違いシリーズ一覧に戻る
区分所有法等

敷地利用権と専用使用権の違い

どちらも「土地・共用部分にかかわる権利」ですが、敷地利用権は専有部分を所有するために敷地を利用する基礎的な権利、専用使用権は共用部分等の一部を自分だけ使える権利で、レベルがまったく異なります。専有部分と分離処分できるかどうかが大きな分岐点です。

比較表で見る違い

観点敷地利用権専用使用権
権利の対象建物の敷地(土地)を専有部分のために利用する権利バルコニー・専用庭・駐車場など共用部分等の一部
権利の実体所有権の共有持分・地上権・賃借権など排他的に使用できる債権的・規約上の権利
専有部分との関係専有部分を所有するために必須の権利専有部分の所有に必須ではない付加的な権利
分離処分原則として専有部分と分離処分できない(区分所有法22条)規約・細則により設定され、対象は共用部分のため単独所有・処分の対象でない
根拠区分所有法2条6項・22条規約・使用細則(標準管理規約等)

それぞれの詳しい解説

A敷地利用権

敷地利用権とは、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利をいいます(区分所有法2条6項)。その実体は敷地の所有権の共有持分であることが多く、地上権や賃借権の場合もあります。区分所有法22条は、原則として専有部分とその敷地利用権を分離して処分することを禁止しており、建物と土地利用権の一体性を保っています。専有部分の所有に不可欠な基礎的権利です。

  • 専有部分を所有するための敷地に関する権利(区分所有法2条6項)

  • 所有権の共有持分のほか地上権・賃借権などもある

  • 原則として専有部分と分離して処分できない(22条)

  • 専有部分の所有に不可欠な基礎的権利

B専用使用権

専用使用権とは、敷地や共用部分等の一部について特定の区分所有者が排他的に使用できる権利です。バルコニー・専用庭・専用駐車場などが対象で、規約や使用細則に基づいて設定されます。敷地利用権のように専有部分の所有に不可欠なものではなく、あくまで付加的な使用権で、対象は共用部分等であるため単独所有や処分の対象にはなりません。

  • 共用部分等の一部を排他的に使用できる権利

  • バルコニー・専用庭・専用駐車場などが対象

  • 規約・使用細則に基づき設定される付加的権利

  • 対象は共用部分等で、所有・処分の対象ではない

試験対策のポイント

敷地利用権は「専有部分を所有するための土地の権利(分離処分禁止・区分所有法22条)」、専用使用権は「共用部分の一部を自分だけ使う付加的権利」。専有部分所有に不可欠か否かで区別する。

理解度チェック(3問)

Q1. 敷地利用権と専用使用権に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 1敷地利用権は、バルコニーや専用庭を排他的に使用できる権利である
  2. 2敷地利用権は、専有部分を所有するための敷地に関する権利であり、原則として専有部分と分離処分できない
  3. 3専用使用権は、専有部分を所有するために必ず備えなければならない権利である
  4. 4敷地利用権も専用使用権も、いずれも所有権の共有持分に限られる
解答・解説を見る

正解:2. 敷地利用権は、専有部分を所有するための敷地に関する権利であり、原則として専有部分と分離処分できない

敷地利用権は、専有部分を所有するための建物の敷地に関する権利であり(区分所有法2条6項)、原則として専有部分と分離して処分することができません(22条)。バルコニーや専用庭を排他的に使えるのは専用使用権の方であり、専用使用権は専有部分の所有に必須の権利ではありません。敷地利用権の実体は所有権の共有持分のほか地上権・賃借権もあり、専用使用権は所有権の共有持分ではないため、両者を所有権の共有持分に限るとする記述も誤りです。

Q2. 専用使用権に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  1. 1専用使用権は、区分所有法22条により専有部分と分離処分が禁止されている
  2. 2専用使用権は、バルコニーや専用駐車場などを排他的に使用できる付加的な権利である
  3. 3専用使用権がなければ、そもそも専有部分を所有することができない
  4. 4専用使用権の対象は、すべて各区分所有者が単独所有する専有部分である
解答・解説を見る

正解:2. 専用使用権は、バルコニーや専用駐車場などを排他的に使用できる付加的な権利である

専用使用権は、バルコニー・専用庭・専用駐車場など共用部分等の一部を特定の区分所有者が排他的に使用できる付加的な権利です。分離処分が禁止されるのは敷地利用権であり(区分所有法22条)、専用使用権がなくても専有部分の所有は可能です。専用使用権の対象は共用部分等であることが多く、各区分所有者が単独所有する専有部分そのものではありません。

Q3. 区分所有法22条の分離処分の禁止に関する記述として正しいものはどれか。

  1. 1専有部分と専用使用権は、原則として分離して処分できない
  2. 2専有部分と敷地利用権は、規約に別段の定めがある場合を除き、原則として分離して処分できない
  3. 3敷地利用権は、いかなる場合も専有部分と自由に分離処分できる
  4. 4分離処分の禁止は専有部分にのみ適用され、敷地利用権の処分は常に自由である
解答・解説を見る

正解:2. 専有部分と敷地利用権は、規約に別段の定めがある場合を除き、原則として分離して処分できない

区分所有法22条は、敷地利用権が数人で有する所有権その他の権利である場合、規約に別段の定めがある場合を除き、専有部分とその専有部分に係る敷地利用権を分離して処分することができないと定めています。分離処分が問題となるのは敷地利用権であって専用使用権ではありません。規約で別段の定めをすれば分離処分も可能になり得ますが、原則は一体処分であるため、常に自由に分離処分できるとする記述は誤りです。

同じ分野の「違い」記事

管理業務主任者 一問一答で演習する