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手法分野

第一種の誤りと第二種の誤りの違い

仮説検定では、判断を誤る可能性が2種類あります。第一種の誤り(α)は、帰無仮説H0が本当は正しいのに、これを棄却してしまう誤りです。第二種の誤り(β)は、帰無仮説H0が本当は誤り(対立仮説が正しい)なのに、これを棄却せず採択してしまう誤りです。抜取検査では第一種の誤りが生産者危険、第二種の誤りが消費者危険に対応します。

比較表で見る違い

観点第一種の誤り第二種の誤り
記号αβ
帰無仮説H0の実際H0は正しいH0は誤り(対立仮説が正しい)
誤りの内容正しいH0を棄却してしまう誤ったH0を棄却しない(採択する)
別の呼び方あわてものの誤り・生産者危険ぼんやりものの誤り・消費者危険
抜取検査での意味良いロットを不合格にする悪いロットを合格にする

それぞれの詳しい解説

A第一種の誤り(α)

第一種の誤りは、帰無仮説が正しいにもかかわらず棄却してしまう誤りで、その確率が有意水準αです。差がないのに「差がある」と早合点することから、あわてものの誤りとも呼ばれます。抜取検査では、本来合格させるべき良いロットを不合格にしてしまう生産者危険に対応します。

  • H0が正しいのに棄却する誤り

  • 確率は有意水準α(例:0.05)

  • あわてものの誤り・生産者危険

B第二種の誤り(β)

第二種の誤りは、帰無仮説が誤り(対立仮説が正しい)にもかかわらず棄却せず採択してしまう誤りで、その確率がβです。差があるのに見逃すことから、ぼんやりものの誤りとも呼ばれます。抜取検査では、本来不合格にすべき悪いロットを合格にしてしまう消費者危険に対応します。1−βを検出力と呼びます。

  • H0が誤りなのに棄却しない誤り

  • 確率はβ、1−βが検出力

  • ぼんやりものの誤り・消費者危険

試験対策のポイント

第一種は「正しいH0を棄却(あわてもの・生産者危険)」、第二種は「誤ったH0を見逃す(ぼんやりもの・消費者危険)」。H0が正しいか誤りかで区別します。

理解度チェック(3問)

Q1. 第一種の誤りの説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1帰無仮説が誤りなのに、これを棄却しない誤りである
  2. 2帰無仮説が正しいのに、これを棄却してしまう誤りである
  3. 3対立仮説が正しいのに、これを棄却してしまう誤りである
  4. 4標本の大きさを決め間違える誤りである
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正解:2. 帰無仮説が正しいのに、これを棄却してしまう誤りである

第一種の誤りは、帰無仮説が本当は正しいのに棄却してしまう誤りで、その確率が有意水準αです。帰無仮説が誤りなのに棄却しないのは第二種の誤りで誤り。対立仮説を棄却するという表現や、標本の大きさの決め間違いは第一種の誤りの定義とは異なります。あわてものの誤り・生産者危険に対応する点を押さえます。

Q2. 抜取検査における消費者危険に対応する誤りとして、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1良いロットを不合格にしてしまう第一種の誤り
  2. 2悪いロットを合格にしてしまう第二種の誤り
  3. 3検査そのものを省略してしまう誤り
  4. 4合格判定個数を大きく取りすぎる誤り
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正解:2. 悪いロットを合格にしてしまう第二種の誤り

消費者危険は、本来不合格にすべき悪いロットを合格にしてしまう危険で、帰無仮説が誤りなのに棄却しない第二種の誤り(β)に対応します。良いロットを不合格にするのは生産者危険で第一種の誤り、検査の省略や合格判定個数の設定は危険の定義そのものではないため、いずれも消費者危険の説明としては適切ではありません。

Q3. 検出力(1−β)の説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。

  1. 1帰無仮説が正しいときに、これを正しく採択できる確率である
  2. 2対立仮説が正しいときに、帰無仮説を正しく棄却できる確率である
  3. 3第一種の誤りをおかす確率そのものである
  4. 4標本の大きさを1回で決められる確率である
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正解:2. 対立仮説が正しいときに、帰無仮説を正しく棄却できる確率である

検出力は1−βで、対立仮説が正しい(本当に差がある)ときに、帰無仮説を正しく棄却して差を検出できる確率です。帰無仮説が正しいときに採択できる確率は1−α、第一種の誤りをおかす確率はαで、いずれも検出力の説明ではありません。差を見逃さない能力の大きさを表す点が要点です。

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