問題
選択肢
- 1株券の発行前にした譲渡は当事者間では効力を生じ得ても会社に対しては原則として効力を生じないため、株券を発行して交付するか、株券不発行会社への移行で対応するよう助言する
- 2株券が実在しない以上、当事者の意思表示だけで会社に対しても譲渡の効力が生じるので、特段の対応は不要と説明する
- 3株主名簿の名義書換えさえ行えば、株券を交付しなくても譲渡の効力が生じるので、名義書換えで足りると説明する
- 4この状態は株式譲渡のままでは解消できないため、スキームを合併に変更するほかないと説明する
正解
1. 株券の発行前にした譲渡は当事者間では効力を生じ得ても会社に対しては原則として効力を生じないため、株券を発行して交付するか、株券不発行会社への移行で対応するよう助言する
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解説
会社法128条1項は、株券発行会社の株式の譲渡は株券を交付しなければ効力を生じないと定める。ただし、最高裁令和6年4月19日判決は、同項は株券の発行後にした譲渡に適用される規定であり、株券の発行前にした譲渡は、株券の交付がないことをもって譲渡当事者間での効力が否定されることはないとした。一方で、株券の発行前にした譲渡は株券発行会社に対しては原則として効力を生じない(同条2項)ため、そのままでは譲り受け側は会社に対して株主として権利を行使できない。ただし、会社が株券の発行を不当に遅滞している場合は、会社は株券発行前であることを理由に譲渡の効力を否定できないとされる(最大判昭和47年11月8日)。そこで、株券を発行して交付するか、定款を変更して株券不発行会社に移行するなどの対応が考えられる。株券不発行会社であれば意思表示だけで譲渡の効力が生じ、株主名簿の名義書換え(同法130条)で会社に対抗できるが、株券発行会社では名義書換えは株券の交付に代わるものではない。株式譲渡のまま是正する方法があるので、合併以外に方法がないとするのも誤りである。
一問一答
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