司法書士に戻る
商業登記法難易度: 2023年度

司法書士 過去問商業登記法 第140問

問題

株式会社の役員の変更の登記等に関する次のアからオまでの記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものの組合せは、後記 1 から 5 までのうち、どれか。 ア 定款に定める取締役及び代表取締役の員数が取締役 3 名及び代表取締役 1 名である取締役会設置会社において、代表取締役である取締役が死亡し、残りの取締役 2 名が出席した取締役会の決議によって後任の代表取締役を選定した場合には、後任の代表取締役は、前任の代表取締役の死亡による変更の登記と後任の代表取締役の就任による変更の登記を申請することができる。 イ 監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役を置いている取締役会設置会社において、取締役及び監査役の全員が出席した取締役会の決議によって代表取締役を選定した場合には、代表取締役の就任による変更の登記の申請書には、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役又は監査役の印鑑と変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑とが同一であるときを除き、当該取締役会の議事録に押印された出席した取締役及び監査役の印鑑につき市町村長の作成した証明書を添付しなければならない。 ウ 成年被後見人を取締役として選任した場合は、取締役の就任による変更の登記の申請書には、当該成年被後見人の同意書を添付することを要しない。 エ 取締役の員数について定款に会社法の規定と異なる別段の定めのある会社において、会社法第 112 条第 1 項の規定により、ある種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役を選任する旨の定款の定めが廃止されたものとみなされたときにする当該定款の定めの廃止による変更の登記の申請書には、定款を添付しなければならない。 オ 株主総会において解任された取締役について、辞任を原因とする取締役の変更の登記がされている場合には、会社は、当該登記の抹消を申請することができる。(参考)会社法第 112 条 第 108 条第 2 項第 9 号に掲げる事項(取締役に関するものに限る。)についての定款の定めは、この法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合において、そのために当該員数に足りる数の取締役を選任することができないときは、廃止されたものとみなす。2 (略)

選択肢

  1. 1アイ
  2. 2アエ
  3. 3イオ
  4. 4ウエ
  5. 5ウオ

正解

5. ウオ

詳しい解説を見る

解説

正解は「ウオ」(誤っているものの組合せ)。 ア=正しい。取締役会の決議は、議決に加わることができる取締役の過半数が出席し、その過半数をもって行う(会社法369条1項)。定款所定の員数を欠いている間であっても、残存する取締役によって取締役会を開催し、後任の代表取締役を選定することができる。選定された代表取締役は会社を代表して、前任者の死亡による変更の登記と自己の就任による変更の登記を申請することができる。なお、欠けた取締役の員数は遅滞なく補充しなければならない。根拠:会社法369条1項、346条 イ=正しい。取締役会設置会社において代表取締役の就任による変更の登記を申請するときは、取締役会の議事録に押印された出席取締役及び監査役の印鑑につき市町村長作成の証明書を添付しなければならないが、その印鑑と変更前の代表取締役が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない(商業登記規則61条6項)。監査の範囲が会計に関するものに限定されている監査役も、取締役会に出席した監査役として同項の適用を受ける。根拠:商業登記規則61条6項 ウ=誤り。成年被後見人が取締役に就任するには、その成年後見人が、成年被後見人の同意を得た上で、成年被後見人に代わって就任の承諾をしなければならない(会社法331条の2第1項)。したがって就任による変更の登記の申請書には、成年被後見人の同意があったことを証する書面を添付することを要する。根拠:会社法331条の2第1項 エ=正しい。会社法112条1項の規定により、種類株主総会において取締役を選任する旨の定款の定めが廃止されたものとみなされるのは、法律又は定款で定めた取締役の員数を欠いた場合である。定款に会社法と異なる員数の定めがある会社では、その定款の定めを確認しなければ廃止のみなし効果が生じたかどうかを判断できないから、変更の登記の申請書には定款を添付しなければならない。根拠:会社法112条1項、商業登記法 オ=誤り。登記の抹消を申請することができるのは、登記が管轄違いであるときや登記すべきものでない事項の登記がされたとき等に限られる。解任されたにもかかわらず辞任として登記されている場合は、退任事由の記載に誤りがあるにすぎないから、更正の登記によるべきであって、抹消を申請することはできない。根拠:商業登記法132条、134条 以上より、誤っているのはウとオであり、正解は「ウオ」となる。(出典: 令和5年度 司法書士試験 午後の部 第31問)

一問一答

全11科目1,000問を科目別に学習

商業登記法の関連問題

この調子で演習を続けよう

スキマ資格では司書の全1350問を分野別・難易度別に体系的に学習できます。司法書士試験は午前の部(憲法・民法・刑法・会社法商法)と午後の部(民事訴訟法等・供託法・司法書士法・不動産登記法・商業登記法)の択一式に、不動産登記と商業登記の記述式を加えた構成です。受験資格は不要で、行政書士や宅建からのステップアップにも向いています。