎代謝量の何倍にあたるかで表した作業強度の指標です。「(作業時の総消費エネルギー−その時間の安静時消費エネルギー)÷基礎代謝量」で求めます。基礎代謝量を基準にしているため、性別・年齢・体格の差による影響が少なく、作業のきつさ(強度)を比較するのに適しています。

  • 作業に要したエネルギーが基礎代謝の何倍かを示す

  • (作業時−安静時)の消費エネルギー÷基礎代謝量で計算

  • 作業強度の指標として使う

  • 性・年齢・体格差の影響が少ない

試験対策のポイント

「基礎代謝量=生命維持の最小エネルギー(量)」「RMR=作業のきつさを基礎代謝の倍数で表した比」。RMRは体格差の影響が少なく作業強度の比較に向く。

理解度チェック(2問)

Q1. 基礎代謝量に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1作業中に消費されるエネルギー量のことである
  2. 2睡眠中に測定した最小のエネルギー代謝量である
  3. 3覚醒・安静・空腹の状態で生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量である
  4. 4同性・同年齢では体重に正確に比例する
解答・解説を見る

正解:3. 覚醒・安静・空腹の状態で生命維持に必要な最小限のエネルギー代謝量である

基礎代謝量は覚醒・安静・空腹時の生命維持に必要な最小のエネルギー代謝量で、仰臥位で測定する。睡眠中より高い。同性・同年齢ではほぼ体表面積に比例し、体重そのものに比例するわけではない。

Q2. エネルギー代謝率(RMR)に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1作業の強度を表す指標で、性・年齢・体格差の影響が少ない
  2. 2生命維持に必要な最小限のエネルギー量そのものを表す
  3. 3値が大きいほど作業が楽であることを示す
  4. 4安静時のエネルギー代謝量を体表面積で割った値である
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正解:1. 作業の強度を表す指標で、性・年齢・体格差の影響が少ない

RMRは作業に要したエネルギーが基礎代謝量の何倍かを示す作業強度の指標で、基礎代謝を基準とするため性・年齢・体格差の影響が少ない。値が大きいほど作業は激しく、生命維持の最小エネルギーそのものを表すのは基礎代謝量である。

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