違いシリーズ一覧に戻る
実践分野

方針管理と日常管理の違い

方針管理は、経営方針や年度方針を達成するため、重点課題を選んで各部門へ展開し、PDCAを回して改善を進める活動です。日常管理は、それぞれの部門が担当業務の目的を安定して果たすため、標準を守り異常に対処する、SDCA中心の維持の活動です。重点をトップダウンで改善するのが方針管理、決められた仕事を日々確実に回すのが日常管理、という役割の違いがあります。

比較表で見る違い

観点方針管理日常管理
主な目的経営方針・重点課題の達成担当業務を安定して果たす
中心のサイクルPDCA(改善)SDCA(維持)
進め方の方向トップダウンの目標展開部門ごとの日々の管理
扱う対象重点指向で選んだ課題決められた標準業務全般
主な管理項目方針の達成度をみる項目業務の維持状態をみる項目

それぞれの詳しい解説

A方針管理

方針管理は、トップの経営方針を出発点に、達成すべき重点課題を選び、目標と方策を上位から下位の部門・担当へ展開していく活動です。重点指向で対象を絞り、PDCAを回して改善を進める点が特徴で、全社の力を重要なテーマに集中させる仕組みといえます。

  • 経営方針を部門へ展開する

  • 重点指向で対象を絞る

  • PDCAで改善を進める

B日常管理

日常管理は、各部門が受け持つ業務の目的を果たすために、定めた標準どおりに仕事を進め、異常が出れば処置して元へ戻す維持の活動です。SDCAを回して安定した状態を保つことが中心で、方針管理が扱わない日々の定常業務全般を支える土台になります。

  • 担当業務を標準どおり進める

  • 異常を処置して元へ戻す

  • SDCAで安定を保つ

試験対策のポイント

方針管理は「重点をトップダウンで改善(PDCA)」、日常管理は「決めた標準を守って維持(SDCA)」。改善か維持かで区別します。

理解度チェック(3問)

Q1. 方針管理の説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1各部門が標準どおり業務を進め、異常を処置する維持の活動である
  2. 2経営方針を達成するため重点課題を部門へ展開し、PDCAで改善を進める活動である
  3. 3個々の製品が規格に合っているかを検査する活動である
  4. 4作業標準を守ることだけを目的とする活動である
解答・解説を見る

正解:2. 経営方針を達成するため重点課題を部門へ展開し、PDCAで改善を進める活動である

方針管理は、経営方針を出発点に重点課題を選んで部門へ展開し、PDCAを回して改善を進めるトップダウンの活動です。標準どおり業務を進め異常を処置するのは日常管理、規格適合の検査は品質保証の検査活動で誤り。標準順守だけを目的とするのも日常管理寄りの説明で、方針管理の定義としては適切ではありません。

Q2. 日常管理で主に回すサイクルとして、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1PDCAを回して新たな改善目標を達成する
  2. 2SDCAを回して標準を守り、安定した状態を維持する
  3. 3FMEAを回して故障モードを洗い出す
  4. 4QCストーリーを回して未経験の課題を達成する
解答・解説を見る

正解:2. SDCAを回して標準を守り、安定した状態を維持する

日常管理は、標準(S)を定めて実施し、確認して処置するSDCAを回し、業務を安定した状態に維持することが中心です。新たな改善目標を達成するPDCAは方針管理や改善活動に対応し、FMEAは故障の未然防止手法、QCストーリーは改善の手順であって、いずれも日常管理で主に回すサイクルの説明ではありません。

Q3. 方針管理と日常管理の関係として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1方針管理は維持、日常管理は改善が中心である
  2. 2方針管理は重点課題をトップダウンで改善し、日常管理は標準業務を維持する
  3. 3両者はまったく同じ活動で呼び方が違うだけである
  4. 4日常管理はトップの方針だけを扱い、定常業務は扱わない
解答・解説を見る

正解:2. 方針管理は重点課題をトップダウンで改善し、日常管理は標準業務を維持する

方針管理は重点課題をトップダウンで展開して改善(PDCA)を進め、日常管理は決められた標準業務を維持(SDCA)する、という役割分担が正しい説明です。改善と維持を逆にした選択肢、両者を同一とする選択肢は誤り。日常管理はむしろ日々の定常業務全般を扱うため、方針だけを扱うという選択肢も誤りです。

同じ分野の「違い」記事

QC検定3級 一問一答で演習する