A検定(統計的仮説検定)
検定は、帰無仮説と対立仮説を立て、標本から計算した検定統計量が棄却域に入るかどうかで仮説の妥当性を判断します。有意水準αを決めておき、統計量が棄却域に入れば帰無仮説を棄却して「有意である」と結論します。母平均の差の検定、母分散の検定、比率の検定など、判断を下したい場面で使います。
帰無仮説と対立仮説を立てる
有意水準αと棄却域で判断する
結果は有意か有意でないかで表す
検定(test)は、母平均や母分散などの母数について立てた仮説が、標本から見て妥当かどうかを統計的に判断する手続きで、結果は「有意である/有意でない」の形で得られます。推定(estimation)は、母数の値そのものを標本から見積もる手続きで、1つの値で示す点推定と、幅(信頼区間)をもって示す区間推定があります。判断を下すのが検定、値を見積もるのが推定という目的の違いが最大の分かれ目です。
| 観点 | 検定 | 推定 |
|---|---|---|
| 目的 | 仮説の真偽を統計的に判断する | 母数の値を標本から見積もる |
| 結果の形 | 有意か/有意でないか | 点推定値・信頼区間 |
| 用いる考え方 | 有意水準α・棄却域 | 信頼率(信頼係数)・信頼区間 |
| 主な種類 | 両側検定・片側検定 | 点推定・区間推定 |
| 問いの例 | 母平均は基準値と異なるといえるか | 母平均は信頼率95%でどの範囲か |
検定は、帰無仮説と対立仮説を立て、標本から計算した検定統計量が棄却域に入るかどうかで仮説の妥当性を判断します。有意水準αを決めておき、統計量が棄却域に入れば帰無仮説を棄却して「有意である」と結論します。母平均の差の検定、母分散の検定、比率の検定など、判断を下したい場面で使います。
帰無仮説と対立仮説を立てる
有意水準αと棄却域で判断する
結果は有意か有意でないかで表す
推定は、母数の値そのものを標本から見積もります。標本平均で母平均を1つの値として示すのが点推定、信頼率(例:95%)を定めて母数が入ると考えられる範囲を示すのが区間推定です。区間推定では、信頼率を一定に保ったまま標本の大きさnを大きくすると、区間の幅は狭くなり精度が上がります。
母数の値そのものを見積もる
点推定は1つの値、区間推定は幅で示す
信頼率一定ならnを増やすと区間は狭まる
検定は「仮説が正しいかを判断(有意か)」、推定は「母数の値を見積もる(点・区間)」。判断か見積もりか、が使い分けの軸です。
Q1. 統計的仮説検定の説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:2. 母数について立てた仮説が妥当かを、有意水準を用いて判断する手続きである
検定は、帰無仮説と対立仮説を立て、有意水準αと棄却域を用いて仮説の妥当性を統計的に判断する手続きです。母数の値を見積もるのは推定、グラフによる整理は手法の一部にすぎず、全数調査は標本による推測統計とは異なるため、いずれも検定の説明としては適切ではありません。判断を下す点が検定の目的です。
Q2. 区間推定の説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:1. 母数が入ると考えられる範囲を、信頼率を定めて幅で示す
区間推定は、信頼率(例:95%)を定めたうえで、母数が入ると考えられる範囲を信頼区間として幅をもって示す推定です。仮説の棄却の判断は検定、母数を1つの値で示すのは点推定、最大値と最小値の差は範囲Rであり、いずれも区間推定の説明ではありません。幅で示して精度を伴う点が特徴です。
Q3. 信頼率を一定に保ったときの信頼区間の幅について、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:1. 標本の大きさnを大きくすると、区間の幅は狭くなる
信頼率を一定に保つと、標本の大きさnを大きくするほど標本平均のばらつきが小さくなり、信頼区間の幅は狭くなって推定の精度が上がります。nを増やすと幅が広くなる、幅が一定というのは誤り。また信頼率を高くすると、より確実に母数を含めるため区間はむしろ広くなるので、その選択肢も誤りです。