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手法分野

CpとCpkの違い

CpとCpkはどちらも工程能力指数(process capability index)で、規格幅に対して工程のばらつきがどれだけ小さいかを表します。Cp=(SU−SL)/(6s) は分布の中心が規格の中央にあるという前提でばらつきの大きさだけをみるのに対し、Cpk=min((SU−x̄)/(3s),(x̄−SL)/(3s)) は中心のかたよりも織り込みます。規格中央 M=(SU+SL)/2 からのずれを規格半幅で割ったかたより度 k=|M−x̄|/((SU−SL)/2) を用いると Cpk=(1−k)Cp と書け、k=0のときだけ両者は一致します。QC検定2級では、片側規格でのCpk、不適合品率との対応、群内変動から求めるCp・Cpkと全体のばらつきから求めるPp・Ppkの違いまで問われます。いずれも工程が管理状態にあり、分布が正規分布とみなせることが前提です。

比較表で見る違い

観点CpCpk
計算式(SU−SL)/(6s)min((SU−x̄)/(3s),(x̄−SL)/(3s))
かたよりの扱い考慮しない(中心が規格中央の前提)かたより度kのぶん割り引いて評価
両者を結ぶ式k=0 のとき Cp=CpkCpk=(1−k)Cp(0≦k<1)
片側規格のとき規格幅が定まらず算出できない規格のある側だけで算出できる
不適合品率の目安k=0でCp=1.00なら両側計 約0.27%Cpk=1.00なら近い側だけで 約0.135%
長期の指標全体の標準偏差で計算するとPp全体の標準偏差で計算するとPpk
共通の前提工程が管理状態にあること分布が正規分布とみなせること

それぞれの詳しい解説

ACp(工程能力指数)

Cpは規格の幅(SU−SL)を工程のばらつき6s(±3s)で割った指数で、分布の中心が規格の中央にあるという前提のもと、ばらつきが規格幅に対してどれだけ小さいかだけを表します。中心がずれても値は変わらないため、単独で用いると実力を過大評価しかねません。ここでのsは、管理図の群内変動(R̄/d2 や s̄/c4)から推定するのが本来の姿で、偶然原因だけで決まる短期の潜在能力を表します。これに対し全データをまとめた全体の標準偏差で計算した指数はPpと呼ばれ、群間の時間的な変動まで含んだ長期の実績を表します。またCpは標本から求めた推定値にすぎず、nが小さいほどカイ二乗分布に基づく信頼区間は広くなるため、少数データの値をそのまま工程の実力と断定しないよう注意します。

  • 計算式は (SU−SL)/(6s)

  • かたよりは反映せず、ばらつきだけをみる

  • 群内変動から求めれば短期、全体のばらつきならPp

  • nが小さいほど推定値の信頼区間は広い

BCpk(かたよりを考慮した工程能力指数)

Cpkは上限までの余裕(SU−x̄)と下限までの余裕(x̄−SL)をそれぞれ3sで割り、小さいほうを採用します。かたより度 k を用いれば Cpk=(1−k)Cp と表せ、k=0でCpと一致し、kが大きいほど小さくなります。上限だけ、あるいは下限だけしか規格がない片側規格ではCpを求められませんが、Cpkは規格のある側だけで計算できます。値の目安は、1.33以上で十分、1.00以上1.33未満は管理を厳重にして注意、1.00未満は工程能力不足とされます。不適合品率との対応では、かたよりがなくCp=Cpk=1.00のとき規格外れは両側あわせて約0.27%(2700ppm)、1.33のときは約63ppmと見積もられます。

  • 計算式は min((SU−x̄)/(3s),(x̄−SL)/(3s))

  • かたより度kにより Cpk=(1−k)Cp

  • 片側規格でも規格のある側だけで算出できる

  • 1.33以上で十分、1.00未満は工程能力不足

試験対策のポイント

Cpは「ばらつきだけ」、Cpkは「ばらつき+かたより」で Cpk=(1−k)Cp。片側規格ではCpkだけが計算でき、群内変動で求めればCp・Cpk、全体のばらつきで求めればPp・Ppkになります。

理解度チェック(4問)

Q1. ある特性で規格上限 SU=50、規格下限 SL=30、平均 x̄=42、標準偏差 s=2 であった。かたより度kとCpkの組み合わせとして、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1k=0.20、Cpk=1.67
  2. 2k=0.10、Cpk=1.50
  3. 3k=0.20、Cpk=1.33
  4. 4k=0.40、Cpk=1.00
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正解:3. k=0.20、Cpk=1.33

規格中央 M=(50+30)/2=40、規格半幅は (50−30)/2=10 なので、かたより度 k=|40−42|/10=0.20 です。Cp=(50−30)/(6×2)=20/12≒1.67 だから Cpk=(1−k)Cp=0.80×1.67≒1.33。直接求めても Cpk=min((50−42)/(3×2),(42−30)/(3×2))=min(8/6,12/6)=min(1.33,2.00)=1.33 で一致します。1.67はCpの値そのもの、他はkまたはCpkの計算を誤った値です。

Q2. 下限規格 SL=100 だけが定められた特性で、平均 x̄=118、標準偏差 s=4 であった。この工程の工程能力指数として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1Cpは求められず、Cpk=1.50 である
  2. 2Cp=1.50、Cpk=1.50 である
  3. 3Cpは求められず、Cpk=0.75 である
  4. 4片側規格ではCpもCpkも定義できない
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正解:1. Cpは求められず、Cpk=1.50 である

片側規格では規格幅 (SU−SL) が定まらないためCpは計算できませんが、Cpkは規格のある側だけで求められます。下限規格だけなので Cpk=(x̄−SL)/(3s)=(118−100)/(3×4)=18/12=1.50 です。Cpも同じ値になるとする選択肢は、そもそも規格幅が存在しないため誤り。0.75は3sではなく6sで割った誤りで、片側規格でCpkが定義できないという選択肢も誤りです。

Q3. 工程能力指数Cp・CpkとPp・Ppkの違いとして、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1Cp・Cpkは計数値、Pp・Ppkは計量値に用いる指数である
  2. 2Pp・Ppkはかたよりを考慮せず、Cp・Cpkだけがかたよりを考慮する
  3. 3Pp・Ppkは規格を用いず、目標値だけから計算する
  4. 4Cp・Cpkは群内変動から推定した標準偏差、Pp・Ppkは全データをまとめた全体の標準偏差を用いる
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正解:4. Cp・Cpkは群内変動から推定した標準偏差、Pp・Ppkは全データをまとめた全体の標準偏差を用いる

Cp・Cpkは、管理図の群内変動(R̄/d2 や s̄/c4)から推定した標準偏差を用い、偶然原因だけで決まる短期の潜在能力を表します。Pp・Ppkは全データをまとめた全体の標準偏差を用いるため、群間の時間的な変動まで含んだ長期の実績を表します。どちらも計量値に用いる指数で、かたよりを考慮するのはCpkとPpkの側、いずれも規格を用いて計算するため、他の選択肢は誤りです。

Q4. 工程能力調査の前提と、指数の解釈として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1管理図で異常が続いている工程でも、求めたCpの値は工程の実力としてそのまま使える
  2. 2工程が管理状態にあることを確かめたうえで求め、かたよりがなくCp=Cpk=1.00なら規格外れは両側あわせて約0.27%と見積もられる
  3. 3かたよりがなくCp=Cpk=1.00なら、規格外れは理論上ゼロになる
  4. 4標本の大きさnがどれほど小さくても、求めたCpの値は母集団の工程能力と完全に一致する
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正解:2. 工程が管理状態にあることを確かめたうえで求め、かたよりがなくCp=Cpk=1.00なら規格外れは両側あわせて約0.27%と見積もられる

工程能力調査は、管理図などで工程が管理状態にあり、分布が正規分布とみなせることを確かめてから行います。かたよりがなくCp=Cpk=1.00のときは規格限界が平均から±3sの位置にあたるため、規格外れは両側あわせて約0.27%(2700ppm)、1.33なら約63ppmと見積もられます。管理外れの工程の値は実力を表さず、規格外れがゼロになることもありません。またCpは標本から求めた推定値で、nが小さいほど信頼区間は広くなるため、母集団の値と完全に一致するとはいえません。

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