A平方和(S)
平方和は各データから平均を引いた偏差を二乗し、すべて合計した値です。二乗するので必ず0以上になり、ばらつきが大きいほど、またデータ数が多いほど大きくなります。データ数が異なる集団のばらつきを直接比べるには向きません。
S=Σ(xi−x̄)² で計算する
必ず0以上になる
データ数が増えると大きくなる
平方和S(sum of squares)は各データと平均の差(偏差)を二乗して合計した値で、データが増えるほど大きくなります。分散V(variance)はその平方和を自由度(n−1)で割った、1データあたりの平均的なばらつきです。QC検定3級では、分散は自由度n−1で割る不偏分散を使います。
| 観点 | 平方和 | 分散 |
|---|---|---|
| 意味 | 偏差の二乗の合計 | 1データあたりの平均的ばらつき |
| 計算式 | S=Σ(xi−x̄)² | V=S/(n−1) |
| データ数の影響 | 増えるほど大きくなる | データ数によらず比較できる |
| 単位 | 元の単位の二乗 | 元の単位の二乗 |
| 標準偏差との関係 | 分散のもとになる量 | 平方根をとると標準偏差s |
平方和は各データから平均を引いた偏差を二乗し、すべて合計した値です。二乗するので必ず0以上になり、ばらつきが大きいほど、またデータ数が多いほど大きくなります。データ数が異なる集団のばらつきを直接比べるには向きません。
S=Σ(xi−x̄)² で計算する
必ず0以上になる
データ数が増えると大きくなる
分散は平方和を自由度(n−1)で割った値で、1データあたりの平均的なばらつきを表します。データ数の影響を除いているため、大きさの異なる集団どうしでも比較できます。平方根をとると標準偏差sになります。
V=S/(n−1) で計算する(不偏分散)
データ数によらず比較できる
平方根が標準偏差s
平方和は「合計」なので数が増えれば増える。自由度n−1で割って1個あたりに直したものが分散、と押さえます。
Q1. 平方和 S の説明として、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:2. 各データから平均を引いた偏差の二乗を合計した値である
平方和は各データの偏差(データ−平均)を二乗して合計した値で、S=Σ(xi−x̄)² と表します。平方和を自由度で割った値は分散、最大値から最小値を引いた値は範囲、平均値はそのまま平均であり、いずれも平方和の説明ではありません。二乗の合計である点が要点です。
Q2. データ 2, 4, 6 について、分散 V(自由度 n−1 で割る不偏分散)として、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:3. 4
平均 x̄=(2+4+6)/3=4。平方和 S=(2−4)²+(4−4)²+(6−4)²=4+0+4=8。分散 V=S/(n−1)=8/(3−1)=4 です。8は平方和そのもの、2.67はnで割った母分散、2は標準偏差 s=√4=2 の値で、いずれも不偏分散Vとは異なります。
Q3. 平方和と分散の関係として、もっとも適切なものをひとつ選べ。
正解:4. 平方和を自由度(n−1)で割ると分散になり、分散はデータ1個あたりの平均的なばらつきを表す
平方和を自由度(n−1)で割ると分散になり、分散はデータ数の影響を除いた1個あたりの平均的なばらつきを表します。平方和はデータ数が増えると大きくなりますが、分散はそうとは限りません。偏差を二乗するため平方和は負にならず、分散の平方根は標準偏差であって平方和ではないため、他の選択肢は誤りです。