違いシリーズ一覧に戻る
マナー・接遇

二重敬語と正しい敬語の違い

丁寧に話そうとして敬語を重ねすぎると、かえって誤りになる。これが二重敬語である。秘書検定2級では「お見えになられる」「拝見させていただく」のような過剰敬語を見抜き、適度な正しい敬語に直せるかが問われる。一語の動作に尊敬(または謙譲)は一回が原則と覚えておくと判別しやすい。

比較表で見る違い

観点二重敬語正しい敬語
敬語の重なり同じ種類の敬語を二重に重ねる一つの動作に敬語は一回だけ
印象過剰でくどく、誤りとされる簡潔で品よく相手に伝わる
「言う」尊敬おっしゃられる(×)おっしゃる(○)
「見る」謙譲拝見させていただく(過剰)拝見する(○)
「来る」尊敬お見えになられる(×)お見えになる/いらっしゃる(○)

それぞれの詳しい解説

A二重敬語

一つの動作に対し、同じ種類の敬語を二つ重ねてしまう誤りである。「おっしゃる(尊敬)」にさらに尊敬の「れる」を足した「おっしゃられる」、「拝見する(謙譲)」に「させていただく」を重ねた「拝見させていただく」などが典型例。本人は丁寧にしているつもりでも、敬意が過剰でくどくなり、かえって品位を損なう。ただし「お読みになっていらっしゃる」のように別語をつなぐ敬語連結は二重敬語に当たらず許容される。

  • 同種の敬語を二つ重ねた誤り

  • おっしゃられる・お見えになられる等

  • 丁寧にしようとして過剰になる

B正しい敬語

一つの動作に尊敬語または謙譲語を一回だけ用い、丁寧語(です・ます)と組み合わせて整えた敬語である。「おっしゃる」「お見えになる」「拝見する」のように簡潔で、敬意の向きも明確になる。過不足のない敬語はくどさがなく、相手にも内容がすっきり伝わる。迷ったら敬語を盛るのではなく、一動作に一つの尊敬(謙譲)+文末の丁寧語、という基本形に立ち返って組み立てるとよい。

  • 一動作に尊敬/謙譲は一回

  • 文末は丁寧語で整える

  • 簡潔で敬意が明確に伝わる

試験対策のポイント

一つの動作に同種の敬語は一回だけ。「おっしゃられる」「拝見させていただく」は二重敬語の誤り。「おっしゃる」「拝見する」のように簡潔に整えるのが正しい敬語。

理解度チェック(3問)

Q1. 次のうち二重敬語にあたる不適当な表現はどれか。

  1. 1おっしゃる
  2. 2お見えになられる
  3. 3いらっしゃる
  4. 4ご覧になる
解答・解説を見る

正解:2. お見えになられる

「お見えになられる」は、すでに尊敬語である「お見えになる」にさらに尊敬の助動詞「れる」を重ねた二重敬語で不適当である。正しくは「お見えになる」「いらっしゃる」「お越しになる」とする。「おっしゃる」「いらっしゃる」「ご覧になる」はいずれも一語で尊敬を表す適切な敬語であり、重複はない。一つの動作に尊敬は一回だけ、と覚えておけば過剰な言い回しを避けられる。

Q2. 上司の「言う」を表す尊敬表現として最も適当なものはどれか。

  1. 1おっしゃられる
  2. 2おっしゃる
  3. 3申される
  4. 4言われられる
解答・解説を見る

正解:2. おっしゃる

上司の「言う」は尊敬語「おっしゃる」が最も適当である。「おっしゃられる」は尊敬の「おっしゃる」に「れる」を重ねた二重敬語、「申される」は謙譲語「申す」に尊敬の助動詞を付けた敬語の取り違え、「言われられる」は二重に助動詞を重ねた誤りで、いずれも不適当である。敬意は重ねるほど丁寧になるわけではなく、一動作に一つに絞るのが正しい敬語の基本である。

Q3. 資料を「見せてもらう」を自分側の動作として表すとき、過剰でない適当な表現はどれか。

  1. 1拝見させていただきます
  2. 2拝見いたします
  3. 3ご覧になります
  4. 4拝見されます
解答・解説を見る

正解:2. 拝見いたします

自分が見ることをへりくだって言うなら「拝見いたします」が適当である。「拝見させていただきます」は謙譲語「拝見する」に「させていただく」を重ねた過剰敬語とされやすく、簡潔さに欠ける。「ご覧になります」は相手の動作に使う尊敬語で自分には使えず、「拝見されます」は謙譲語に尊敬の助動詞を付けた誤りである。謙譲も一回でよい、と整理すると過剰敬語を避けられる。

同じ分野の「違い」記事

秘書検定2級 一問一答で演習する