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債権の管理と回収

連帯債務と連帯保証の違い

複数人で債務を負担・担保する場面で混同されやすいのが連帯債務と連帯保証である。連帯債務者はそれぞれが本来の債務者として全額の債務を負うのに対し、連帯保証人は主たる債務者の債務を担保するために連帯して保証する。事例問題では補充性の有無、負担部分、求償権の処理が問われる。

比較表で見る違い

観点連帯債務連帯保証
地位各自が独立して全額を負担する本来の債務者主たる債務者の債務を担保する保証人(従たる債務)
補充性なし。債権者は誰に対しても全額請求できるなし(連帯保証のため催告・検索の抗弁が認められない)
付従性なし。各債務は独立しているあり。主債務が消滅すれば連帯保証も消滅する
負担部分・求償負担部分あり。弁済した者は他の連帯債務者に負担部分を求償できる主たる債務者に対し全額求償できる(保証人に負担部分はない)

それぞれの詳しい解説

A連帯債務

連帯債務とは、複数の債務者が同一内容の給付について、それぞれが独立して全部の弁済をする義務を負い、そのうち一人が弁済すれば全員の債務が消滅する関係をいう。債権者は連帯債務者の誰に対しても、また全員に対して同時または順次に全額を請求できる。連帯債務者間には内部的な負担部分があり、自己の負担部分を超えて弁済した者は、他の連帯債務者に対しその負担部分に応じて求償できる。改正民法では、履行の請求は原則として相対的効力しか持たない点に注意を要する。

  • 各自が本来の債務者として全額を負う(従たる債務ではない)

  • 補充性がなく催告・検索の抗弁はない

  • 弁済者は他の連帯債務者に負担部分を求償できる

B連帯保証

連帯保証とは、保証人が主たる債務者と連帯して債務を保証する形態である。通常の保証人と異なり、連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権が認められず、また分別の利益もない。したがって債権者はいきなり連帯保証人に全額を請求できる。もっとも連帯保証も保証である以上、主たる債務に対する付従性を持ち、主たる債務が消滅すれば連帯保証債務も消滅する。連帯保証人が弁済した場合は、主たる債務者に対して全額を求償できる(保証人自身に負担部分はない)。

  • 主債務を担保する従たる債務であり付従性を持つ

  • 催告・検索の抗弁および分別の利益がない

  • 弁済した連帯保証人は主たる債務者へ全額求償できる

試験対策のポイント

連帯債務者は「自分も本来の債務者」(負担部分あり・付従性なし)、連帯保証人は「他人の債務の担保」(付従性あり・抗弁なし・全額求償)。付従性の有無が決め手。

理解度チェック(3問)

Q1. 連帯債務に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1連帯債務者の一人について生じた主たる債務の消滅は、他の連帯債務者には影響しない独立性が常に貫かれる
  2. 2連帯債務者の一人が弁済した場合、他の連帯債務者に対し負担部分に応じて求償できる
  3. 3連帯債務者には補充性があり、まず主たる債務者に請求するよう求める催告の抗弁が認められる
  4. 4債権者は連帯債務者の一人に対してのみしか請求できず、複数人に同時請求はできない
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正解:2. 連帯債務者の一人が弁済した場合、他の連帯債務者に対し負担部分に応じて求償できる

連帯債務者は各自が全額の債務を負うが内部的な負担部分があり、弁済した者は他の連帯債務者に対し負担部分に応じて求償できる。連帯債務者の一人による弁済は全員の債務を消滅させる絶対的効力を持つため、すべて独立とする肢1は不正確。連帯債務者は本来の債務者であって補充性や催告の抗弁はないため肢3は誤り。債権者は複数人に同時または順次に全額請求できるため肢4も誤り。よって肢2が正しい。

Q2. 連帯保証に関する記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 1連帯保証人は催告の抗弁権を行使し、まず主たる債務者に請求するよう求めることができる
  2. 2連帯保証は主たる債務に対する付従性を持ち、主債務が消滅すれば連帯保証債務も消滅する
  3. 3連帯保証人が複数いる場合、分別の利益により各人は頭数で分割された額のみ負担する
  4. 4連帯保証人が弁済しても、主たる債務者に対して求償することは一切できない
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正解:2. 連帯保証は主たる債務に対する付従性を持ち、主債務が消滅すれば連帯保証債務も消滅する

連帯保証も保証である以上、主たる債務に対する付従性を持ち、主債務が弁済等で消滅すれば連帯保証債務も消滅する。連帯保証人には催告の抗弁権・検索の抗弁権が認められないため肢1は誤り。連帯保証人には分別の利益がなく各自が全額を負担するため肢3も誤り。連帯保証人が弁済すれば主たる債務者へ全額求償できるため肢4も誤り。よって肢2が正しい。

Q3. 債権者の権利行使に関する記述のうち、連帯債務と連帯保証の違いとして最も適切なものはどれか。

  1. 1連帯債務でも連帯保証でも、債務者・保証人は催告の抗弁権により履行を一時拒める点で共通する
  2. 2連帯保証では主債務の消滅で保証債務も消滅するが、連帯債務では各債務が独立しこの付従性がない
  3. 3連帯債務は付従性を持つが、連帯保証は付従性を持たない点で両者は逆である
  4. 4連帯保証人にも負担部分があり、弁済しても主たる債務者へは負担部分を超える分しか求償できない
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正解:2. 連帯保証では主債務の消滅で保証債務も消滅するが、連帯債務では各債務が独立しこの付従性がない

最大の違いは付従性の有無である。連帯保証は主たる債務を担保する従たる債務なので付従性を持ち、主債務が消滅すれば保証債務も消滅する。一方、連帯債務は各自が本来の債務者であり各債務は独立し付従性がない。連帯債務者にも連帯保証人にも催告の抗弁はないため肢1は誤り。付従性の所在を逆にした肢3も誤り。連帯保証人に負担部分はなく全額求償できるため肢4も誤りで、肢2が正しい。

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